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プランター菜園で野菜づくり

タマネギ

特徴

タマネギの原産地については諸説ありますが、私は、アフガニスタン近辺の中央アジアとする説を支持しています。栽培の歴史は古く、4000年を越えるものとされ、北イランからエジプトではかなり古い時代から食用として珍重されていました。

日本へ本格的に導入されたのは明治4年(1871年)といわれ、北海道や大阪、兵庫で栽培が始まりました。しかし、タマネギを収穫はしたものの、実は、当時の日本人の食生活にほとんどなじみませんでした。明治後年になって、南半球のニュージーランドなどタマネギが必要な地域へ、足りない季節に輸出されるという珍しい経過をたどった野菜です。

日本における古くからの産地は、前述の北海道、大阪、兵庫でしたが、戦後、食生活の欧米化によってタマネギの消費が伸び、それとともに北海道の栽培面積が急増しました。現在では全国一の産地となっています。

タマネギは、冬越しして育てる野菜の代表です(北海道を除く)。自然状態では、越冬して5月にネギ坊主の花が咲き、6月にタネができます。しかし、ネギ坊主が出てはタマネギ栽培として失敗になるので、花芽分化の条件を知っておく必要があります。

タマネギはある一定以上の大きさになると、寒さに反応して花芽を分化する性質があります(緑植物春化型)。したがって、植え付ける苗の大きさがトウ立ちに大きく関係します。また、鱗茎(りんけい)(球)の肥大には長日条件が必要で、春先から太り始めるのはそのためです。

近年は血液サラサラ効果が有名になり、生食するのが当たり前となりました。今やタマネギサラダは大人気です。

栽培方法

コラム タネまきと育苗

タネまき時期:9月中下旬に行います。早すぎると大苗になってトウ立ちしやすくなり、遅すぎると凍害にあって枯死する危険性があるので、適期を守るようにします。具体的に、早生種は9月上中旬、中生・中晩生種は9月中下旬、晩生種は9月下旬ごろを目安にタネをまくとよいでしょう。筆者が毎年作っていて、特におすすめなのが早生の「ソニック」、中生の「O・K 黄」、赤タマネギの「猩々赤」です。 コンテナの準備・タネまき水やり間引き追肥理想的な苗

【1.コンテナなどの準備】

コンテナは、20×65×20cmの標準サイズでもかまいませんが、できれば30×80×20cm程度の中型〜大型のものが理想です。

第1図コンテナなどの準備

【2.苗の植え付け】

早生で11月上中旬、中生・中晩生で11月中下旬、晩生種は11月下旬ごろが適期です。

第2図植え付け

【3.水やりと追肥】

水は土の表面が乾いたらたっぷりと与えますが、寒冷期はなるべく暖かい午前中に行います。
追肥は、コンテナ栽培の場合、2週間に1回の割合で行います。

第3図水やりと追肥

【4.病虫害】

無農薬で育てることもできます。虫を見つけたら早めに捕殺しましょう。

【5.収穫】

収穫した後、屋外で風乾して収納します。早生で5月上旬、中晩生で6月上旬からです。

収穫後は雨などが当たらない屋外に置き、風で乾かす。第4図収穫

【6.貯蔵する場合】

つり玉貯蔵をする場合は、雨の当たらない軒下など風通しのよい日陰につるしておきます。

第5図つり玉貯蔵