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ソラマメ(そら豆)の調理方法を解説!茹で方や揚げ方もご紹介

ソラマメの一番おいしい味わい方
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若莢が空を指さすようにつくことから空豆(そらまめ)と名づけられたといわれますが、ソラマメの名前の由来にはもう一説あります。九州ではソラマメのことを唐豆(からまめ・とうまめ)と呼ぶ地域がありますが、これは唐の国(中国)から伝わった豆の意味です。その唐が「空」に転じたのではないかという説です。中国から伝来した植物や食べ物は、日本で異なる字が当てられている場合も多く、個人的にはこちらの説の方が信憑性が高い気がしています。
さて、ソラマメの魅力といえば、まず美しい緑色です。明るい緑色の莢も美しく、また中のマメは熱湯にさらすと透き通り、宝石のように色鮮やかになります。そして、濃厚な味わいもほかのマメにはない大きな魅力です。味よし、姿よしのソラマメは主役をはれる素材で、料理人にとっては高級素材の一つです。その素材を生かすために、私はできるだけシンプルに調理することを心掛けています。出汁など余計な味は加えず、最低限の塩だけで調味するのがおすすめです。調理法がシンプルだからこそ、手間を惜しまぬことも大切です。余計な水分を残さないことが、より濃厚なおいしさを引き出すコツなので、私は面倒でも中の薄皮をむき、マメだけを茹でるようにしています。家庭菜園で収穫した鮮度の高いソラマメを、ぜひさらにおいしく召し上がってみてください。(野ア洋光)

茹でる

ポイント1

    下準備

莢からマメを取り出し、包丁で切り目を入れ(右)、薄皮をむく(左)。マメを崩さぬようていねいに!

 
水1Lを沸騰させ、1.5%の塩(約大さじ1)を加える。ちなみにエダマメの場合は塩は4%ほど。塩味は薄めにしたほうがソラマメのおいしさが引き立つ。   莢から取り出し、薄皮をていねいにむいたソラマメを加える。火は必ず中火で。
 
1分半ですくい上げる。エダマメより茹で時間は短めに。茹ですぎるとホクホク感がなくなるので注意!   ざるに取り出し、すぐにうちわで風を送り、あら熱をとる。あら熱を取ることでマメのホクホク感が増す。

焼く

ポイント2

   
莢からマメを取り出し、おはぐろ(ヘソの黒い部分)に包丁目を入れる。   網を中火にかけ、□1を並べ、1分半〜2分で裏に返す。   裏側を1〜1分半焼き、両面にほどよく焼き色がついたら器にとり、軽く塩を振る。

炊く

【材料】(3〜4人分)
ソラマメ…80g、米…2合、油揚げ(薄いもの)…1枚、薄口しょうゆ…30cc、酒…30cc

【作り方】
1.莢からマメをとり出し薄皮をむく。鍋に莢と薄皮、水を入れて火にかけ、一煮立ちしたらアクをとり、1分ほど煮て火を止めて冷ます。
2.米を洗って水に浸し、15分ほどしたらざるにあげる。
3.油揚げはできるだけ細かいみじん切りにし、熱湯にさっとくぐらせて水けをきる。
4.1.のマメを熱湯にさっとくぐらせる。
5.土鍋に1.の煮汁330cc、2.3.を入れ、薄口しょうゆ、酒を加えて炊く。蒸らしの時に4.を加える。蒸らし終わったら全体を軽く混ぜる。

揚げる

【材料】(2人分)
ソラマメ…12粒、エビ…50g、新挽き粉…適宜、小麦粉…適宜、卵白…適宜、塩…少々

【作り方】
1.ソラマメは莢から出し、薄皮をむいて縦半分に割る。
2.エビはからをむいて背わたをとり、塩水で洗って水けを拭きとり、包丁で細かく叩く。
3.1.のソラマメに2.のエビを挟み、小麦粉を薄くつけて卵白にくぐらせ、新挽き粉をきれい にまぶす。
4.揚げ油を160〜170℃に熱し、3.をそっと入 れ、表面に薄く揚げ色がつく程度に揚げる。

煮る

【材料】(2人分)
ソラマメ…80g、水…100cc、砂糖…50cc

【作り方】
1.ソラマメは莢から出し、薄皮をむいておく。
2.鍋に水と砂糖を入れて火にかけ、80℃ほどにしておく。
3.鍋に湯を沸かし、1.を入れて1分ほど茹で、ざるにとって水けをきる。
4.2.の蜜に3.を入れ、80℃を保ちながら弱火で煮る。5分したら火を消し、 鍋ごと氷水にあてて冷ます。

収穫してから3日がおいしさの期限!ソラマメ栽培で、家庭菜園の醍醐味を味わう!

ソラマメはかたくなる前の未成熟種子を食用とするため、収穫後、鮮度が著しく低下します。「ソラマメがおいしいのは収穫してから3日だけ」といわれるのもそのためです。ぜひ家庭菜園で栽培し、収穫したてのおいしさを味わってみてください。
ソラマメには大粒種と長莢種があります。大粒種は粒の大きさが1寸(約3cm)であることから「1寸ソラマメ」とも呼ばれます。長莢種は中粒のマメが1莢に6〜7粒入り、欧州ではこちらが主流でサラダなどに生食利用されています。どちらも手軽に栽培できる品種があるので、家庭菜園でも上手に作れます。
1粒ずつ味わう茹でソラマメや焼きソラマメは、大粒種で料理するのがおすすめです。煮崩してポタージュにする場合などは、収穫量の多い長莢種を利用するとよいでしょう。

タキイ育成「仁徳一寸」   タキイ育成「福ならび」
3粒莢の人気品種で、草勢が強くたくさん収穫できる。莢の色も濃く、中のマメも色鮮やかで、見た目もインパクトのある料理が楽しめる。   長さ20〜25cmの莢になる長莢種で、約2cmのマメが5〜7粒入る。収穫量の多さも魅力で、下位節から莢がたくさんつく。
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野ア 洋光さん

野ア 洋光

1953年、福島生まれ。東京・南麻布の日本料理の名店「分とく山」総料理長。素材そのものの味を生かした料理が多くの共感を呼ぶ。「食は家庭料理にあり」という考えから、家庭でも作れるレシピを掲載した著書も多数。「野ア洋光の野菜料理帳」「野菜のしあわせ 分とく山の和のごはん」は、豊富な野菜レシピが掲載され、家庭菜園愛好家におすすめ。