【ユリの栽培ポイント】
ユリの球根の植え付けは、第一によい球根を適期に入手し、速やかに適地に植え付けることが基本となります。乾燥しておらず腐れや傷がなく球皮に光沢があり、鱗片の先が尖とがって下根がしっかりとついている大きな球根です。すぐに植えられない場合は、乾燥を防ぐため、湿ったおがくずやピートモスなどに入れ冷暗所で保管しましょう。ユリはその種類や系統によって生育環境が異なるので、植え付けに際してはその確認も必要です。例えば、日本に自生するササユリやヤマユリ、カノコユリ、これらを交配して作出されたオリエンタルハイブリッドリリーは、自生地環境と似た、西日の当たらない明るい日陰で水はけのよい場所が適地です。次にユリの球根はその高さの3倍程度の深植えにします。球根から伸びる根は2種類あり、一つは球根の下から出る下根で、これは地上部をしっかりと支える支持根です。もう一つは球根から伸びた茎から出る養分や水分を吸収する上根です。上根を十分に成長させ張らせるためには深植えが大切で、乾燥や温度変化など環境の影響を受けにくくすることにもつながります。
植え付け時期は、球根の発芽や花芽分化には一定期間の低温が必要となり10~11月が適期です。多少適期を逃しても球根の保管を適正にしていれば大丈夫です。特にオリエンタル系は翌年3月までなら植え付け可能ですが、いずれも適期内に植え付けるより発芽率は低くなります。春植えをするのなら2~3月に出回る芽出し球根を植え付けると手間が掛からず簡単で、失敗せずに花を咲かせることができます。