アスチルベ Astilbe spp.
ユキノシタ科チダケサシ属
初夏に、木陰の花壇を明るく彩るアスチルベ。淡い色合いの小さな花を密につけた花穂が、涼しげに風に揺れます。
アスチルベはもともとチダケサシ属を意味するラテン名ですが、そのまま同属の園芸品種を総称する意味で使われるようになりました。カタカナの名は外来種の響きがありますが、元をたどれば日本や中国に自生する植物から作られた園芸植物です。そのため、当然ながら日本の気候によく合い、あまり手を掛けなくても毎年美しい花を咲かせてくれる、優れた多年草です。
アスチルベの仲間(チダケサシ属)は、東アジアと北米に約20種が自生します。そのほとんどは、日本、中国をはじめとするアジアに分布しており、重要な園芸品種の交配親にもなっています。その交配は、今から100年ほど前にドイツで本格的に始まり、その時に選抜された系統が、今も多くの園芸品種の元となっています。それらは、育種者の名をとりアレンジー系とも呼ばれます。最近では、さらに別の種も交配に加わり、多くの魅力的な園芸品種が続々と紹介されています。