ピーマン&トウガラシ特集
パプリカは完熟果実を収穫するタイプです。
「フルーピーレッドEX」は果面のヒビ発生が極めて少ない、秀品率の高い赤パプリカです。果実の大きさは約120gのベル形で、よく揃い、糖度が高いうえ、ビタミンCやカプサンチンなど、栄養、機能性成分が豊富です。従来品種の「フルーピーレッド」と比べて、完熟しても果実のヒビ発生が少なく、果形の安定性に優れています。また、「フルーピーレッド」よりも草勢を強く改良してあり、作りやすく収量が上がるのも魅力です。
「フルーピーイエロー」は「フルーピーレッドEX」と同様、120g程度の黄色パプリカです。「フルーピーレッドEX」と栽培特性や果実形質がよく似ているため、赤、黄色のセットで栽培できます。
未熟の果実を収穫するタイプの一般的なピーマンです。
中型ピーマンでおすすめの品種は「京みどり」です。草勢が強く生育が旺盛で収穫量が多いのが特長です。また、草姿が立性で枝が垂れにくいため、誘引が容易です。果肉は薄めでやわらかく、中型ピーマンの中では食味に優れます。
中獅子ピーマンでは「ニューエース」をおすすめします。横張りのある獅子型の果形はボリューム感たっぷりで、中型ピーマンより大きいので、食べ応えも十分です。極早生で低温期の着果性が優れるため、初期からたくさん収穫できます。草姿もコンパクトで、栽培管理も容易です。
このタイプの品種は、豊かな風味が際立った品種が揃っています。
「甘とう美人」は、京野菜の「万願寺トウガラシ」タイプのF1品種です。万願寺トウガラシと比べ、低温期からの果実のつきがよく、分枝性に優れ、収量が多いという特長があります。草勢も強めで、枝が立性なため、誘引などの栽培管理が容易な品種です。「ししとう」「伏見甘長」は、果実のサイズは小さいものの、着果数が多く、ほぼ毎日のように収穫できます。
家庭用乾燥トウガラシの代表「鷹の爪とうがらし」は、4cm前後の小さな果実が房状にたくさんつく品種です。乾燥果の辛味は極めて強く、家庭用の調味料としておすすめです。
「まろから」は、熟果は紅色となり、乾燥して粗くくだいて香辛料として最適です。まろやかな辛みの中にも甘みと旨みがありキムチなどにもあいます。露地栽培でも育てやすくたくさんとれます。生食では緑の若い果実を収穫します。
「グリーンファイア」は、果皮はスムーズでつやがあります。多収性でサイズがよく揃います。果肉は厚く辛さの中にもジューシーさがあります。分枝力が旺盛で草勢が強く育てやすいです。やみつきになる辛さで、ピクルス漬けがおすすめです。
露地栽培での播種時期は、定植時期の5月上中旬より約65日さかのぼった3月上旬ごろです。128穴か200穴のセルトレイを用意し、タキイの「たねまき培土」など、市販培土に播種します。発芽するまでは地温を昼夜とも25〜30℃で乾燥しないよう管理し、順調にいけば播種から6〜7日で発芽が揃います。
本葉3枚目が展開し始めたら12cmのポットに移植します。タキイの「育苗培土」は肥料のバランスがよく、肥効も長いのでおすすめです。育苗温度は、株が大きくなるに従って、最低夜温を18℃から14℃へと徐々に下げていきます。そして定植前には、12℃まで下げます。
育苗には時間と専門的な技術を要しますので、初心者の場合、苗を購入するのもよいでしょう。「葉が黄色くなっていない」「枝が太く、がっちりしている」苗が良苗で、通販などで購入できます。
ピーマン類は、浅根性で土壌水分の増減に敏感なので、保水性と通気性のバランスのよい畑づくりを心掛けます。畑には完熟堆肥を1m2当たり3kgと苦土石灰60g、チッソ、リン酸、カリは成分量でそれぞれ20g、30g、20gを目安に施します。
定植時期は、遅霜の心配がなくなったころが目安です。定植適期苗のステージは、1番花の蕾が膨らんだころですが、若苗しか手に入らない場合、苗を購入後に育苗を続けるよりも、やや若くても早めに定植します。
1番果が膨らみきったころから追肥を行います。2週間に1度、粒状肥料軽く1握りを3株に分けて、株元から20〜30cm離して施します。また、ピーマン類は乾燥に弱いので、梅雨が明けて高温乾燥期を迎えたら、こまめに水やりします。追肥・水やりが遅れると草勢が低下し、枝伸びや果実の肥大が鈍くなって、収量が低下するので注意してください。枝が垂れる前にあらかじめ支柱などを用いて誘引してやります。 |
未熟果を収穫するタイプの品種については、収穫をできるだけこまめに行います。理想は2〜3日おきに収穫することです。収穫が遅れ、大きな果実をならせてしまうと、草勢が低下し収穫量が激減しますので注意します。
「鷹の爪」は実が赤くなってきたら1つずつ摘みとります。その後、ほとんどの果実が赤くなったら、株ごと抜き取り、雨の当たらない風通しのよいところで速やかに乾燥させます。