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夏秋の桃太郎大玉トマトの上手な育て方

夏秋の桃太郎大玉トマトの上手な育て方夏秋の桃太郎大玉トマトの上手な育て方

暑い時期には、トマトのみずみずしさとビタミンCの豊富さがうれしい!子どもから大人まで、幅広い層に人気の夏野菜ですが、おいしく作るのにはコツが必要です。そこで今回は、トマトをタネから上手に育てる方法をご紹介。ぜひ挑戦して、新鮮な味わいをご家庭でお楽しみください。

家庭菜園でのトマトの育て方の知識誤解していませんか?

タキイが調査した「2016年度 野菜と家庭菜園に関する調査」の好きな野菜ランキングで堂々1位になったトマトは、調査開始以来8年連続1位に輝く不動の人気を得ている夏野菜です。その一方で、栽培方法については他の夏野菜と比較すると知識・技術・手間暇を一番必要とする、言わば玄人向けの野菜といえるかもしれません。
トマトに関する知識でよく勘違いされるのが、「水をあまり与えないほうがよい」「暑さに強い」という点。そのような誤解も含め、タネまきから収穫までを通して、上作のポイントについて解説します。

ジューシーなとれたて完熟トマトは格別!!

菜園向けトマト栽培カレンダー

栽培カレンダー

育苗管理

定植予定日の2カ月前に種をまきます。定植時期は、一般地では遅霜の心配がなくなる5月以降になるので、タネまきは3月に入ってから行います。5月に定植を行い、7月頃から収穫できます。

STEP1

タネまき〜移植

家庭菜園では購入苗から栽培をスタートする方が多いですが、最近ではタネから挑戦してみたいという声も多く聞くようになりました。トマトのタネまきは、春まきの場合タネまきから定植まで約2カ月を必要とします。 また、定植は遅霜が過ぎた5月(ゴールデンウィーク前後)からになるので、逆算すると3月ごろがタネまきの適期になります。ただし、3〜4月はまだ寒い時期なので、発芽温度を確保するために、温床が必要になります。

200穴のセルトレイで発芽。

200穴のセルトレイで発芽。

パーフェクトドームセット

タネから育てる場合は保温できる環境で育てる。

Qトマトのタネまきに必要なものは?
A

「パーフェクトドームセット」のような保温育苗用品(園芸マットとサーモスタット)を用意すると温度調節ができ、便利です。また、トレイは200穴のセルトレイ、用土は病気の心配がない人工培土「タキイセル培土 TM-1」がおすすめです。1穴に1粒ずつまき、軽く覆土し、潅水後28℃一定の状態で約3〜4日後に発芽します。

パーフェクトドームセット
Q発芽後の管理は?
A

発芽後は夜間16℃、日中25℃の変温管理を行い、約1カ月後の本葉2枚が完全に展開した苗を、「タキイ育苗培土」などを詰めた4寸ポットへ移植します。移植後、2週間ほどで葉数が増えてくるので、ポットの間隔をあけるとともに、サーモの設定を変えたり被覆枚数を少なくしたりして徒長を防ぎます。約1カ月間のポット育苗中に1週間ごとに約2℃ずつ温度を下げ、蕾が膨らんできたころには最低夜温が8℃になるようにします。育苗期間を通じて与える水はその日1日分を基本とし、朝入れた水が夕方には残らないようにすると、草丈の詰まったよい苗に仕上がります。

発芽から約1カ月の苗を4寸ポットへ移植する。

発芽から約1カ月の苗を4寸ポットへ移植する。

STEP2

定植準備から追肥(3段開花期)

畑の準備は定植の2週間前までには完成させます。マルチ栽培は、特に露地で栽培される場合は畝の中の水分コントロールに役立ちますし、温度が低い時は地温を確保する役割があります。さらに、黒マルチは栽培を通して雑草抑制効果がありおすすめです。
定植適期は開花初めの状態です。定植作業は晴れた日の午前中を選びましょう。花房が通路側に向くように植え付けると摘果や収穫作業がしやすくなります。定植後は約500mlの水を株元に入れ活着を促し、その後はしおれが見えてきたら同じく500ml程度の潅水を行い、生育を促します。2段開花までは1度の潅水量を最大500mlまでに抑えることで過繁茂を防ぎます。
畑づくりで投入した肥料は3段開花ごろまで効果がありますが、その後は追肥で草勢を維持します。粒状肥料の場合、チッソ成分量7%の肥料(「味菜 果菜の肥料」など)では1株当たり20gを与えます。また、液肥の場合はチッソ成分量が8%の肥料(「育ちくん」など)では500倍に薄めたものを、通常潅水と交互に施用します。

