アガパンサス・アフリカヌス A.africanus
草丈40~60㎝
原産地:南アフリカ南西部
常緑性 花色:濃青紫
ほかの種に比べて栽培が難しく、日本にこの名で流通しているものの多くは、次に紹介するプラエコクス種か、それから派生する園芸品種と思われる。
毎回季節の草花をピックアップ。その特性を生かしたガーデンでの使い方を、相性の良い植物とあわせてご紹介していきます。通常友の会会員様しか読めない、月刊誌「はなとやさい」に掲載の記事となりますが、特別公開しますので、ぜひご覧ください。
アガパンサスは、南アフリカだけに分布する多年草で、現在は分類が整理されて6種が自生しています。種内での変異が大きく、いくつもの亜種に分けられています。
栽培の歴史は古く、17世紀にはヨーロッパで観賞用として栽培されていました。現在では交配が進み、草丈や花色、草姿などが異なる数多くの園芸品種が作出されています。
品種による差異はありますが、6~7月にかけて花茎を長く伸ばし、その先にいくつもの花が集まって開花します。
基本色は青から青紫で、白色の品種もあります。大きく常緑性と落葉性に分けられますが、その境界がはっきりしない品種もあります。花壇材料としての利用はもちろん、切り花用としても栽培されています。
アガパンサスは、非常に多くの園芸品種を持つ。
草丈40~60㎝
原産地:南アフリカ南西部
常緑性 花色:濃青紫
ほかの種に比べて栽培が難しく、日本にこの名で流通しているものの多くは、次に紹介するプラエコクス種か、それから派生する園芸品種と思われる。
アガパンサス・プラエコクス・オリエンタリスの1品種。
草丈50~100㎝ 広がり50㎝
原産地:南アフリカ南東部
常緑性 花色:青紫
自生地では、日当たりのよい草原や林縁などで見られる。葉は厚くて革質、長さ50~60㎝、幅4㎝以上と他種に比べ大型で、花茎も1m以上になる。‘アルビフロールス’は白い花を咲かせる。
草丈90~120㎝ 広がり50㎝
原産地:南アフリカ東北部
落葉性 花色:淡青紫~濃青紫
自生地では、日当たりのよい草原や小川の近くに見られる。多数の細長い漏斗状の花を下垂させて咲かせるので、ほかのアガパンサスとはひと目で区別することができる。最も耐寒性のある種で、マイナス15℃前後まで耐えることができる。
草丈60~80㎝ 広がり40㎝
常緑性 花色:青紫
花茎が暗紫色で、青紫色の花とすばらしいコントラストをつくる。
草丈40~50㎝ 広がり30㎝
落葉性 花色:濃青紫
小型品種で、20~25ほどの小さな花が集まり、直径10㎝ほどの小さな花序をつくる。
草丈30~40㎝ 広がり30㎝
常緑性 花色:白
白色の小さな花を多数咲かせる。
草丈50~70㎝ 広がり50㎝
常緑性 花色:淡青色
性質が強く、花茎も長く伸びる。日当たりのよい場所では、放任でもよく育ち、花後は光沢ある常緑の葉がグラウンドカバーになる。
※草丈はいずれも開花時の高さを示します。
反対色のコントラストがインパクトを与える、アガパンサスとオミナエシの組み合わせ。
常緑種は開花期以外でもきれいな緑色の葉を保つので、花壇はもちろんのこと、グラウンドカバーとして利用するなどして、常にきれいにしておきたい玄関前の植栽にも適しています。
澄んだ青色の花は、ほかのどの色ともよく合います。特にアキレアやヘメロカリスなど、黄色や橙色の花とのコントラストを生かした組み合わせをすれば、花壇で一層美しさが引き立つでしょう。また、逆にカシワバアジサイやアナベルなどの白い花との涼しげな組み合わせもおすすめです。
最近はさまざまな品種が手に入りますので、コンテナに寄せ植えしたり、花壇や生け垣の足元、斜面地といった庭のいろいろな場所で楽しんだりすることができます。
初夏を彩るさわやかな色合いの植物の組み合わせ。アガパンサスとつるバラ‘アンジェラ’の華やかなコンビネーションが入り口を彩り、その奥に見えるカシワバアジサイとともに、庭への期待感を募ります。どれも性質が強く、花が咲いていない季節もそのグリーンや、ユニークな草姿で楽しませてくれます。
A.エキナセア
B.つるバラ‘アンジェラ’
C.セイヨウノコギリソウ
D.アラゲハンゴウソウ(ルドベキア・ヒルタ)‘アイリッシュ・アイズ’
E.ガウラ
F.ハイドランジア‘アナベル’
G.バーベナ・ボナリエンシス
H.ロシアンセージ
最も普及しているプラエコクス種およびその派生品種は乾燥に強く、大変丈夫です。このような常緑性の品種は、滞水しなければ植え場所を選ばず、一度根づけば潅水の必要はほとんどありません。
落葉性の品種は排水性のよい土壌に植え付け、生長期には乾燥しないようにします。いずれの品種も日当たりを好み、日陰では花つきが悪くなります。
春に堆肥でマルチし、開花後にカリ肥料を与えると、葉色や翌年の花つきがよくなります。翌年の花芽は11月ごろ形成されます。常緑性のものは寒さに弱いとされますが、意外に丈夫でマイナス5℃程度の寒さにも十分耐えることができます。落葉性の品種には、それ以下の寒さにも耐えられるものもありますが、その程度は品種により異なります。
苗を植えてから5年もたつと株が起き上がってきて、茎の部分が目立つようになってきます。そうなると株の更新時期です。株分けは、花後すぐに行いましょう。特に寒冷地では、ほかの多年草のように休眠期に行うと腐敗しやすくなります。鋭利なナイフで根茎を分けますが、あまり小さく分けすぎると株の勢いが弱まるので、最低でも3芽は残すようにします。
株分けの翌年は花数が少なくなりますが、2年目以降は元に戻ります。また小さなポット苗の場合も同様に、2年目以降に花を多くつけます。病害虫はほとんど心配ありません。
ホルティカルチャリスト。㈱プランタス代表。地域の景観と調和した、植物が主役の庭づくりを提案。2年前に山間の小さな町に移住。古民家再生と理想の庭をつくるべく日々奮闘中。兵庫県在住。
「はなとやさい」2009年連載記事より
花と野菜はもちろん、果樹、山菜など、多岐にわたる植物の育て方や新品種情報、さらにガーデンデザインや土づくり、病害虫防除等々…、
花作りと野菜作りに不可欠なさまざまなジャンルの情報を、季節に応じて毎月解説してきます。
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