
高梨さゆみ(たかなしさゆみ)
イギリスでガーデニング文化の魅力に触れて以来、雑誌や本などですぐに役立つガーデニングの情報を発信。イギリスや日本全国の庭を巡るほか、日々の花散歩で見かけた「これはいい!」という植物をSNSなどでも紹介する。花苗や切り花の生産農家も訪ね、人気の花、新しい花の情報を得ると同時に栽培のアドバイスも取材。

品種がぐっと豊富になったハボタンで
冬の花壇を楽しんで!

暑い盛りではありますが、冬のガーデンの準備は今しておかなくては。花が少なくなる冬の花壇で活躍してくれるのがハボタン。タネまきは8月中にすませておきましょう。
「ハボタンか~。なんか地味だなぁ」と思っている方、新しい品種が続々と登場し、最近のハボタンはプロのガーデナーにも注目されているんですよ。
デビュー以来大人気となっているのが、これまでにない白さのハボタン‘フレア ホワイト’です。庭で使うのはもちろん、切り花でも大人気で、知り合いの花屋さんが緑の外葉を取った状態でアレンジに使っているのを見て、「まるで白いバラ!」と美しさに驚きました。波打つ花弁も優雅な雰囲気で、「花にまったくひけを取らない美しさ」と花屋さんも絶賛していました。
また、今までのハボタンにはない光沢感をもつプラチナケールの‘ルシール バニラ’、‘ルシール ワイン’も個人的にとても気に入っている品種です。縁に繊細なウエーブが入る丸葉で、ぽってりした形がかわいらしく、バニラとワイン、どちらの葉色も鮮やかでよく目立ちます。
観光ガーデンでは、いろいろな品種のハボタンを冬に咲く花と組み合わせて花壇をつくって、それを見るたびに「ハボタンの花壇、とても素敵!」と感じています。丸葉種、フェザー種、ちりめん種と、葉形の異なるハボタンをバランスよく組み合わせると、ハボタンだけでも表情豊かな花壇ができるのだなと感心しました。
タネから育苗するとポット数が多くできるので、ぜひ一面をハボタンで埋め尽くしたシックでしゃれた冬花壇に挑戦してみてください。
‘フレアホワイト’

葉が波打つ新感覚高性葉牡丹!
プロのガーデナーにも大人気の白いハボタン。初めは緑がかっていますが、寒さとともに白が際立ってきます。草丈が高いので、切り花としても利用したい品種です。同シリーズの‘フレア ローズ’も淡い赤紫の葉色がエレガントで魅力的。
‘ルシール バニラ’
‘ルシール ワイン’

今までにない輝きと高級感!
ハボタンといえば、少しスモーキーでマットな葉色。そんな常識を覆す‘ルシール’の光沢感ある照り葉に新鮮さを感じました。光沢のある葉色は花壇の中でもよく目立ち、存在感を示します。全体に丸みのある形も愛らしく、どちらの品種も葉色が鮮やかに出ます。
‘バイカラートーチ’

桃色がかわいい日の丸タイプ!
クリーム色と中心の桃色がグラデーションにならずにはっきり色分けされることからバイカラー=2色使いの品種名に。外葉の緑も加えると3色が対比されてインパクトがあります。花壇の主役になれるハボタンです。
‘改良紅はと’

寒さに強く生育旺盛!
秋に観光ガーデンを訪ねた際、ちょうどハボタンの植え付けをしていて、中心部がとても鮮やかで美しい品種に目がとまり、ガーデナーに‘改良紅はと’だと教えてもらいました。外葉のシックな紫との対比も美しくて惚れ惚れ。波打つ葉も美しく、ガーデナーも絶賛でした。
‘クリスタル バニラ’

宝石のような輝きが印象的!コンパクトな株形に育ちます
矮性の照り葉品種では珍しい白系で、花心が小さく淡ピンクに染まるのがかわいらしい!外葉の艶やかな緑と対比して、白がより美しく際立ちます。ピンク系のストックやアリッサムと合わせたら、爽やかで愛らしい花壇になると思います。
‘桃つぐみ’

葉枚数が多い、人気の「つぐみ」!!
個人的にハボタンは昔から丸葉系が好みなのですが、‘桃つぐみ’のかわいらしいピンクを見た時には、「これ好きだわ!」とわくわくした気持ちになりました。波打つ葉もピンクのグラデーションも上品で優雅な雰囲気を感じさせます。