プランター菜園で野菜づくり
コタツが必要になる季節の定番野菜といえば、何といってもシュンギクでしょう。すき焼きや鍋物を囲んでの食事は、寒さが増す季節に、一家の食卓へ温かさとおいしい会話をプレゼントしてくれます。
シュンギクは地中海沿岸地域が原産で、独特の香気と風味を有するキク科の葉菜です。中国や日本など東アジアでは野菜として用いられますが、原産地のヨーロッパでは主に観賞用として栽培されています。越冬した株から開花するシュンギクの花は意外と美しく、まさに「春の菊」といえるでしょう。
シュンギクの生育適温は、15〜20℃と冷涼な気候を好むので、春(4〜5月)と秋(9〜10月)が栽培適期になります。栄養的にはカロテンの含量が多く、ホウレンソウに匹敵します。また、ビタミンC、カルシウム、鉄分なども豊富です。
【1.コンテナなどの準備】
20×65×20cmの標準サイズのプランターを準備します。用土は市販の培養土を利用してください。 |
【2.タネまき】
タネまきは、春は4月〜5月中旬、秋は9月〜10月上旬に行うのがベストです。1条まきの場合は、畝(うね)の中央に深さ5mm程度の浅めのまき溝をつくり、1cm間隔でタネをまきます。2条まきでは、条間15cmとします。シュンギクのタネは「好光性種子(光発芽種子)」のため、覆土はごく薄くします。 |
【3.間引き・追肥・土寄せ・収穫】
以降の管理は、抜き取り収穫と摘み取り収穫で異なります。 |
【4.病害虫】
アブラムシにはオレート液剤、マメハモグリバエにはベストガード粒剤を使用し、ヨトウムシ類は見つけ次第捕殺します。べと病にはボルドーを散布します。
また、カルシウム欠乏による芯腐れ症状が見られる場合は、カルシウムエキスを葉面散布するなどの対処法をとります。
コラム 生で食べられるシュンギク
シュンギクの食べ方は鍋やすき焼きが主流で、おひたしやゴマ和え、ピーナッツ和え、てんぷらなども定番です。しかし、アクが少なくやわらかいので生でも食べられ、意外とうまいのがサラダなのです。
プランターや畑で作れば、摘みたての新鮮なシュンギクがいつでも手に入り、おいしいサラダが楽しめます。一味違うシュンギクを味わえるのも、家庭菜園のよさです。