プランター菜園で野菜づくり
アブラナのトウ立ちした花蕾や茎葉を食べる野菜がナバナです。ナバナには和種ナバナ(ブラシカ属ラパ種)と洋種ナバナ(ブラシカ属ナプス種)の2つの系統があり、分類上は別の植物。ここでとり上げる和種ナバナは、日本で古くから栽培されていました。葉はちりめん状に縮れて若緑色、茎の先端のやわらかい花蕾部分を食用にします。京野菜の1つとして花菜とも呼ばれます。わずかな苦みがあり、塩ゆでにしておひたしやからし和えにするほか、ちらし寿司の具などで利用するのが定番。桃の節句の食卓にも活躍します。ビタミンC含有量は野菜の中でもトップクラスで、ビタミンB群、カルシウム、リン、食物繊維なども多く含みます。
一方、洋種ナバナはアブラナとキャベツ類が交雑したものといわれ、日本に入ってきたのは明治時代になってから。花蕾とともに若い葉や茎も食べます。葉は濃い緑色で肉厚、キャベツに似たろう質の薄い膜で覆われ、甘みが強く、茎はシコシコとした食感です。栽培法は和種ナバナとほぼ同じですが、大きくなるので株間を広く30cm程度とります。
【1.コンテナなどの準備】
コンテナは、培養土が15L程度入る20×65×20cm程度の標準型のものを利用します。タネまき時は気温が高く害虫が多いので、「防虫サンサンネット」などで覆うとよいでしょう。
【2.タネまき】
タネまきの時期は品種によって異なります。早生種は8月下旬〜9月、中生種、晩生種は9月が適期です。
【3.間引き】
草丈が80〜100cmにまで生長するので、間引きを順次3回行い、しっかりと株間をあけます。いずれも、間引き菜はおいしく食べられます。
【4.追肥】
2回目と3回目の間引きのあとに、それぞれ化成肥料10gをコンテナ全体に追肥します。株が倒れないように株元に土寄せします。
【5.収穫】
蕾がこんもりと盛り上がってきたら、茎を10〜15cmつけてハサミで切りとります。花が開ききると茎がかたくなり、えぐみも出てくるので、蕾のうちに収穫してください。わき芽が伸びて何度か収穫できます。
【6.病害虫防除】
生育初期は防虫サンサンネットで予防するのが効果的です。寒くなると害虫の被害は減りますが、春先にアブラムシがつきやすいので、「オレート液剤」か「粘着くん液剤」を散布します。