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カリフラワーの基本情報

カリフラワーの写真
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学名
Brassica oleracea L. var. botrytis L.
和名
ハナヤサイ
英名
Cauliflower
原産地
地中海東部
分類
アブラナ科アブラナ属
上陸時期
明治以降

カリフラワーの住みやすい環境

雨の少ない温暖な気候を好み(平均気温15~20℃)、排水のよい肥よくな土地での栽培が最も適します。

発芽適温
15~30℃前後です。
生育適温
20℃前後です。
花芽分化
低温で起こりますが、低温感温の温度と苗の大きさは品種によって異なります。
花蕾の発育適温
15~18℃です。

カリフラワーとは
(カリフラワーってどんな野菜?)

ビタミンCが豊富なカリフラワー
カリフラワーは、キャベツの変種でブロッコリーの姉妹といえる野菜です。現在では一年中手に入りますが、一般的に旬は晩秋から冬であるとされています。ビタミンB1、B2、たんぱく質、鉄を含み、特にビタミンCが豊富です。またブロッコリーに比べ、ゆでてもビタミンC損失量が少ないという特徴をもっています。 ビタミンCは、細胞同士をつなぐコラーゲン生成にも重要な役割を果たし、肉体疲労時にも必要になる成分です。

サラダにしてどうぞ
カリフラワーは、むかし観賞用であったというだけあり、白さが美しい野菜です。アスパラガス、セロリとともに「洋菜の三白」と呼ばれています。まずはゆでて、マヨネーズやドレッシングをかけ、サラダにしてどうぞ。またゆでる際に、少量の酢かレモンの輪切りをすこし入れると、変色せず、身もしまり、おいしくいただくことができます。 葉つきのものが新鮮です。堅くしまった、重量感のあるものを選びましょう。

調理のポイント
グラタンなどに使用する時には、熱湯に少量の小麦粉を入れるとよいでしょう。カリフラワーが湯の上に浮かばず、均質にゆでることができ、まろやかな味になります。ゆですぎると、風味だけでなく、栄養価も損ねるので注意しましょう。

カリフラワーとは(カリフラワーってどんな野菜?)
文部科学省
『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』より

栽培手順 各ポイント

菜園向けカリフラワー
栽培カレンダー

栽培カレンダー

育苗管理

[ブロッコリーとカリフラワーの違い]

カリフラワーは、ブロッコリーの突然変異で花蕾が白化(アルビノ化)したものといわれており、キャベツ類の中でも極近縁の兄弟姉妹のような関係です。カリフラワーもブロッコリーも茎頂に花蕾が形成され、この部分を食用に供する点では共通ですが、それらの花蕾を構成する花芽の発育段階がそれそれで違います。カリフラワーは、花芽発育過程の極初期("花芽原基"の状態)で発育が止まり、その花芽原基の数が増え、その集合体が花蕾となっています。ブロッコリーの場合は、花芽原基の状態で発育が停止せず、そのまま生長し、開花する直前の"蕾"の集合体を花蕾として収穫しています。

[花芽分化]

ブロッコリーとカリフラワーはトウ立ちをした蕾(花蕾)を利用する野菜です。したがって成長点が花芽分化をして、蕾を形成する必要があります。
栄養生長(茎葉の発育)を十分経過して、一定の大きさに達した苗がある期間連続して低温にあうと花芽分化し生殖生長に移行します。その後花蕾を形成、肥大します。この低温感応する苗の大きさと温度は品種によって異なり、低温遭遇期間も品種間差があります。一般に晩生種になるにつれ、大きな株(栄養生長)で、より低い温度に長くさらされることが必要となります。


[ブロッコリーの花芽分化条件と収穫までの日数]
早晩生 展開葉数 茎の太さ 気温 低温遭遇日数
極早生 7~8枚 3mm以上 22~23℃以下 4週間前後
早生 7~8枚 3mm以上 20~23℃以下 4週間前後
中早生 8~10枚 6mm以上 16~20℃以下 4~5週間前後
中生 10~12枚 6mm以上 15~18℃以下 5週間前後
中晩生 12~15枚 6mm以上 8~10℃以下 5~6週間前後

[カリフラワーの花芽分化条件と収穫までの日数]
早晩生 展開葉数 茎の太さ 気温 低温遭遇日数
極早生 5~6枚 4~5mm以上 21~25℃以下 2~4週間前後
早生 6~7枚 5~6mm以上 17~20℃以下 3~4週間前後
中生 11~12枚 7~8mm以上 13~17℃以下 6~8週間前後
中晩生 15枚 10mm以上 8~10℃以下 8~10週間前後

