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ワケギ・アサツキの栽培方法・育て方

ワケギ・アサツキの栽培方法・育て方

スピーディ&ロング収穫

 鮮やかな緑の葉は香りがよく、薬味や彩りにぴったりの2種類のネギです。植え付けから約2カ月で収穫を迎え、収穫後約1カ月で新しい葉が再生するので、何回か収穫を楽しむことができます。半日陰でも作れて、ベランダなどでのコンテナ栽培にも向きます。必要な分だけ葉を切りとりながら長く味わえるお得な野菜です。
 どちらも作り方はほぼ同じ。休眠時期の違いによって、収穫期に差がある程度です。秋口にタネ球根を植え付けて、肥料を切らさないように育てながら、みずみずしい葉を収穫します。暑くなると休眠に入って生育がストップするので、初夏にタネ球根を掘り上げます。タネ球根は、若どりラッキョウのように味噌やマヨネーズなどをつけて食べられます。ネットなどに入れて涼しい場所で保管すれば、秋に植え付けることもできます。過湿に弱いので、土が白っぽく乾くまでは水やりを控え、乾いたらたっぷり水やりしてください。

  • アサツキのタネ球根。アサツキのタネ球根。
  • ワケギ。香りがよく薬味に向くワケギ。香りがよく薬味に向く。

西日本に多いワケギ

 ワケギを漢字で書くと「分葱」。ミニタマネギのような形のシャロットとネギの交雑種といわれ、株元から旺盛に分けつします。おもに西日本で栽培が盛ん。東日本ではネギの一種のワケネギと混同されることがありますが、両者は別の野菜です。タネができないワケギはタネ球根で殖やすのに対して、ワケネギはタネで殖えます。
 植え付けは夏の終わりから秋口にかけて。秋から翌春まで長く収穫できます。夏の初めに葉が枯れてきたら休眠のサインなので、タネ球根を掘り上げます。

東北に多いアサツキ

 アサツキは古くから日本に自生していたネギの仲間で、漢字で「浅葱」と書きます。日本の気候風土に合っていて、育てやすくて丈夫。夏に休眠し、冬も軽い休眠期間があります。休眠中は地上部が枯れるので、収穫時期は春と秋になります。ワケギ同様、夏の初めにタネ球根を掘り上げます。寒さに強く、積雪下でも枯れないことから、東北地方では、雪の中から掘り出した「雪中アサツキ」が特産となっています。

おすすめの品種

あさつき   長崎紫大玉わけぎ
あさつき   長崎紫大玉わけぎ
日本に自生する野菜の一つ。
葉の色が鮮やかで香りがよい。
  タネ球根は紫色を帯びて旺盛に分けつする。
独特の風味と香りがある。
商品詳細はこちら   商品詳細はこちら
わけぎ   越後わけぎ
わけぎ   越後わけぎ
葉が細くて香りがよい。やわらかで薬味に最適。   冬に休眠するタイプなので、収穫期は夏から秋。
草丈20cmのころに収穫する。
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ワケギ、アサツキの育て方

1コンテナなどの準備

 土の容量15L程度の標準サイズ(20×65×20cm)のコンテナを利用します。

コンテナなどの準備(図)

2タネ球根の植え付け

 植え付けの適期は8月下旬〜9月中旬。芽が出る尖った部分を上に向けて、頭が少し見えるくらいに浅植えします。

タネ球根の植え付け(図)

3追肥、水やり

 草丈5〜6cmになったら、化成肥料10gをコンテナ全体にまきます。以後2週間ごとに同量を追肥します。土が乾いたら、鉢底から流れ出るくらいにたっぷりと水やりします。

追肥、水やり(図)

4収穫

 葉の長さが20〜30cmになったら、根元を3〜4cm残して葉を切りとります。約1カ月で葉が再生するので、何度か収穫できます。

収穫(図)

5病害虫防除

 病気や害虫には比較的強いので、あまり心配いりません。アブラムシがついたら「オレート液剤」を散布します。

藤田 智

秋田県生まれ。恵泉女学園大学 人間社会学部 人間環境学科教授。
専門は野菜園芸学、植物育種学、農業教育学。「NHK 趣味の園芸」講師などで野菜作りの魅力を伝える。著書に「別冊NHK趣味の園芸・わが家の片隅でおいしい野菜を作る」(NHK出版)など多数。