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春植え球根を楽しむ

初夏から秋の庭に個性的な花を咲かす春植え球根を楽しむ

おすすめの品種はこちらから

育てやすく手間いらず!切り花で人気の品種も

春に植え付け、初夏から秋にかけて花を咲かせる春植え球根は、これからが植え付け時です。植えっぱなしでも数年間は開花するものが多く、夏の植栽の主役としても大活躍。可憐で優雅な花は、切り花として楽しめるのも人気の理由です。
球根はもともと生育初期に必要な養分をもっているので、手間がかからず初心者でも栽培は簡単です。どの品種も日当たりのよい場所に植え込みます。生育期間が長いので多くの養分が必要ですが、チッソ、リン酸、カリの3要素をバランスよく含んだ肥料を与えれば、次々と花を咲かせます。草丈が高いものは、支柱などで支えると安心です。
今回紹介する球根植物は、その性質から大きく3つに分けることができます。
1. 温室などで管理すれば季節に関係なく葉を展開させる常緑のもの(アマクリナム)/2. 秋に生育が停止するが、球根は休眠せず、保温により生育し続けるもの(クルクマ)/3. 開花後地上部が枯れ、2〜3カ月休眠するもの(グラジオラス、クロコスミア、グロリオサ、カラー、サンダーソニア、アシダンセラ)
中でも高温を好むグロリオサとサンダーソニアは、寒い時期に植え付けると球根を腐らせる原因になるので、出芽を確認して植え付けた方が失敗が少なくて済みます。

グラジオラス

グラジオラス

栽培のポイント

花壇植えの場合、日当たりがよく、水はけのよい場所を選んで植えます。連作を嫌うので、1度グラジオラスを植えた場所での栽培は、2〜3年は控えます。大きな球根で15cm間隔、小さな球根は9cm間隔で、深さは10cmに植え付けます。花壇で植えたままにする場合、植え付けた球根の上に新しい球根ができるので、必ず深植えにします。鉢植えの場合、大きめの球根なら8号鉢に5球を目安に植え付けます。
肥料は、元肥としてチッソ、リン酸、カリの3要素がバランスよく含まれているものを適量、土に混ぜておきます。
3〜4月にかけて球根を植え付け、90日前後で開花します。大きな球根なら5月上旬まで常温で保存し、植え付けることができます。近年は、冷蔵保存して発芽を抑えた球根が市販されていますが、この球根を使うことで6〜7月に植えて、9〜10月に花を楽しむことが可能です。
大きな球根を植えた場合、1つの球根から複数の芽が出てくることがあります。よい花を咲かせるには、2本を残して芽かきをします。垂直方向に長く伸び、雨風に弱いので、草丈20cmを超えるころから支柱を立てます。花は切り花として利用することもできますが、できるだけ葉を残します。球根の掘り上げは、開花後、葉が黄変し始めたら行います。掘り上げた球根は、風通しのよい日陰で乾燥させ、凍らない程度の温度が確保できる場所で保存します。

グラジオラス

カラー

カラー

栽培のポイント

畑地性のカラーは、高温多湿下では病気が発生しやすいため、初めての栽培なら雨を避けて育てられる鉢植え栽培がおすすめです。
用土は、水はけをよくするため、赤玉土の中粒を主体に、腐葉土やピートモスを2〜3割混ぜたものを使用します。
植え付けの適期は、ソメイヨシノが散るころ。芽が出るまでは、20℃を目安にして保温します。温度が高く、過湿を避けた方が、出芽も早く、暑さがくる前に花を楽しむことができます。出芽後、葉が展開するまでは、土の表面が完全に乾いてから水やりします。葉が展開した後は、土の表面が乾いてからたっぷり水やりをします。
切り花にして楽しむこともできますが、花茎だけを切り取り、できるだけ葉を残すようにします。花が終わったら、必ず雨の当たらない場所で、できるだけ涼しく保って夏越しします。9〜10月になって葉が黄色くなったら掘り上げ、乾燥した状態で保管します。

