Vol.5
みずみずしい葉色が軽快な印象
パキラ
スマートな楕円形の葉5〜6枚を手を広げたようにつける姿がやさしい印象で、葉色がみずみずしく軽快な雰囲気。太い幹の先に葉が集まる樹姿には安定感があり、どんなテイストのインテリアにも合わせやすい観葉植物です。 中南米が原産地のパキラは、パルプ材にするために台湾に導入されました。貧しかった農民がパキラの苗を売り始めたところ繁盛したというエピソードから「発財木」という別名があり、風水ではパキラを育てると金運が上がるといわれています。そのため、開店祝いや新築祝いの贈り物によく利用されています。 まっすぐな幹のほか、ねじれたもの、編み込みに仕立てたものなど、幹のバリエーションがあるのも観葉植物のパキラの魅力です。


水やりは…
土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいにたっぷりと、が水やりの基本です。冬季は成長がゆっくりになり、この時期に水を与えすぎると根腐れの原因になりやすいので気をつけましょう。
葉が黄色くなる原因は?
葉が黄色くなり、付け根が垂れ下がっている場合は水分不足が疑われます。葉の付き方が間延びしている場合は、日照不足が疑われます。耐陰性があるパキラですが、レースなど薄いカーテン越しに日光が当たるくらいの環境を好みます。
葉がしわしわになる原因は?
パキラは生育が非常に旺盛です。木の高さも伸びますが、同時に根も生長して鉢の中で絡まることがあります。そうすると水分や養分の吸収ができなくなり、葉がしわしわになることがあります。ひと周り大きな鉢へ植え替えるとよいでしょう。
気をつけたい病害虫
パキラにつきやすい害虫は、ハダニ、アブラムシ、コナカイガラムシなどです。とくに新芽には虫がつきやすいので気をつけてチェックし、早めに対処するとよいでしょう。なお、ハダニとコナカイガラムシは乾燥している場所を好むので、こまめに葉水を吹きかけて予防するのがおすすめです。
●アブラムシ
葉をよく観察し、緑色、または黒の点々をセロハンテープなどで取り除きます。シャワーで葉裏をていねいに洗い流すのも効果があります。特に新芽につきやすいので、春以降は注意が必要です。
●ハダニ
葉が全体的に退色してきたらハダニを疑います。ハダニは葉裏に発生します。初期であればシャワーでの洗浄で対処できます。
●コナカイガラムシ
葉に白いホコリのようなものがついていたらコナカイガラムシを疑います。シャワーなどでしっかり洗い流すか、水を入れたバケツなどに葉を浸してよく洗うとよいでしょう。

高梨さゆみ(たかなしさゆみ)
イギリスでガーデニング文化の魅力に触れて以来、雑誌や本などですぐに役立つガーデニングの情報を発信。イギリスや日本全国の庭を巡るほか、日々の花散歩で見かけた「これはいい!」という植物をSNSなどでも紹介する。花苗や切り花の生産農家も訪ね、人気の花、新しい花の情報を得ると同時に栽培のアドバイスも取材。