定植時に、仮支柱との交差部分を8の字誘引する。

定植時に、仮支柱との交差部分を8の字誘引する。

Q定植直後の低温期や梅雨明け後の高温期の着果のポイントは?
A

1、2段目の花は、寒い時期に開花するため受粉能力が低く、「トマトトーン100倍液」により着果促進を行います。3段目以降は気温の上昇とともに受粉能力も回復してくるので、振動受粉でもつくようになります。しかしながら、梅雨明け以降は、ハウス栽培の場合、35℃以上の気温が続くようになり受粉能力が低下してくるので、再び「トマトトーン」による着果促進を行います。梅雨明け後の「トマトトーン」の希釈濃度は薄めの150倍にします。

Qわき芽かきのタイミングは?
A

定植後、畑から水分を十分に吸収できるようになる(活着)まで約1週間かかりますが、活着すると早朝に葉の先端に葉露がつくとともに、生長点付近の緑色が淡くなるのが確認できます。活着後は、わき芽も勢いよく伸び始めてくるので、取り遅れがないように5p程度の長さになってきたら順次除去します。特に、花房直下のわき芽は伸びが速いので取り遅れに注意します。

わき芽はこまめにとる。

わき芽はこまめにとる。

Q摘果のタイミングは?
A

3段開花ごろには1段果の肥大が進み、光合成でつくられた養分の転流が盛んになります。このころから草勢維持のために追肥とともに摘果作業を行います。各段ともに果実がピンポン玉くらいの大きさになってきたら、形がよく大きさの比較的揃った果実を選び摘果をします。1段目は3果に、2段目以降は4果を残すのが基本です。

STEP3

収穫期前後

果実が肥大してくると水の要求量も増え、植物自体も大きくなってくるので、3段開花期からは晴れた日には2日に1回のペースで1株当たり1Lを目安に潅水量を増やし、畝全体に水が行き渡るように変えていきます。潅水チューブがある場合は、チューブ潅水に切り替えるのもこのころからになります。
一方で、3段目開花以降は梅雨入りするころなので、露地栽培の場合は雨水を上手に組みあわせます。ハウス雨よけ栽培の場合は、雨でも毎日少量の水を入れ、生育を安定させます。また、果実もさらに肥大してくるので、水が不足するとカルシウムの供給が遅れ尻腐れ果の発生につながります。5段開花ごろには、晴れた日は毎日1〜1.5Lを目安にこまめに潅水しましょう。
6段花房が開花し始めると1段目の果実が色づいてきます。収穫も軌道に乗ってくるといよいよ梅雨明けです。梅雨明け後はさらに気温も高くなるので、晴れた日は毎日2L以上の潅水を心掛けます。

尻腐れ果は4段目果房より上に出やすい。

尻腐れ果は4段目果房より上に出やすい。

Q下葉かきは必要?
A

一般に、収穫終了段以下の下葉は取り除くことで通気性を確保し病気の発生を防ぎますが、夏秋栽培の場合、真夏の強い日差しが株元に差し込んでしまい、地温が上がることで根の伸長が弱まり、青枯病の危険性も高まります。傷んだ葉のみ取り除く程度でよいでしょう。

傷んだ葉を取り除く程度にする。

傷んだ葉を取り除く程度にする。

Q摘芯はいつするの?
A

最終収穫段が決まったら、その収穫段の花が咲く前に上の葉2枚を残して芯を止め、花房下のわき芽を1本残します。摘芯後は潅水量を3分の2程度にし、最低気温が15℃を下回るようになると、さらにその半分程度まで減らします。

収穫!

夏秋栽培用 おすすめ品種 今回は食味がよい2品種をご紹介!

CF桃太郎ファイト

糖度が高く、育てやすさも魅力!

「桃太郎」系の中では最も糖度が高い品種です。酸味が少なめなので、甘さを強く感じやすく、女性やお子様に喜んでもらえる味です。

桃太郎8

暑さに強い!味が自慢のロングセラー品種

「桃太郎」系品種の中で糖・酸・うまみのバランスがよく、味に関しては夏秋用品種で最も人気のある品種です。