チューリップの春色コーディネート !おすすめの色合わせ・レイアウトを解説


花色あわせは、まず基本の1色を選ぶことから始めましょう。無限といえるほどの多くのバリエーションがある花色の中からどれを選んだらいいか、とても迷うところです。色にはそれぞれ特有のイメージがあります。そのイメージを大きく2つのグループに分けて考えてみましょう。一つは赤や黄、オレンジなど、太陽の日差しを連想させるような暖かみを感じる色。これを暖色といいます。もう一つは青や青紫のように海や川、またさわやかな風を連想させる涼しげな色。これを寒色といいます。花壇の計画を立てる際には、その時の気分にあわせて、暖色、寒色、どちらをメインにしたいかを決めると、基本の1色を選びやすくなります。

次に、主役の色にプラスする色を決めましょう。穏やかで統一感のある印象にしたいなら、主役色と似た色を選びます。また、パッと目立つ強い印象にしたいなら、主役の色とは異なる性格を持つ色を選ぶと効果的です。色の性格については下のフラワーカラーサークルを利用すると、似た色、異なる色が明確に分かります。
色数を増やすと楽しくにぎやかで元気のある印象に、逆に色数を抑えると上品で落ち着いた印象になります。さらに花壇や鉢植えを引き締まった印象にしたい場合は、主役の色8割に対し、2割ほど主役色とは性格の異なる色を加えると効果があります。なお、植え込みの際には植物が育った姿をイメージしてレイアウトすると、色のボリュームのバランスがとれた花壇や鉢植えに仕上がります。


なお、同系色でまとめる時には、できるだけ花形や株姿が異なる植物を選ぶと、花壇が変化のある表情になります。
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ピンクのチューリップの足元に、ピンクのデージー、濃淡ピンクのアリッサムを加え、シックな赤紫のオキザリスを引き締め役に使用。さらにアイビーやユーカリなどを加えて動きのある表情に。 | 紫×ピンクの花色あわせをエントランスのレイズドベッド(立ち上がりのある花壇)に植え込むと、こんな雰囲気に。アイビーやビンカなど、下垂する植物を加えると動きのある表情になる。 |





反対色あわせの中でも、一番目立つのがビビッドトーンの2色を組みあわせたケースです。ただ、狭いスペースでは色の対比が強すぎて、落ち着かない印象を与えがちなので、どちらか一方の色をパステルトーンかグレイッシュトーンから選ぶと、まとまり感が生まれます。
また、2色のボリュームを同じにした場合も、色の対比が強すぎる印象を受けがちです。メインの色を7〜8割に、サブの色を2〜3割にすると、バランスのとれた美しい花壇に仕上がります。
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黄色のチューリップとミニスイセンの足元に、ムスカリやネモフィラなど青、紫系の花を加えた反対色の組みあわせ。小さな鉢植えでもパッと目立ち、インパクトがある。白いアリッサムを加えて軽やかさをプラス。斑入り葉のテイカカズラやアイビーで動きのあるナチュラルな表情に。 | オレンジ×青の組みあわせをエントランスの花壇に植え込むと、ポップで個性的な雰囲気に。ユリ咲きのチューリップがリズミカルで楽しげな表情に。 |





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玉川大学農学部卒業後、ショップに従事しながらイギリスのフラワーアレンジ&ガーデニングデザインを学び、独立してフラワー&グリーンのコーディネートの仕事で活躍。センスのよいコーディネートが雑誌でも人気に。カラーコーディネーター、野菜ソムリエの資格も取得。自宅のベランダでは花や野菜の栽培を楽しんでいる。