エキナセアEchinacea spp.
キク科ムラサキバレンギク属
夏の花壇を華やかに彩るエキナセアの仲間は、北アメリカ中央部から東部にかけて広がるプレーリー(大草原)を中心に9種が分布しています。アメリカの先住民は、身近にあったこの植物の葉や根を薬用に利用してきました。日本へは、昭和初期に観賞用として導入されましたが、現在では、免疫効果を高めるハーブとしての方が、よく知られているかもしれません。属名でもあるエキナセアの語源は、ギリシャ語で「ハリネズミ」から来ており、花の中央部分がトゲ状に盛り上がっていることに由来します。
かつては桃色と白色の2つの花色しかなく、花壇で幅を利かせるようなことはありませんでした。ところが、アメリカで10年ほど前から育種が盛んになり、特にエキナセア・パラドクサという黄花の種を育種に使うようになって、黄や橙色、二色咲きの品種までもが作出され、いっきにバリエーションが広がり、今いちばんホットな宿根草の1つとなっています。
6月の下旬ごろから数カ月にわたって、暑さに負けず大きな花を次から次へと咲かせ、夏の花壇になくてはならない宿根草といえるでしょう。品種によっては、花に甘い香りがあります。切り花はもちろんのこと、花後も残る花序は、ドライフラワーとしても利用できます。