椿(ツバキ)の剪定方法・時期を解説!
ツバキは日陰でも鉢植えでもよく育ち、毎年花を楽しむことができます。
適切な時期に思い切って剪定を行うことは、次の季節に花をつけるための準備です。園芸の醍醐味を兼ね備えるツバキ。小さく、そしてたくさんの花がつくよう育ててみませんか?
佐藤 幹大
園芸家。愛知県稲沢市の、ツバキ樹木を専門に生産・販売する生産農園の三代目。一級造園技能士の資格も保有し、ツバキをテーマとした庭園デザインや造園施工なども手掛ける。
鉢植えならコンパクトに育つ
ツバキ(学名:camellia japonica)は日本を含むアジアを原産とした植物です。日陰でもよく育ち、放任栽培でもたくさんの花を咲かせます。昔から庭の花木として定番ですが、近頃人気の理由の一つに「鉢植えで小さく育てられる」ことがあります。
近年の住環境にも適したツバキは「大きくしたくない」「コンパクトに育てて楽しみたい」という方にも選ばれる植物となり、人気がより広がっています。
「庭木だから大きくなるんでしょ?」「ツバキの花は大好きだけど大きくなるから……」このようにお考えの方にこそおすすめです。
剪定は春がおすすめ
ツバキは新しく伸びる枝に花芽をつけるので、枝を切る適切な剪定時期は3〜4月です。実際には春から初夏、秋も可能ですが、今回は春に絞ってお話しします。
花を咲かせ終えたツバキは、新芽を形成する時期に入ります。新芽が伸びることで枝となり、そこに翌シーズンに咲く花がつきます。春だけは、数枚の葉を残すだけの「強剪定」を施しても、翌年の花に影響のない時期ともいえます。
基本の剪定方法
ツバキを剪定する前に、切り終わった後の理想的な樹形をイメージします。そして、大きく伸びている枝から順番に切り始め、木の幹が透けて見えるように仕立てます。
玄関先でコンパクトに育てることも。
POINT1剪定後の樹形をイメージする
まず、切った後の樹形やサイズをイメージしておきます。クリスマスツリーのような円錐状で、もとの大きさの3分の2〜2分の1程度に縮めましょう。
剪定後の樹形イメージ
POINT2透かすように剪定する
木の幹を中心として、外側に広がるように新芽を残します。
伸びた枝から出る「立ち枝」や、幹に向かって戻る「戻り枝」はしっかりと切り戻しましょう。木の幹が透けて見え、光が当たるように意識して、バランスよく均等に枝を切り樹形を整えます。
POINT3肥料は剪定が終わった後に
固形の油かすや化成肥料を与えます。
透かし剪定
将来、木の幹にぶつかりそうな 「立ち枝」「戻り枝」を剪定する。また、上下同じ方向に生えている「平行枝」のどちらかも切る。
剪定を行うメリット
- 樹形が整い、小さく仕立てることができる。
- 害虫の発生を抑えることができ、健康で丈夫なツバキを育てることにつながる。
- 伸びた枝に花芽がつく。
剪定から半年後には蕾がつき、花が咲く。○印が春に切った部分。
鉢植え栽培の剪定例
込み合った枝の剪定
立ち枝を切る。
頂部の剪定
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頂部の高さを抑えるためにカット。コンパクトに育つ。
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平行して伸びていた枝もカットする。
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このまま伸びたらほかの枝葉と重なりそうな枝先や、樹形を乱しそうな枝先をカット。