お手頃サイズのミニハクサイ

「お黄にいり」「プチヒリ」は、1玉が通常店頭に並ぶ4分の1カット(700~800g)サイズにあたり、1回の料理にちょうどいいサイズになります。冷蔵庫の野菜室にもぴったり収まり、使い勝手が極めて良好です。また、1枚の葉のサイズが小さいため、カットが容易でムダが少ないことも特長といえます。みずみずしさと歯切れのよさが特長の「お黄にいり」はサラダに、歯応えのある「プチヒリ」は炒め物がおすすめです。
3㎏程度の大玉ハクサイを収穫する場合、1 40cmの畝幅に条間50cmの2条植え、株間は40~45cmほどが基本となります。700~800での収穫を目指す「お黄にいり」「プチヒリ」の栽培では、同様の畝幅に条間25cmの3条植え、株間20cmの栽培となり、大玉ハクサイ4株のスペースに10株程度の栽培が可能です。
通常の大玉ハクサイは早生種といわれる品種でも、適期の直まき栽培でタネまきから60~65日程度を必要とします。これに対して「お黄にいり」「プチヒリ」の両品種は、直まき栽培でタネまき後50日、移植栽培では定植後40日と、非常に短い栽培期間で収穫できます。

あらかじめ、1m²当たり堆肥2kgと苦土石灰100gを施しておき、タネまきの7日前までに元肥として化成肥料150gほどを入れ、土とよくなじむように耕します。畝立ては土質によって高さを変えるとよいでしょう。水はけの悪い畑では、畝の高さを20cm以上、水はけのよい畑では10cm程度を目安としてください。畝幅140cm、床面90cmほどの畝を準備します。

直まき、移植栽培どちらでも栽培できますが、今回は直まき栽培をご紹介します。
条間25cmの3条、株間20cmで1カ所に3~4粒まきを基本とします。ただし、1kg程度での収穫を目指す場合、株間は30cmほどが適当です。直まきの場合、発芽を揃えることが良品収穫の第一歩となります。発芽を揃えるためには均一に覆土することがポイントになるので、覆土は均一に厚さ約1cmとなるよう、ていねいに行います。タネまきが終わったら、タネと土がなじむように水をやります。発芽までは畝の表面が乾かないよう適湿を保ちます。
間引きは2回に分けて行います。1回目は本葉2~3枚のころ2株に、2回目は本葉5~6枚のころに1株とします。全体として大きい株や小さい株を優先的に間引き、間引いた後に残る株が揃うようにします。2回目の間引きのタイミングで、1m²当たり100gほどの速効性の化成肥料を株元に施し、土となじませるように除草を兼ねて畝の表面を軽く耕します。 2回目の追肥は芯葉が立ち上がり、結球が始まるころに同量を追肥します。
タネまきの時期が早い場合、タネまき直後から害虫による食害が問題となります。畝立ての際に適用のある粒状の殺虫剤を土と混ぜる、播種直後から「サンサンネット」などの防虫ネットをトンネルがけして成虫の飛来を防ぐなどの対策をとりましょう。トンネル被覆の際は、ネットの裾を土に埋めると効果的です。また、食害による穴や幼虫を見つけたら、直ちに捕殺するようにします。

適期の栽培では、タネまきから50日ほど で収穫を迎えます。収穫適期の見分け方 として、「お黄にいり」はハクサイの頭 部を押すと1cm程度沈む8分結球から。 「プチヒリ」は頭部の詰まりがやや遅い ため、尻部を握って十分詰まっていれば 収穫期と判断します。両品種とも生育期 間の短さが特長であり、その分収穫適期 も短くなる傾向にあるので、遅れないよ うに収穫しましょう。