自然薯の栽培方法・育て方を解説!
食べたいヤマイモを上手に育てて、おいしくいただきましょう。
1975年生まれ。山口県柳井市で自然薯の種苗店を運営。全国の自然薯産地に種苗の販売を行いながら、自然薯の品種管理、栽培研究を行っている。
自然薯はもともと山野に自生しています。畑での栽培は不可能とされていましたが、1974年にクレバーパイプが発明されてから、畑で栽培されるようになりました。天然の自然薯が生育する山の環境を畑に再現することが、栽培の一番のポイントです。畑の乾燥や、夏の地温に注意して立派な自然薯を収穫しましょう。
パイプに土を詰めます。畑に30cm程度の溝を掘り、土を詰めたパイプを約30cm間隔で埋めていきます。その際、パイプのお皿の部分だけが地表に出るよう、約15度の角度で埋設します。
自然薯は土厚で太りがよくなります。パイプの中いっぱいに土を入れましょう。
植え付けする時の目印を、パイプ埋設の際につけておきます。地表に出たパイプのお皿部分の真ん中に、30cmの目印の棒を立て、左右の土を寄せ、棒を中心に幅1m前後の大きな畝をつくります。土は棒が少し見えるぐらいまでかぶせます。
立てておいた目印の棒の下にタネイモを植え付けていきます。目印の棒が立っている箇所の土を、目印の棒の深さの半分程度(約15cm)まで掘り返し、棒についている印が見えるようにします。この印の箇所に、発芽点となるタネイモの先端をあわせて定植します。
棒の印に合わせた発芽点から、新しい自然薯が真っすぐ下に生長し、クレバーパイプのお皿に受け止められてパイプ内に誘引されていきます。定植の際は目印の棒を真っすぐ立て直すのがコツです。
施肥量は、チッソ:リン酸:カリ=8:8:8の化成肥料の場合、1株につき70gが目安です。定植後、畝の両側に元肥として、1株当たり40gまきます。施肥後に支柱を立て、キュウリネットを張ります。定植して60日後に、残りの肥料を1株当たり30g追肥します。
自然薯は根の部分以外は高濃度の肥料を嫌うので、必ず畝の両側を中心とした施肥を心掛けましょう。畝の適度な地温と湿度を保つため、敷きわら、白黒マルチの被覆なども効果的です。