人気のジャガイモを育てよう!品種もご紹介
日本の食卓に昔からなじみ深い食材、イモ。 ひと口にいっても、ジャガイモ、サトイモ、ヤマイモなど食感も味も、さらには調理方法も、実にバラエティに富んでいます。 おいしくて栄養価も高く、しかもどこか気持ちもほっとさせてくれる……。 こんな身近な野菜だからこそ、今、家庭菜園でチャレンジしてみませんか? 今回は意外にヘルシーな野菜、ジャガイモをご紹介します。
ひと昔前までは‘男爵’‘メークイン’が主流でしたが、これはウイルス病の蔓延を防止するため、国の管理下でのみ無病のタネイモを生産していたからです。
しかし、近年は無病の優良タネイモが広く生産されるようになり、改良された特徴ある多くの品種が自由に入手でき、作れるようになりました。
これらの中から、好みの品種や目的の食べ方に合う品種を選んでください。
育てるだけでなく、花を愛でるといった楽しみを味わうこともおすすめします。
最もおなじみの品種で、明治40年に川田男爵がアメリカから導入したため、この名がある。 昭和3年から奨励品種となり、長年ジャガイモの代表格として栽培されている。 球形で黄白色、白色の肉はほくほくの粉質で、食味がよく、まずおすすめできる品種。 | 中晩生で、西南暖地の二期作で最も特性が発揮できる多収品種。 淡黄で偏球形のイモは、大きくて粒揃いがよく、皮はなめらかで外観が美しい。 食味に優れ、煮崩れも少ないので煮物に適する。 | ||
英国生まれで関西から人気が盛り上がり、‘男爵’とともにわが国の2大品種となっている。 長卵形で目は浅く、淡い黄色の果肉はきめ細やか。 粘質で煮崩れしにくいため、煮物向きとして好まれる。 低温で貯蔵すると甘みが増す。 | アントシアニンを含んで皮も肉も紫色の、特徴ある品種。 イモは大きくなり、収量が上がる。 目は浅くて調理しやすく、肉質は粘質で煮崩れは少ないが、色を生かすにはフライなどにするとよい。 | ||
アンデス産の独特な食味と風味を生かし改良された品種で、名称は起源の地と新しさを表したもの。 極早生種で、植え付け後70〜80日で完熟する。 黄褐色で卵形のイモが密につき、不揃いで収量は少ないため希少品ともいわれる。 やや粘質で収穫直後は甘みが少ないが、日が経つとクリのようなうまさが出てくる。 | 草丈はやや高く、草型は開いてかなり大きくなる。 病害に強く育てやすい中晩生品種。 また、赤紫色の花は大きく美しく、観賞価値十分なところも菜園向きといえる。 イモは淡赤色で、緑化の判別が難しいため、光にさらすことは避ける。 肉色は淡黄色で、香りと味が濃く、煮崩れしないので煮物、サラダ、コロッケなどに適する。 | ||
早生種でイモの肥大が早く、大粒多収。 病害虫にも強い方で育てやすいが、チッソ肥料はやや控えめに与える。 イモはやや黄色く褐色を帯びており、果肉は黄色、粘質で舌触りはなめらか。 目は浅くて皮がむきやすく、肉じゃがやおでん、サラダにも向いている。 | シストセンチュウに抵抗性のある、西南暖地向けの二期作用中生品種。 イモの肥大はよく、中型で皮色は黄色。 外観、揃いとも良好。 粉質で食味がよく、ポテトサラダ、煮物、クリーム煮、フライなどに合い、マヨネーズによくなじむともいわれる。 |
- 島根県生まれ。 千葉農業専門学校(現千葉大学園芸学部)卒業。 千葉大学助手、神奈川県園芸試験場長、神奈川県農業総合研究所所長、全農農業技術センター技術主管を経て、現在、板木技術士事務所所長、JA全農委託調査員、茨城県立農業大学校非常勤講師などを務める。 著書多数。