発芽と生育

キャベツ類の多くは、4~35℃の広い範囲で発芽可能です。ブロッコリー、カリフラワーとも5~25℃の範囲では、温度が高いほど発芽は促進され最適温度は25℃前後になります。

■発芽適温
20~25℃

ブロッコリーの発芽

カリフラワーの発芽

■育苗中の害虫を防ぐ
育苗で害虫を防ぐには、苗床やトレイの上に播種直後から防虫ネットや寒冷紗をかけて管理すると、害虫の飛来を抑制することができます。そうすれば害虫だけでなく、それに伴う病害も減らす効果があるので、殺虫剤や殺菌剤の使用を少しでも滅らせます。

防虫ネットでトンネル全体を覆う

  • ※下に隙間があると、害虫が侵入しやすくなるので、しっかりと四方を土などで押さえておきます。
■トレイ育苗での軟弱徒長を防ぐ
  • ①潅水はできるだけ午前中に行い、日暮れのころにはトレイがやや乾く程度にしておきます。ハウスなどの施設内で、ベンチの上に(トレイの下に空間を作る)おいて育苗するとよいでしょう。
  • ②夏まき育苗期間の後半(播種後10日~2週間目以降)はできれば屋外で育苗し、風や夜露に当てて苗をしめます。
  • ※トレイの土は乾きやすいので、夏場は毎日潅水が必要になります。特にトレイの縁は乾きやすいので注意が必要です。

定植と追肥

湿害に弱いので排水の悪い所では高うねにする。

園芸用殺虫剤を定植前、植穴に散布して初期の食害を防ぎます。

ブロッコリー苗の植え付け

[追肥]

早生、中早生種は施肥量の約3分の1(10㎡当たりチッソ成分で60~90g)を追肥で施します。1~2回の分施とし、第1回が定植後7~10日、第2回は第1回の追肥後14~20日が適当です。生育期間が比較的短いので初期生育から追肥が重要となります。

中生~晩生種では、施肥量の約2分の1(チッソ120~150g)を追肥で施します。3~4回の分施とし、第1回は定植後7~10日、第2回は生育中期に、そして第3~4回は花蕾発生後すぐに施用します。生育期間が長いので、肥効を途切れさせないように、生育具合を見ながら適期で施すようにします。

[中耕、除草、土寄せ]

追肥時に同時に行うと効率的です。

生育

■生育適温
15~20℃(昼夜の温度較差が3~5℃程度あればよい)
■花蕾の生育適温
15~18℃(平均気温が25℃以上になると花蕾の生育や形状が悪くなる)

[ブロッコリー]

■施肥量
1回の栽培に必要な施肥量(全体)は、早生・中早生種の場合、10㎡当たり成分量でチッソ200~250g、リン酸150~200g、カリ200~250gが目安になります。元肥を中心にして元肥2/3、追肥1/3の割合で施用します。中生~晩生種はチッソ250~300g、リン酸250g、力リ250~300gが目安になります。緩効性肥料を中心に、元肥1/2、追肥1/2の割合で施し、追肥はチッソ、カリを中心に施用しましょう。

[カリフラワー]

■施肥量
1回の栽培に必要な施肥量(全体)は、早生・中早生種の場合、10㎡当たり成分量でチッソ200~250g、リン酸150~200g、カリ200~250gが目安になります。元肥2/3、追肥1/3の割合で施用します。中生~晩生種はチッソ250~300g、リン酸250g、カリ250~300gが目安になります。緩効性肥料を中心に、元肥1/2、追肥1/2の割合で施します。リン酸は全量元肥として施用するようにしましょう。

収獲

[ブロッコリー]

花雷の直径が10~12cm程度。品温の低いうちに収穫します。よい花蕾ができるには、栄養生長と生殖生長のバランスが大切で、ブロッコリーは特にバランスのくずれやすい作物のため注意が必要です。
厳寒期になると、花蕾の表面が赤紫色になる場合があります。これはアントシアンと呼ばれますもので色素でポリフェノールの一種です。食べても特に問題ありません。

[カリフラワー]

