昔からの山の野菜、山菜は主に早春の新芽を指しますが、冬に掘り起こして食べるものもあり、年明けから野菜売り場に並ぶのをよく目にします。ほとんどが加工品や促成栽培品ですが、促成栽培品と自然界の山菜は違いが歴然。例えば、水耕栽培品のタラノメは生のままポリポリと食べることができますが、自然のものはアクが強くゆでなければ食べられません。それだけ、香り、風味ともに違うといえます。
山菜苗が出回るのは桜が咲くころからですが、本来は秋に植え付け、翌春を待つのが一番。多年草(毎年秋に枯れ、翌春に新芽を出す)ですから毎年収穫できます。
秋に植え付けると冬の間、しっかりと根を下ろして丈夫に育ち、株も一回りは大きく生長し、翌春には収穫できます。これに対し、春に植え付けると、根をしっかり下ろせずに収穫もできません。幸い、山菜苗は多年草なので、春に植え付け、収穫できなくともその翌春に収穫は可能です。
庭や畑に一度植え付けると年々株は大きくなり、毎年自宅で手軽に山菜とりが楽しめますよ。
山菜とりは春の一大イベント。たくさんの人々がそれぞれ好きな山菜をとって楽しみます。しかしながら、山では、どれがどの山菜か分からず迷うことが多く、中には毒草もあります。よく間違われるのが「フクベラとトリカブト」「ウルイとバイケイソウ」など。その点、家庭栽培であれば簡単に春の新芽をとり、安心して食べることができます。
とれたては絶品。昔ながらのおひたしやゴマ和え、天ぷらはやはりおいしいものです。そのほかにも、若い人向けに洋風メニューにも使えます。とれたてのみずみずしい山菜は食欲をそそる香りをもっています。
和 名 |
: |
釣鐘人参 |
別 名 |
: |
あまな、しゃくちな、 ちちのは、すずばな、 ちょうちんばな |
科 ・ 属名 |
: |
キキョウ科 ツリガネニンジン属 |
自 生 地 |
: |
全国の草原、林、道沿いなど |
収 穫 時 期 |
: |
4〜5月(新芽)、8〜10月(花) ※中間地の場合 |
食べ頃の状態 |
: |
新葉の先10cmほどを摘みとり食す。 |
生長後の草丈 |
: |
40〜100cm |
|
|
和 名 |
: |
大鳴子百合 |
別 名 |
: |
山アスパラ、アマシオデ |
科 ・ 属名 |
: |
ユリ科ナルコユリ属 |
自 生 地 |
: |
北海道から九州の山林の半日陰 |
収 穫 時 期 |
: |
4月上旬〜5月下旬 |
食べ頃の状態 |
: |
10〜15cmほどに生長した新芽を食す。葉が開かないうちがおいしい。 |
生長後の草丈 |
: |
80〜100cm |
似ている毒草 |
: |
ホウチャクソウ、スズラン |
|
|
和 名 |
: |
紅葉傘 |
別 名 |
: |
シドケ、キノシタ、トウキチ |
科 ・ 属名 |
: |
キク科コウモリソウ属 |
自 生 地 |
: |
北海道から九州の山林の半日陰 |
収 穫 時 期 |
: |
4月上旬〜6月下旬 |
食べ頃の状態 |
: |
15〜20cmほどのまだ開き切っていない新葉 |
生長後の草丈 |
: |
50〜80cm |
|
|
和 名 |
: |
漉油 |
別 名 |
: |
アブラッコ、トウフノキ、 コサブロウ |
科 ・ 属名 |
: |
ウコギ科ウコギ属 |
自 生 地 |
: |
北海道から九州の山林の半日陰 |
収 穫 時 期 |
: |
春〜初夏 |
食べ頃の状態 |
: |
5〜10cmほどに出てきた新葉 |
生長後の草丈 |
: |
5m以上 |
|
|
和 名 |
: |
大姥百合 |
別 名 |
: |
ウバヨロ、カバユリ、 ネズミユリ |
科 ・ 属名 |
: |
ユリ科ウバユリ属 |
自 生 地 |
: |
北日本の山林の半日陰 |
収 穫 時 期 |
: |
10月下旬〜翌春3月中旬までに球根を掘り上げて食す。※東北の場合 |
食べ頃の状態 |
: |
休眠期中の球根 |
生長後の草丈 |
: |
100〜200cm |
|
|
|
|
|
和 名 |
: |
蝦夷丹生 |
別 名 |
: |
サク、ニュウサク、エゾニュウ |
科 ・ 属名 |
: |
セリ科シシウド属 |
自 生 地 |
: |
山地や海岸の草地など |
収 穫 時 期 |
: |
4月上旬〜5月下旬 |
食べ頃の状態 |
: |
50cmほどに生長した茎(フキのような感じで収穫する) |
生長後の草丈 |
: |
30〜50cm(※葉のみの場合)、花の高さ50〜150cm |
|
|
|
|
|


1986年岩手県生まれ。岩手の休耕地を利用し、山菜苗・山野草苗を栽培。小さいころから山菜は身近にあり、食する機会が多い環境で育つ。