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鉢植えで植物を育てる際、何度も植え替えるのは手間なので一気に大きな鉢に植えようと考えています。何か問題はあるのでしょうか?
鉢植えで植物を育てる際、何度も植え替えるのは手間なので一気に大きな鉢に植えようと考えています。何か問題はあるのでしょうか?
鉢植えで植物を栽培するには、生長するに従って通常1~2回り大きな鉢に植え替えていきますが、これを「鉢増し」または「鉢替え」といいます。
なぜ鉢増しは必要なのでしょうか。1つは、水やりで土の団粒構造が壊れるからです。鉢栽培での水やりは、鉢の中の限られた土にとって頻繁に洪水が起こっているのと同じ状態です。そのため、土の団粒構造が壊れるのが早く、土は次第に排水性や通気性を失っていきます。2つ目は植物の地上部と地下部のバランスです。鉢増しをしないまま地上部が生長すると、風などで倒れやすいだけでなく、地上部の生育に必要なだけの根の伸びる余地がなくなり、根腐れを起こして弱ったり生長が止まったりします。このような弊害から植物を守るために鉢増しは重要な作業なのです。
では、一気に大きな鉢に植え替えるとどうなるでしょうか。
植物をその大きさに不釣り合いなほど大きな鉢に植えた場合、鉢の中の根の量が少ないので、吸い上げる水の量も少なく、鉢土はなかなか乾かなくなり、土の中の空気量も少なくなるため、根は酸欠状態となり根腐れを起こします。また、根はかたいものに当たると枝分かれする性質がありますが、鉢が大きいと鉢壁になかなか当たらないので細根の少ない貧弱な株に育ちます。以上のことから、手間がかかっても植物の生長に応じて徐々に大きな鉢に植え替えをすることが大切なのです。