白色種は花蕾に日光が当たると淡黄色に着色し、白い外観を損ないます。品種にもよりますが、花蕾が7~8cmぐらいの大きさになったとき、葉を折って花蕾に乗せたり、葉を結束させたりして軟白することが必要となります。花蕾が着色するオレンジブーケ、バイオレットクインは株間を40~50cmと広めにとり、結束せずに光を当てるのが着色をよくするコツです。
花蕾の直径が12~13cmになったころから、花に葉と茎をつけて収穫します。

ブロッコリー、カリフラワーの異常花蕾

ブロッコリー カリフラワー
ボトニング(早期抽苔)
花蕾肥大に必要な葉数を確保する前に花芽分化し、結果的に小花蕾となります。
主な原因
低温、活着不良、肥切れ、根傷み
リーフィー(さし葉)
生殖生長が途中で停止し栄養生長に逆戻りした結果、花蕾の間に葉が発生します。
主な原因
花芽分化期の低温不足、花蕾肥大期の高温、チッソ週多
不整形花
花蕾面の蕾の発育が不均ーで、花蕾面が凹凸したり、着色が不均一になります。
主な原因
活着不良、チッソ週多、高温条件
ヒュージー(毛羽立ち)
花蕾形成の比較的後期に高温条件に遭遇。極小さな苞葉が表面に出ます。
主な原因
活着不良、チッソ過多、高温条件
プラウンビーズ
花蕾肥大期にストレスを受け、蕾が枯死し、褐変します。
主な原因
高温・乾燥、強日照、収穫遅れ
ライシー
花肥大期に個々の蕾が発達して花蕾の表面に飛び出します。
主な原因
低温
キャッツアイ
花蕾粒の不揃い。小花蕾の中央の蕾が小さく猫の目状となります。
主な原因
ボトニングと関係が深い、花の厚さが薄くなるほど目立つ
ブラインド(芯止まり)
成長点の生育が座止し、そこから苞のような葉を形成します。
主な原因
高温条件、凍害

Q&A

カリフラワーの花蕾が黄色くなるのですが、どうしてでしょうか。

雪のように真っ白な美しい花蕾はカリフラワーの魅力ですが、カリフラワーは非常に繊細な野菜で、白い部分(花蕾)を少しでも指で押したら、次の日には指の形に茶色く変色します。また雪や霜にも弱く、茶色く変色してしまいます。そして何よりの敵は、「日光」です。そのため、花蕾が7~8㎝程度になったら、外葉で包むようにして紐で結び、日光に当たって薄黄色くなることを防ぎます。いわば「お肌の日焼け対策」と同じことです。

また、根の障害などで生育が抑制された場合にも変色しやすくなります。

ところでカリフラワーは、キャベツやブロッコリー同様、東地中海沿岸原産の野生種「ケール」を起源とします。したがって冷涼な気候を好み、高温期の早まきでは異常花蕾となりやすく変色しますので、その土地に合った適期栽培に努めましょう

今年はロマネスコに挑戦してみようと思います。カリフラワーと同じ栽培方法でよいのでしょうか。

ロマネスコはカリフラワーの仲間で、栽培方法は基本的にカリフラワーと同じと考えて問題ありません。カリフラワーは真っ白な花蕾に生長させるため、花蕾が見えてきたら外葉をしばって遮光しますが、ロマネスコではこの作業が不要で花蕾を日光に当てるとよく、より手間が少なく栽培することができます。ロマネスコの花蕾は淡緑色で、珊瑚のように先の尖った小花蕾が密生します。ほんのりとした甘さとコリコリの食感で、サラダや炒めものなど、さまざまな料理に利用できます。

生育適温は20℃前後と冷涼な気候を好むので、一般地での栽培は7月中下旬にタネをまき、11月上中旬から収穫します。花蕾を大きく育てるコツは、できるだけ外葉を大きく生長させることです。そのためには土づくりが大切で、完熟堆肥などの有機物の投入を心掛ける必要があります。また、アオムシやヨトウムシなどの害虫がつきやすいので、防虫ネットや寒冷紗を張ったり、捕殺あるいは薬剤での対策が必要です。

植え付ける場所で気をつけるのは、アブラナ科の連作を避けることです。植え付け2週間前に苦土石灰を散布し、よく耕します。植え付け1週間前に、畝幅約70㎝に堆肥を1㎡当たり約2㎏、化成肥料を100g程度まいて耕起します。株間を約45㎝として苗を植えます。植え付け後、本葉が10枚程度になったら、追肥と同時に株元へ軽く土寄せをして株張りをよくします。