春まきキャベツの栽培ポイントを伝授!種まきの時期も解説
家庭菜園では秋〜冬に収穫する夏まき栽培が一般的ですが、今回は低温期に種まきし、春〜初夏に収穫する春まき栽培をご紹介します。夏まき栽培に続いて春まき栽培を行えば、長期間栽培を楽しむことができますよ。ぜひ挑戦してみてください!
培土をつめた7.5cm程度のポットに種を3粒程度まきます。低温期のタネまきのため、育苗期間は温度管理が重要です。温室や温床、被覆資材を利用し、最低気温10℃を目安に保温します。ただし、蒸し込みすぎると苗が軟弱徒長してしまいます。日照量を十分確保すると同時に、日中は25℃以上にならないよう早めの換気を行います。
また、低温期は培土が乾きにくいため、過湿になりがちです。土の湿り具合をよく見て、水のやり過ぎには注意して、網状になった台などを使ってポットを地面から30cmほど離して置きます。こうすることで、ポットから余分な水が抜けやすくなります。
本葉が2枚ほどになったら、健全な株を1本残して間引きます。定植適期は本葉5〜6枚程度が目安です。トンネル・ハウス育苗の場合は定植1週間前から無理のない範囲で外気に触れさせ、畑の環境に慣らしましょう。
キャベツは過湿を嫌う作物なので、排水の悪い畑では畝を高くすることが大事です。床幅90cm程度で、高さ15〜20cm程度の畝を目安とします。また、畝の周りを整備し、水がたまらないように排水を図ります。条間50cm、株間35〜40cmの2条植えが一般的です。
平均気温10℃以上になるころが定植適期です。お近くのソメイヨシノの開花がその気温の目安となります。それ以前に植え付ける場合は、通気性のある被覆資材を用いて保温する必要があります。被覆をする場合は苗に害虫の卵や幼虫がついていないことを確認し、定植後すぐに行ってください。
春まき栽培は、低温で初期生育が緩やかであるため、元肥主体で生育を促します。キャベツの栽培に必要なチッソ成分は1m2当たり30g程度です。そのうちの3分の2を元肥に、残りを追肥として施します。
また、収穫時期が高温になるので、裂球や腐敗が起こりやすくなります。そのため追肥は、定植後1〜2週間後に中耕も兼ねて早めに施し、栽培後半まで肥効が残らないようにします。中耕することで、除草だけでなく畝内の通気・排水をよくし、根の生育を助けることができます。
防虫ネットのトンネルなどで、ある程度害虫を防ぐことができます。害虫を見つけた場合はただちに捕殺するか、薬剤を利用します。また春先は、ナメクジの食害も多いため、畑周りや畝間に駆除剤を散布するとよいでしょう。
ほとんどの病気は過湿が原因となりますので、排水管理には気を配りましょう。また株間が広いほど通気がよくなり、薬液もかかりやすいため、病虫害の軽減に効果的です。
春まき栽培の収穫にあたる5〜6月は、高温・多雨の影響で裂球・球腐敗が発生しやすい時期です。上から押してみて、若干の弾力を感じるくらいが収穫適期です。球が詰まりきるまで待たずに、早めの収穫を心掛けましょう。
春まき栽培におすすめ!
裂球や球腐敗しにくいため、高温時期の6月上旬からの収穫におすすめ。外葉が大きく生育が旺盛ですので、他の品種よりも2割ほど元肥を減らし、追肥で肥大を促す管理が向いています。
5月中旬〜6月上旬どりに向く品種。食感はみずみずしくサクサクとしています。甘みも強いので、生食用のキャベツとしてもおいしく食べられます。
やわらかくてジューシーな良質系キャベツ。早熟性と低温肥大性に優れるので、ゴールデンウィーク前後の早い時期の収穫に最適です。