
高梨さゆみ(たかなしさゆみ)
イギリスでガーデニング文化の魅力に触れて以来、雑誌や本などですぐに役立つガーデニングの情報を発信。イギリスや日本全国の庭を巡るほか、日々の花散歩で見かけた「これはいい!」という植物をSNSなどでも紹介する。花苗や切り花の生産農家も訪ね、人気の花、新しい花の情報を得ると同時に栽培のアドバイスも取材。

チューリップ花壇は
「関係性」のある組み合わせが決め手

春花壇の主役といえば、色鮮やかなチューリップ!植え付けは、温暖地なら宿根草が終わる晩秋までで大丈夫ですが、球根の入手は早めにしておかないと、お気に入りの品種が品切れになることも…。ちなみに観光ガーデンのガーデナーさんは、7月にはチューリップ花壇の組み合わせを決めて、球根の手配を済ませるそうです。
チューリップはなにしろ品種が豊富に揃っているので、毎年セレクトで悩む方も多いと思います。とてもセンスがよいチューリップ花壇をつくるガーデナーさんに、どのように品種を選んでいるのか伺うと、ポイントは大きく2つと教えてくれました。
- Point 1同じ品種を20~30球まとめて植える
- 小さな庭でも20~30球のかたまりで咲かすと、存在感が増して庭のアクセントになるそうです。大切なのはミックスせず、同じ品種でかたまりをつくること!
- Point 2「関係性」をもたせてかたまりを連ねる
- 同じ品種のかたまりを連ねていくことがチューリップ花壇をつくる基本。その際、隣合うかたまりに何かしらの関係性をもたせることが大切だそうです。一番実現しやすいのが、花色が同じ、または花色の一部に同じ色があるという関係性。その中で一重、八重、ユリ咲きなど異なる花形を選ぶと、自然の花色の流れの中に、変化のある表情が加わります。
2つのポイントを踏まえたうえで、おすすめの組み合わせを選んでみました。たくさんの品種の中から組み合わせを考えるのはとても楽しい作業ですね。ぜひご参考ください。
ホワイトスワン+スプリンググリーン+レモンシフォン



春咲きのさわやかな空気感によく似合う
花色合わせ
白、白×グリーン、クリーミーホワイト×黄色という花色の流れがさてもさわやか。「スプリンググリーン」のバイカラーがアクセントとして効果抜群です。近くに黄色や白のスイセンを植えてもよく似合いそうです。
パラデロ+フレミングフラッグ+バックパッカー



濃淡紫の花色合わせがとてもエレガント
淡紫、白地に紫のストライプに、やわらかな紫色の八重咲きが加わえると、優雅な雰囲気に。「パラデロ」の褐色の茎が落ち着き感をもたらします。
デライトガーデン ミックス

赤×ピンクのかわいらしさを満喫できる!
赤×白、赤、淡ピンクの品種がミックスされたセット。これも同じ品種をまとめ植えし、かたまりを連ねるように配置すると、自然な流れになります。「大人かわいい」花色合わせは、春らしい華やかさも楽しめます。
ミスティックファンアイク+バラードレディ+アフェアー



濃淡紫の花色合わせがとてもエレガント
花形が異なるピンク2種に、白弁の先に鮮やかな赤紫が入るバイカラー品種をプラス。誰からも好まれるピンクの花色合わせは、庭にぜひ欲しい!ややふっくらしたユリ咲きの「バラードレディ」が動きのある表情をもたらします。
タイムアウト+バレリーナ+アーティスト



オレンジ色の花色合わせは華やかでモダンな印象
チューリップには魅力的なオレンジ色の品種も数多くあります。あでやかな花色の一重とユリ咲きに、オレンジ色×グリーンの品種を加えると、ぐっと個性的な印象に。弁先がすっと尖った「バレリーナ」はユリ咲きの中でも花形の美しさに定評があります。