クロコスミア

クロコスミア

栽培のポイント

2月下旬〜3月下旬が植え付けの適期です。花壇に植え付ける間隔、鉢の大きさは、グラジオラスに準じます。クロコスミアは、花後に新しい球根が古い球根の上にできます。したがって植え付けの深さは、花壇で植えたままにする場合、10cmの深さに植えます。鉢植えの場合は球根の上に5cmほど土がかかるようにします。肥沃な土を好み、暑さ寒さにも強いため、植えたままでもOKです。ただし3年に1度は、株分けおよび植え替えをするとよいでしょう。なお、冬季にマイナス10℃以下に下がるような場所では、秋に掘り上げて凍らない場所で乾燥貯蔵し、春に植えるようにします。

グロリオサ

グロリオサ

栽培のポイント

春に球根の先端から芽が出るのを確認してから植え付けます。花壇植えの場合、できるだけ日当たりのよい場所を選ぶのがポイントです。鉢植えの場合、7号鉢に1球植えにします。いずれの場合も深さは5cm程度に植え付けます。
乾燥を嫌うので、花壇、鉢植えともに保水性のよい土に植え付け、水切れしないように注意します。水やりは土の表面が乾き始めたら与えます。
長期間花が咲くので、肥料切れしないように月1回を目安に肥料を与えます。
秋遅くに葉が枯れたら球根を掘り上げ、よく乾燥させてから10℃程度の温度を保てる場所で保管します。また、芽の出る球根の先端部分は傷つきやすいので、掘り上げから植え付けまで取り扱いに気をつけましょう。

グロリオサ

クルクマ

クルクマ

栽培のポイント

ソメイヨシノの花が散るころから植え付けることができます。芽が出るまでの間は5〜6号鉢に1球ずつ植え、できるだけ高い温度を保てる場所で管理すると、初期生育がよくなります。
球根の形状が独特で、芽が出る部分と栄養分を貯蔵する部分がつながっています。なるべく切り離さないで植え付けます。植え付けの深さは、芽が隠れる程度の浅植えにします。横に広がるように育つので、花壇植えの場合は芽と芽の間隔を30cmくらいとっておくとよいでしょう。できるだけ粘土質の重い土に植えた方がよく生育するので、用土は田土や赤玉土の細かいものを主体に腐葉土や堆肥を3割程度混ぜたものを使用します。
切り花として楽しむこともできますが、花茎のみを切り取り葉は残します。気温が15℃以下になったら掘り上げ、乾燥させた上で葉や茎をとって、13〜15℃を保てる場所で保管します。10℃以下の場所で保管すると低温により球根が腐るので注意します。

サンダーソニア

サンダーソニア

栽培のポイント

露地でも育てることができますが、過湿に弱く、日本の梅雨の長雨に耐えられずに腐ってしまうことが多いので、鉢植えにした方が育てやすくおすすめです。反対に乾燥には強いので、鉢植えの場合でも土の表面が完全に乾くのを待ってから水やりします。水はけのよい用土を使うことがポイントで、赤玉土を主体とした用土に砂やパーライト、腐葉土を混ぜて植え付けます。また、芽が出る球根の先端の部分が傷つきやすいので、植え付けまでていねいに取り扱います。花が終わって2カ月ほどすると葉が黄変し始めるので、水やりを止め、鉢のまま水がかからないようにして春まで貯蔵します。

サンダーソニア

アマクリナム

栽培のポイント

大きく育つので、花壇または8号以上の大鉢植えがおすすめです。霜の降りる地方では、鉢植えにし、冬は凍らない程度の温度が保てる場所で管理しましょう。
花壇に植え付ける場合は、水はけのよい場所を選びます。鉢植えの場合は、赤玉土(中粒)を主体に腐葉土やピートモスを3割ほど混ぜた水はけのよいものを使用します。植え付けの深さは、球根の肩が隠れる程度の浅植えにします。春から秋の生育期には、たっぷり水やりを行います。月に1〜2回は施肥をして、肥料切れしないように管理し、できるだけたくさんの葉を展開させると、見応えのある花を咲かせます。
毎年ソメイヨシノの花が散り始めるころに株分け・植え替えをします。

アマクリナム

渡部 哲次

渡部 哲次
1967年、福島県生まれ。富山県砺波市のチューリップ四季彩館で花壇の計画・管理に携わる。幼少より関わってきた球根植物を専門とする。

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