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イチジクの栽培方法・育て方は?収穫時期・おすすめ品種も紹介

イチジクの栽培方法・育て方は?収穫時期・おすすめ品種も紹介

おすすめイチジクはこちら!

まるで野菜感覚で栽培できる、手っ取り早い果樹の代表格がイチジクです。
無論、果樹なので永年樹であり、家庭で育てても20年以上生き続けている樹もざらにあります。
栽培は非常に簡単で、結実の習性を理解しさえすればおいしい果実を収穫することができます。
実は市場に流通しているのは、完熟手前で収穫した果実。
イチジクの実はデリケートで完熟果は流通が難しいため、正真正銘の樹上完熟果を味わえるのは家庭園芸ならではなのです。
それでいて、無農薬で植え付け2年目から収穫できるという栽培カンタンな果樹。
イチジクにチャレンジしなくて、まず何を作りますか?!
品種数は200を超える

国内で栽培されている品種は、日本イチジクといわれる‘蓬莱柿別名’‘早生日本種’と、一般的に西洋イチジクと呼ばれている‘桝井ドーフィン’(桝井は正式には不要)の2品種でほぼ独占状態です。2品種以外では、‘ホワイトゼノア’や‘カドタ’‘ブラウンターキー’といった品種も比較的古くから栽培されていますが、これらは家庭園芸で楽しまれているのがほとんどです。
しかし近年、海外から続々と他品種が導入されており、前記以外にも小ぶりながら濃厚な味、あっさりした味、皮が薄くて丸ごと食べられるもの、香り高いものや、中には果実の表面に縦斑が入るといったユニークな模様のものなど、さまざまな品種が増えています。しかしながら、まだまだ当分青果が店頭に並ぶことはないので、自分で育てる以外に楽しむ方法はありません。ただし、イチジクの品種は大きく分けて4つの系統があり、花のつくりや受粉の関係でその内の2系統しか国内では栽培できません。品種選びの際には、種苗会社の通信販売などで信頼できる苗を購入しましょう。
イチジクってこんな果樹

イチジク果実のちから

イチジクの果実には、丈夫な歯や骨を作るミネラルであるカルシウムが、200g中、生果で52mg、乾果では260mg含まれています。また、カルシウムと併せて摂取すると吸収率が高くなるというマグネシウムも28mgと多く含まれており、カルシウム不足が気になる人にもおすすめです。また、水溶性の食物繊維も豊富に含まれているので、腸の運動を活発にして働きを整えてくれるともいわれます。生食はもちろん、甘露煮やジュース、ジャムにしたり、また、ドライフルーツは栄養成分や旨みもぎゅっと凝縮され、青果の不足する時期の栄養源としても重宝します。

■ イチジクにはこんな品種があります ■

イチジクの失敗しない育て方

植え付け1年目は収穫しない

早いものでは苗木の段階から結実が見られるのがイチジクです。しかし、もったいないからといって植え付け時に切り戻しせずに植えると、さらに先端から新梢が伸びて、手の届かないようなところで結実してしまいます。これでは収穫どころか管理もままならず、栽培とはいえません。コンパクトにおいしい実を安定的にならせるには、まずは植え付け1年目は収穫は考えず、土台となる樹の骨格を作ることを目的とします。
植え付け時に苗木を高さ50cm程度のところで切り戻し、そこから発生する新梢を自分の作りたい樹姿に必要な数だけ発生させます。その年の落葉後に、伸ばした各枝をさらに30cm程度の長さで切り戻して、結実準備が完了です。2年目以降は、これを繰り返し、側枝を作りながら樹幹を広げていけば、あまり場所をとらず、コンパクトに毎年安定して収穫を楽しむことができます。

植え方別の管理

[鉢植えの場合]

肥料
植え付け1年目は5〜10月まで1〜2個。または緩効性化成肥料10〜20gを2回。2年目以降は冬に油かすを50g、4〜10月には毎月、化成肥料を5g程度施す
水やり
4〜10月は1日1回、ただし夏には2回行う。冬は7〜10日に1回行う。
鉢の植え替え
植え付けは8号鉢以上ににし、植え替えは植え付け2年後の2〜3月に古い根を切って新しい培養土を用いて行う。鉢増しする場合は、同じく古い根を切り10号鉢に上げる。

[路地植えの場合]

