Vol.6
愛嬌のある姿が魅力。
注目のコーデックスプランツ!
パキポディウム
さまざまな種類の多肉植物の中で、いま注目を浴びているのがコーデックスプランツです。コーデックスプランツとは、根や幹の部分が肥大化する塊根植物のこと。日差しが強く、乾燥した過酷な環境下で生き残るために、肥大化した基部に水分を蓄えられるように独自の進化をした結果、その姿がユニークなオブジェのように…。しかも一つとして同じ形がないため、一つ育てるとどんどんコレクションしたくなるという魅力にはまる人も多くいます。
コーデックスプランツにはさまざまな種類がありますが、初めて育てる方に特におすすめなのがパキポディウムです。成長が緩やかで大きくなりすぎないため、テーブルに置けるサイズのまま長く楽しめ、管理の手間もそれほどかかりません。剪定をしてじっくり自分好みの樹姿をつくっていく楽しみは盆栽に似ているともいわれています。 独特の愛嬌あるフォルムを見ていると、思わず笑みが浮かんで心がほっこり。そんな癒やし効果があるのもパキポディウムの魅力です。


水やりは…
原産地は南アフリカやマダガスカルなどの乾燥エリアで、幹の中はスポンジ状になっていて、高い保水力があります。水やりのしすぎは厳禁で、少し乾燥ぎみに管理するのがポイント。落葉して休眠に入る冬季は水やりは月に1回程度でよく、春になって新芽が出てきたタイミングで水やりを始めます。表土が乾いたらたっぷりと水やりします。
幹が細くなってきたのは何か原因?
パキポディウムは日照と風通しを好む植物です。日照が不足すると幹が細くなったり、枝が間延びしてきます。レースなど薄いカーテン越しに日光が入る窓辺で、風通しもよい場所で管理するようにしてください。
冬季の管理に注意が必要!
パキポディウムは耐寒性が強くないため、年間を通して10℃以上キープできる場所で管理します。冬季の寒さに当たると幹や枝が軽くなり、枯れてしまうこともあります。窓辺が冷える場合は、室内の少し奥の場所で、エアコンの暖風が直接当たらない場所に移すのがおすすめです。
気をつけたい病害虫
パキポディウムにつきやすい害虫は、アブラムシとハダニです。どちらも短い期間で増殖するため、こまめに観察し、変化に気づいたらすぐに対処することが大切です。
●アブラムシ
新芽や葉裏に黒や茶色、緑色の粒々が見つかったらアブラムシを疑います。セロハンテープに付着させて取り除くようにします。
●ハダニ
葉に白い点々が現れたり、クモの巣のような糸がついていたらハダニを疑います。ハダニは水に弱いので、症状が出ている部分を霧吹きで洗い流すようにします。普段からこまめに葉水をかけておくと予防になります。

高梨さゆみ(たかなしさゆみ)
イギリスでガーデニング文化の魅力に触れて以来、雑誌や本などですぐに役立つガーデニングの情報を発信。イギリスや日本全国の庭を巡るほか、日々の花散歩で見かけた「これはいい!」という植物をSNSなどでも紹介する。花苗や切り花の生産農家も訪ね、人気の花、新しい花の情報を得ると同時に栽培のアドバイスも取材。