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野趣あふれる原種系球根

野山に自生する野生種や、その姿や性質を受け継いだ「原種系球根」は、素朴な美しさと力強さを兼ね備えているのが魅力。花の形や色、咲く時期も多彩で、早春~春の庭でナチュラルな景色が楽しめます。一度根づくと年々株が大きく成長し、10年以上にわたって花を咲かせる種類もあり、環境が合えばほとんど手間もかかりません。本格的なロックガーデンから小さな花壇まで、あなたの庭に自然の息吹をプラスしてみませんか。

矢澤 秀成

矢澤 やざわ 秀成 ひでなる

やざわ花育種株式会社、葉乃畑合同会社の代表。種苗会社の植物研究室を経て数々の植物園、ガーデンのデザインや監修を担当。育種家として個性的な花や野菜の開発に従事し、育種教室「育種寺子屋」を開催。また、花と緑の普及活動やハナウタコンサートを通じて花の魅力を伝えている。

冬〜早春に咲く球根

ラケナリア

開花期:12月~翌年1月 
草丈:15~20cm 
植え付け適期:9月中旬~10月中旬

南アフリカに100 種ほどが分布し、別名「アフリカヒヤシンス」とも呼ばれます。ムスカリに似ている壺状や筒状の花を、穂状に咲かせます。晩秋咲きや春咲きの種類があり、特にラケナリア・ヴィリディフローラは珍しい翡翠(ひすい)色の花が美しく人気があります。

栽培のPOINT
秋植え球根ですが、寒さにはさほど強くないので、鉢植えで育てて冬は霜に当てないようにすると安心です。
ラケナリア
翡翠色が美しいラケナリア・ヴィリディフローラ。
晩秋から冬にかけて開花する。

シラー・シベリカ

開花期:2月中旬~3月上旬
草丈:5~10cm 
植え付け適期:10月中旬~11月中旬

小アジアからコーカサス地方、ヨーロッパ南東部を原産とする球根植物です。青や白の花色があり、園芸品種もいくつか流通しています。釣鐘状の小さな花が房状や穂状に咲く姿が楽しめ、鉢植えはもちろん、花壇やロックガーデンにもよくなじみます。球根はほかのシラーよりも小さく、ヒヤシンスのように紫色の外皮をまとっています。自然に分球してよく殖えるので、年々花数が多くなるのも楽しみです。

栽培のPOINT
夏の休眠期は水やりを控え、鉢植えは涼しい場所で管理、花壇では腐葉土でマルチングするなど暑さ対策を。
シラー・シベリカ
2月中旬ごろから開花するシラー・シベリカ。
鮮やかな青色が目を引く。丈夫で育てやすいのも魅力。

キバナセツブンソウ

開花期:2~3月
草丈:5~10cm
植え付け適期:9月中旬~10月中旬

南ヨーロッパ原産のキンポウゲ科の球根です。白花のセツブンソウとは異なり、2月の節分のころから光沢のある黄色い花を上向きに咲かせます。植え付けはヒガンバナが咲く9月中旬ごろからが目安。早春に咲く小さな花はとても鮮やかで、冬枯れで寂しい花壇をパッと明るくしてくれます。

栽培のPOINT
球根は急激に吸水させると腐りやすいため、事前に吸水させてから、尖った方を上に向けて植え付けます。
キバナセツブンソウ
セツブンソウに続いて開花するキバナセツブンソウ。
落ち葉の間から一斉に咲き揃う姿は春の足音を感じさせてくれる。

春に咲く球根

原種系スイセン

開花期:3~4月
草丈:10~20cm
植え付け適期:9月中旬~11月上旬

スイセンはイベリア半島を中心に、ヨーロッパや北アフリカの地中海沿岸に25~30種が自生します。原種系スイセンは、野生そのままの可憐な姿が魅力で、小ぶりな花が多く、控えめながらも存在感があります。秋から翌年の初夏に生育し、系統により開花時期はさまざまですが、植えっ放しでも毎年よく咲き、乾燥ぎみの場所やロックガーデンにも合います。中でも栽培しやすく人気があるのは「ペチコートスイセン」とも呼ばれるバルボコジュームで、黄花と白花があります。

栽培のPOINT
水はけのよい土にやや深植えにすると、植えっ放しでも長く楽しめます。夏の休眠期は球根の掘り上げ、植え替えのタイミング。

スイセン ‘ゴールデンベル’

スイセン ‘ゴールデンベル’
ラッパ形の黄色い花を咲かせるバルボコジュームの園芸品種。植えっ放しでも毎年咲き続ける丈夫さが魅力。

スイセン・バルボコジューム(白花)