肥料
12月〜翌年1月に勇気配合肥料と苦土石灰を1u当たり150g施す。6月上旬に化成肥料30g、7月中下旬にカリ肥料を10〜20g施用。秋肥(お礼肥)は9月中旬〜10月上旬に硫安を1u当たり5g施す。
水やり
路地植えでも9月の上中旬は特に乾燥するので、土の乾き具合を見て5日に1回程度は水やりする。また、3月下旬〜4月上旬、5月〜6月中旬も、年によって乾燥が激しい場合は水やりする。

イチジクは水を好む性質

 原産地がアラビア南部であるために、砂漠の植物と勘違いされることもありますが、その原産地は比較的降水量もあり温暖で肥沃な地帯なので、乾燥に強いというわけでは決してありません。逆に水は必要であり、特に夏場の乾燥によって樹は衰弱し、枯れることさえあるので、特に水はけのよすぎる所や、鉢栽培などでは絶対に乾かし過ぎないように注意が必要です。また、昔から国内でイチジクを植えてある所は川の土手や水路沿いに多く見られるので、水がたまるような所では生育は著しく劣ります。
奥行きがない場所に向く扉仕立て

植え付け1年目は切り戻して植え付け、伸びてきた新梢は主枝を中心にして左右対称に1本ずつ伸ばします。生長した枝は、夏までに斜め60度に立てた支柱に誘引しておきます。
●翌年の3月にそれぞれ枝元から30cm程度のところで切り戻します。
発芽が始まると、左右の枝にそれぞれ4本ずつ、枝と枝の間が30〜40cmの扇形になるように均等に新梢を誘引していきます。これらの新梢はすべて果実を収穫できます。
●冬には主枝から伸びた結果枝は50cmほど残して切り戻し、そのほかの枝は、すべて基部から3芽の所で切ります。

植え付け時3年目(冬)


最も基本的なスタイル開心自然仕立て

植え付け1年目はしっかり切り戻して植え付けます。3本の主枝を育て、そのほかの芽は長さ10cm程度の所ですべて切除します。伸びた枝は冬の落葉後に30cmほどの所で切り戻します。
●2年目には、各主枝から伸びる枝は結実させるための結果枝として3本残し、他はかきとります。冬に、主枝の延長線上にある結果枝は3分の1程度に切り戻し、その他の枝は20cmで切り戻します。
●3年目には、主枝と前年枝の剪定は2年目と同じように行いますが、これくらいになるとかなり樹幹内部は枝が混雑してくるので、内部に日がよく当たるように適当に間引きを行います。

植え付け時3年目(冬)

イチジクほど収穫期の長い果樹はない!

一般的に、果樹は前年の枝や今年伸びた枝についた花芽が開花し結実するので、一本の樹で収穫期間は長いもので2週間程度です。しかしイチジクは、前年枝の先端についた果実が春になって太り6〜7月に熟す夏果と、今年伸びた枝の生育にあわせて各節に結実し、夏から秋にかけて収穫できる秋果と、二つの季節に収穫ができます。夏果は1度に収穫されますが、秋果は新梢の生長にあわせて果実も基部から順番に成熟してくるので、寒さで果実の生育が止まるまでの長い間楽しむことができます。これは、果樹ではイチジクだけにある特性で、そのため永年樹でありながら野菜のような感覚で栽培が楽しめます。
芽かきと剪定でたくさん収穫
芽かき
葉が2〜3枚開いたころ、込んだ枝、徒長枝、生育の悪い枝、主枝の背面から真上に伸びる芽をかきとります。芽かきは1度に行わず、次は葉が5〜6枚で枝の長さが10cm程度の時、その後は葉が8〜9枚で枝の長さ30〜40cmのころを目安に、3回に分けて行います。
芽かき
剪定
●秋果を収穫する
前年の枝から伸びた新梢にはすべて結実するので、前年枝をすべて枝元から2〜3芽残して切り戻します。

●夏果を収穫する
夏果は前年に伸びた枝先のわき芽が越冬し、翌年春から肥大し6月下旬〜7月上旬に成熟するものです。果実は前年枝の先端のほうにしかつかないので、先端部分を深く切り詰めると果実の収穫はできません。夏果を収穫するには、込み合った枝を間引く間引き剪定を主に行うようにし、徒長した枝は間引き、1m以上に伸びた枝は3分の1ほどに切り戻してコンパクトな樹形を維持します。

●夏果と秋果を両方収穫する
枝の伸び具合や生長度合いを見て、間引き剪定と前年枝の切り戻し剪定を併せて行います。

[実の付き方]

夏・秋果品種秋果品種


大森直樹大森直樹
1958年生まれ。岡山大学自然科学研究課修士課程修了。岡山県赤磐市にて果樹種苗会社を営むかたわら、家庭園芸としての果樹栽培の研究を行っている。

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