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名前にランとつきますが、クンシランはランの仲間ではなく、ヒガンバナ科に属する植物です。原産地は南アフリカ東部の海岸地帯の森林で、かなり湿度がある状態に自生しています。ヨーロッパを経由し、日本には明治時代に伝わりました。当時日本で紹介されたのは、葉が細長い原種のノビリス種で、その後、葉幅の広いハンブルグ系が導入され、より葉を短く幅広に品種改良されました。日本では花が咲いていなくても葉の美しさに価値を見い出す美意識があったため、クンシランは個性的な葉を愛でるものという風潮が長くあり、斑入り品種も作り出され人気を呼びました。しかし、最近では花の美しさも大きな魅力となっています。クンシランの花といえば、濃オレンジ色がすぐに思い浮かびますが、花色も多彩になり、クリーム色や桃色、淡グリーンなど優しい印象のパステルカラーも出回るようになっています。