スイセン・バルボコジューム(白花)
ペチコートのように広がる花びらが特徴のバルボコジュームの白花種は、丈夫で育てやすい原種系スイセンの代表ともいえる種類。

原種系アネモネ

開花期:3~5月
草丈:10~20cm
植え付け適期:9月中旬~10月中旬

アネモネはキンポウゲ科アネモネ属の球根植物。温帯から亜寒帯にかけて100種ほどが分布していますが、中でもアネモネ・フルゲンスは、耐寒性に優れた原種系で、アネモネ・パブニナやアネモネ・ホルテンシスなど複数の種の交雑によって生まれたとされています。さらに交雑種から選抜されたのが、切り花でもおなじみのアネモネ・コロナリアです。

栽培のPOINT
乾燥ぎみの場所を好みますが、芽が出るまでは土が乾かないよう水やりを。日当たりと風通しのよい場所がベスト。

アネモネ・パブニナ

アネモネ・パブニナ
耐寒性・耐暑性に優れ、日本の気候にもよく合う。赤花が主流だが、近年はパープルやピンク系のソフトな花色も見られるようになっている。

アネモネ・フルゲンス

アネモネ・フルゲンス
ホワイト、ピンク、ラベンダー、パープル、レッドと花色が豊富で、毎年花を咲かせる丈夫さも魅力。筆者も植えっ放しで20年以上楽しんでいる。

原種系チューリップ

開花期:4月
草丈:10~45cm(品種による) 
植え付け適期:10月中旬~11月中旬

原種系チューリップは、いわゆる一般的な園芸品種とは異なり、野生種やそれに近い原種の形質を残した系統のチューリップです。「ミニチューリップ」という名前でも流通し、草丈が低めでナチュラルな雰囲気が魅力です。丈夫で環境に順応しやすく、花壇などに植えると植えっ放しでも毎年よく咲くのが特長です。実際、10年以上植えっ放しで花を楽しんでいるという声も多く聞かれます。

栽培のPOINT
花後は葉が黄変するまで切らず、球根を太らせましょう。夏は雨の当たらない場所で管理すると翌年も咲きやすいです。

レディージェーン

レディージェーン
イラクからヒマラヤ原産のクルシアナ種。淡い赤と白の花弁に中央のほんのり黄色が映える、繊細な花色が魅力。草丈は10~30cm。花壇に多く植えると風に揺れる姿が美しく見応えがある。

ライラックワンダー

ライラックワンダー
ギリシャからトルコのエーゲ海沿岸をふるさとにもつ原種系チューリップの一つ、サクサティリス系。淡いピンクの花びらに、卵の黄身のような明るい黄色がそっと重なり、春の庭を優しく彩る。草丈は10〜30cm。自然な植栽にもよく映える。

シンシア

シンシア
クルシアナ種から選抜された品種。クリーム色の花びらに赤いストライプが入るバイカラーが特徴で、華やかさと素朴さを併せもつ原種系チューリップ。草丈は30cm前後。春の草原を思わせるナチュラルな雰囲気が魅力。

春~初夏に咲く球根

ヒアシンソイデス

開花期:4~5月
草丈:10~30cm 
植え付け適期:10月中旬~11月中旬

ヒアシンソイデス属はヒヤシンスやシラーに近い仲間で、以前はシラー属として扱われていたこともあります。日本でよく見られるのは、ヒアシンソイデス・ヒスパニカ(スパニッシュブルーベル/シラー・カンパニュラータ)やヒアシンソイデス・ノンスクリプタ(イングリッシュブルーベル)の交雑種や選抜種です。ヒスパニカ種は細長い釣鐘形の花が穂状にたくさん咲き、状態がよければ20輪以上の花が開きます。ノンスクリプタ種は花穂(かすい)が細身で、花が片側に寄るのが特徴です。

栽培のPOINT
球根は丸いものから棒状のものまでさまざまな形があり、皮がないので掘り上げて保存する場合は乾燥に注意しましょう。

スパニッシュブルーベル(ブルー)

スパニッシュブルーベル(ブルー)

スパニッシュブルーベル(ピンク)

スパニッシュブルーベル(ピンク)

スパニッシュブルーベル(ホワイト)

バイモユリ

イングリッシュブルーベル

バイモユリ

バイモユリ

開花期:4〜5月
草丈:30~60cm 
植え付け適期:9月中旬~10月中旬

中国東部を原産とするユリ科の多年草で、しっとりとした半日陰や、やや湿り気のある場所を好みます。中国では古くから薬用植物として栽培され、乾燥させた鱗茎(りんけい)は「貝母(バイモ)」と呼ばれ、生薬としても利用されてきました。日本には約300 年前に薬用として伝わりましたが、現在では春の花壇を彩る花として親しまれています。

栽培のPOINT
半日陰のやや湿った場所で育てるのが◎。
夏の高温乾燥や西日の当たりすぎに注意。
バイモユリ
3月から4月にかけて、花径(かけい)4cm前後の淡い黄緑色の花をうつむきがちに咲かせる。

原種系球根はこちら

※記事中、紹介商品は
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