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来年の庭でこの花を咲かせて!

高梨さゆみ(たかなしさゆみ)

イギリスでガーデニング文化の魅力に触れて以来、雑誌や本などですぐに役立つガーデニングの情報を発信。イギリスや日本全国の庭を巡るほか、日々の花散歩で見かけた「これはいい!」という植物をSNSなどでも紹介する。花苗や切り花の生産農家も訪ね、人気の花、新しい花の情報を得ると同時に栽培のアドバイスも取材。

Vol.10

見事なゴージャス感。
ユリは夏の庭の女王です!

観光ガーデンでオリエンタルハイブリッドの「デイジー」が咲いているのに出会いました。周囲の緑を背景に、白地に赤い筋の入る個性的な花が堂々と咲く姿に見惚れました。

観光ガーデンでも日々の散歩道でも、遠目に咲いているのを見つけると「あっ!ユリだ」と走り寄ってしまいます。ユリにはそれほど人を惹きつける存在感と魅力があると思います。間近で見ると、凜とした姿に品格を感じ、エレガントな花にうっとり。ユリが咲いているだけで、その周囲の雰囲気さえも華やかに変えてしまうパワーをもつ花だと感じます。

さて、秋植え球根のほとんどが早春〜初夏が花期ですが、ユリだけは開花が遅く、7~8月が花期。つまり夏の花なのですね。暑さが厳しい期間に、気品を崩さず美しく咲くところもまた、女王と称したくなる由縁です。

多くの系統があり、種類豊富なユリですが、このところ注目されているのが「ローズリリー」と呼ばれるゴージャスな八重咲きのオリエンタルリリーです。花はやや小さめですが、幾重にも花弁が重なる繊細な美しさで、花粉がなく、香りがマイルドなことから切り花でも人気を集めています。

少し早く6月からユリを楽しみたい方におすすめなのが、オニユリの系統の「シャンデリアリリー」です。反り返る花弁が特徴的ですが、白やピンク、赤など、オニユリにはない花色が揃っていて、新鮮な印象が楽しめます。

開花が遅いとはいえ、球根の植え付けは、温暖地なら12月上旬くらいまでにしておくようにしてください。

おすすめ1

オリエンタルリリー・デイジー

白地に赤い筋がくっきり入る花はインパクト大!

花壇の奥に植えてもよく目立つ存在感のある花です。温暖地の観光ガーデンでは、掘り上げなくても毎年よく咲くと聞きました。周囲に白花、またはピンク系の花を植えてもすてきなシーンになりそう。

球根:1袋(2球)
おすすめ2

ユリ・リーガルリリー

6月に咲く上品な花姿のユリ

プロのガーデナーさんに大人気のユリです。テッポウユリのように横向きに咲く姿に風情があり、ややクリーム色を帯びた白い花色も上品。花弁の外側に濃いピンクの筋が入るのも素敵です。花はそれほど大きくないのですが、数輪が集まって咲く姿はインパクトがあり、ほかの花とも合わせやすいのだそうです。何より丈夫で育てやすいそうで、初めてユリを栽培する方にはとくにおすすめの品種。

球根:1袋(3球)
おすすめ3

ローズリリー・アイシャ
ローズリリー・アヌースカ

花弁が幾重にも重なる新登場のユリ

花弁が大きく反り返る花姿はまさにオニユリ。でも、鮮やかなオレンジ色のオニユリのエキゾチックな雰囲気とは異なる優しくエレガントな表情がとても新鮮に感じられます。「コサージュ」は中心部に斑点が入り、「ピンクフライト」は中心部まで桃色の花。どちらもとてもしゃれています。

球根:1袋(2球)
おすすめ4

シャンデリアリリー・コサージュ
シャンデリアリリー・ピンクフライト

オニユリの系統でも優しい雰囲気が魅力

花弁が大きく反り返る花姿はまさにオニユリ。でも、鮮やかなオレンジ色のオニユリのエキゾチックな雰囲気とは異なる優しくエレガントな表情がとても新鮮に感じられます。「コサージュ」は中心部に斑点が入り、「ピンクフライト」は中心部まで桃色の花。どちらもとてもしゃれています。

球根:1袋(5球)
おすすめ5

ユリ・笹ユリ

楚々とした美しさの日本の固有種も咲かせてみて!

日本には固有種のユリがけっこうあり、笹ユリもその一つです。淡いピンクの花が涼やかで、華やかというより可憐な印象で野趣も感じられます。野山の強い日差しが当たらない場所に自生することから、半日陰で風通しのよい場所に球根を植えるのが栽培のポイント。

栽培増殖種球:1球