タキイネット通販TOP > クリスマスローズって?種の植え付けや育て方・栽培方法について解説
はじめてのクリスマスローズ 丈夫で育てやすい、たおやかに咲く「冬の貴婦人」

クリスマスローズってどんな花?

~気品ある神秘的な美しさ、たくましさで人気の花~

むかしむかしイエス・キリストが生まれた聖なる夜に、誕生のお祝いに贈る物が何もないと嘆く、一人の貧しい羊飼いの少女がいました。天使がそんな少女をかわいそうに思い、雪の積もる大地にそっと触れると、そこから大変美しい白い花が咲きました。
少女は大層喜び、その花を贈り物として捧げたのでした―…。
そんなお話で語り継がれるその花こそ、今回ご紹介するクリスマスローズです。
ドイツやイギリスではクリスマスを祝う花として大切にされています。
花の少ない時期に、ひっそりとうつむきがちな、気品ある花を咲かせるクリスマスローズは、厳寒に耐えて花を咲かせる姿から「冬の貴婦人」とも称されます。
そんな可憐な姿とは裏腹に、日本の気候にもよく適応する、とても丈夫で育てやすい宿根草です。
庭や花壇で見せる美しさ、たくましさが人々を魅了してやまない魅力あふれるクリスマスローズ。今回は主に、クリスマスローズの語源となった「ニゲル種」と、近年人気を集める「ガーデンハイブリッド(オリエンタリス種)」にスポットをあてて、クリスマスローズの世界をご紹介します。

Point
  • 花の少ない12月~3月にかけて花を咲かせる
  • 耐寒性があり丈夫で、日本の気候にマッチする

クリスマスローズの種類と楽しみ方

~人気の「ニゲル種」や「ガーデンハイブリッド」について~

日本でクリスマスローズと呼ばれている花たちは、本当の学名を「ヘレボルス」といいます。ヘレボルスは、約20種類の原種とそれらをかけ合わせた交配種から構成されています。「クリスマスローズ」という名前は、本来そのヘレボルスの中の「ニゲル」という、白い花をクリスマスの頃に咲かせる種のみを指す名前でした。しかし日本では、その他全ての品種をひっくるめて「クリスマスローズ」と呼ばれています。中でも、最も主流の「ガーデンハイブリッド(オリエンタリス種)」と呼ばれる春咲きの品種は、長年にわたり様々な交配を繰り返し行った結果、非常に多彩なバリエーションを持つようになりました。愛らしい一重咲き、華やかな八重咲き。それぞれが複雑なニュアンスカラーをもち、花や葉の色一つをとっても、1株として同じものが無いと言われるほどです。
世界に一つだけのお気に入りの株を選ぶ喜びは、他の花にはない楽しみ方です。

Point
  • あなただけのオンリーワンを育てる楽しみがある「ガーデンハイブリッド種」
  • 12月頃に咲き、様々な神話や逸話をもつ本当のクリスマスローズ「ニゲル種」

どちらも大変素敵な花ですね!

クリスマスローズを育ててみよう!

多くの草花が息をひそめる、寒い冬に幕を開けるクリスマスローズの世界。
いったいどんな風に育てればよいのでしょうか。
クリスマスローズは、ポイントさえ押さえれば基本的に丈夫で育てやすい植物です。
今回は一般的に入手しやすい人気のガーデンハイブリッドを中心に、栽培方法をご説明していきます。

●庭植えの場合●

<植え付けの場所>
クリスマスローズは寒さに強い植物ですが、日本の夏の暑さは苦手です。
そのため落葉樹の下など、10月~翌年の5月までは十分に陽があたり、その他の季節は半日陰になるような場所が植え付けに最適です。
夏の間直射日光、とくに西日が当たる場所は避けてください。
雨水がたまりやすい場所は根腐れを起こしやすいので避けましょう。

Point
  1. 夏の直射日光があたらない場所
  2. 排水がよい場所
  3. 風通しがよい場所  この3点をできるだけ満たす場所に植え付けましょう。

<植え付け方>
植え付け適期は9~11月ごろ。
根が深くはれるよう、穴は縦横ともに40~50cm程度のものを掘ります。
開花している株を購入した場合は、なるべくはやく植え付けます。

Point

バラの株元にクリスマスローズを植える組み合わせは、冬から早春にかけてクリスマスローズが、春から秋にバラが咲いて長く花を楽しめると人気があります。

●鉢植えの場合●

簡単に移動できるため、日当たりや風通しなど、クリスマスローズに適した環境を整えやすい鉢栽培。
その反面、限られたスペースにしか根がはれないため、用土や肥料、水やりなど、株の調子を見ながら管理していきましょう。
鉢ははじめから大きいものを使用すると根の発育が悪くなりますので、購入した株にあった大きさから、順次大きいものに植え替えていきます。

Point

鉢の選び方は、開花株で6号鉢程度、茎が複数本出ている場合は7、8号ぐらいの物が目安です。また、底が深く、鉢底穴の大きいものを選んでください。

<植え付け方>
土は排水性にすぐれ通気性がよく、同時に保水性と保肥性の高いものが理想です。
はじめて栽培される際には、市販のクリスマスローズの土などを使用するのもおすすめです。

<管理方法>

●水やり●

クリスマスローズ栽培の一番多い失敗例は、水のやり過ぎで株を腐らせてしまうこと。
クリスマスローズは比較的乾燥に強い植物です。地植えの場合はあまり注意することはありません。土が乾いたら水を与えましょう。鉢栽培の場合には、基本的に表土が乾いたらたっぷりと水を与えますが、水切れ・過湿の両方に気を配り、機械的にではなく土や葉の様子を見ながら水やりをすることが重要です。
水やりの時間は、夏場は気温が落ち着いた夕方、秋から春にかけては晴れた日の午前中が最適です。

●肥料●

9~4月にかけてクリスマスローズは活発に生長しますので、この時期に肥料を与えます。
鉢植えの場合は、年1回の植え替えの時にしっかりと元肥えを施し、その後は2ヶ月に1回程度追肥として、置肥を与えます。
地植えの場合、植え付け時にしっかり元肥を施しておけば、秋に一度緩効性化成肥料や有機肥料を施すだけで十分です。
5~8月になり気温が高くなってくるとクリスマスローズは半休眠に入りますので、その時期には肥料を与えないようにしましょう。

●摘花、花茎切り●

花が咲いた後には、株の衰弱を防ぐために早めに花がら摘みをします。

●古葉切り●

植え付け後、株が充実してきたら11~12月に古い葉を切り取りましょう。
新しい葉を残して、前の年の古い葉を落とすことによってすっきりとした姿になるほか、風通しがよくなり病気の予防にもなります。
切り取る際には消毒したハサミで、根元3cm程度を残して切ります。

Point

秋のあまり早い時期に切ってしまうと、逆に病気にかかってしまう場合などもあるので注意します。

●植え替え●

植え替えは9~10月に行います。
クリスマスローズは生育が旺盛な植物です。
特に鉢栽培の場合には根づまりを起こしやすいので、毎年植え替えるようにします。
根が詰まってきたなと思ったら、ひとまわり大きい鉢に替えてあげましょう。
地植えの場合にも、年数が経ち大株に育った株をそのままにしておくと、次第に弱ってきてしまいます。
4年以上の株を目安に株分けを行いましょう。

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