秋冬で植えたい個性派・珍しい野菜特集
作ってみたい話題の野菜が続々!
今年の秋冬シーズンは、ちょっと個性的な野菜にチャレンジしてみませんか。
見た目も味も新しい個性が光る野菜は、菜園のアクセントにぴったりです。
初めての野菜を育てる時は…
栽培のコツをつかむ
タネ袋や参考書をよく読みましょう。
恐れずチャレンジ!
失敗しても、反省が次シーズンの糧に。
家庭菜園の醍醐味は、スーパーなどの店頭には並ばないようなユニークな野菜を育てられることです。最近は、色や形が個性的な新野菜、新品種などをはじめ、話題の野菜が続々と登場しています。
個性派野菜は、“栽培期間が短くて早くとれるもの” “少しずつ長くとれるもの” “色や形が珍しいもの”など、家庭菜園に向く特性を備えています。調理しやすく、料理の幅を広げる効果も見逃せません。
従来の野菜に改良を加えて新しい魅力が引き出された品種を、秋冬の菜園プランに加えてみませんか。
芽キャベツ早生子持(わせこもち)
ここがおすすめ!
寒さに強く、栽培も簡単です。70〜80個とれるのは当たり前、上手に育てれば100個以上もとれますよ。
栽培のコツ
●株間50pで植え付け
株が大きくなるので、株間を50p以上あけて植え付ける。
●葉かき&追肥でわき芽を育てる
わき芽は葉の付け根にできる。わき芽が見えてきたら葉をかきとり、球を大きく育てる。生長に応じて数回に分けて葉をかき、上部の葉10枚程度を残す。収穫期間が長いので、2週間ごとの追肥を欠かさない。
コールラビグランドデューク
ここがおすすめ!
私の恩師に「世界一おいしい」とすすめられたのが、このコールラビ。煮込み料理は最高においしいですよ。
栽培のコツ
●15×20pのスペースでOK
草姿がコンパクトなので、株間20p、条間15pほどに密植できる。
●害虫予防に努める
アブラムシ、アオムシ、コナガなどの害虫が多いので、栽培初期から防虫ネットで覆って予防する。
●球茎が直径7〜8pのころ収穫
タネまきから約2カ月で収穫でき、大きさが直径7〜8pになれば適期。取り遅れるとスが入って、味が落ちるので注意。
ロマネスコグリーンアンブレラ
ここがおすすめ!
イタリアではポピュラーな野菜で、日本でも人気が高まっています。栽培方法はカリフラワーと同じです。
栽培のコツ
●育苗期の暑さと害虫に注意
ポット育苗がおすすめ。タネまきと育苗が高温期に当たるので、強い日差しと害虫を避けるため、寒冷紗(かんれいしゃ)や防虫ネットで覆う。
●株間は広めに
株が大きくなるので、株間を40〜50pあけて植え付ける。
●花蕾にたっぷり日を当てる
花蕾へ十分に日光を当てると、色づきがよくなる。
茎ブロッコリーグリーンボイス
ここがおすすめ!
最近の家庭菜園では、ブロッコリーをしのぐ人気です。茎を長くつけて花蕾を切ります。1株から15本程度とれますよ。
栽培のコツ
●ポット育苗がおすすめ
ポットにタネをまいて育てるのがおすすめ。育苗期間は約1カ月、本葉4〜5枚まで育てて定植する。
●生育初期は害虫対策を
害虫が多いので、防虫ネットで覆う。
●頂花蕾(ちょうからい)は500円玉大で収穫
側花蕾をたくさん伸ばすため、頂花蕾の直径が500円玉くらいの時に摘蕾(てきらい)する。その後は定期的な追肥で、肥料切れさせないように注意する。
ナバナ冬華(とうか)
ここがおすすめ!
タネを条まきし、間引きながら株間を広げて15〜20pにします。間引き菜も食べられますよ。
栽培のコツ
●タネまき適期を守る
太い花茎をたくさん伸ばすには、寒くなる前に大きな株に育てることが大事。9月中旬までにはタネまきを終え、株を充実させる。
●害虫に注意
害虫が多いので、株が小さいうちは防虫ネットをかけて予防する。
●開花前に収穫する
蕾(つぼみ)が大きく膨らみ、開花する直前に収穫する。手でポキリと折れる所は茎もやわらかい。
スイスチャード(フダンナ)ブライトライト
ここがおすすめ!
害虫の心配はほぼなく、周年栽培できます。葉柄の色を見ながら間引くと、カラフルになってきれいですよ。
栽培のコツ
●タネまき前に一晩浸水
タネの種皮がかたいので、まく前日に水につけて十分吸水させると発芽がよくなる。
●土壌酸度pH6.5〜7.0を目安に
酸性土壌を嫌うので、石灰分をやや多めに施し、pH6.5〜7.0に調整する。苦土石灰の場合は1u当たり150〜200gが目安。
●かきとり収穫をするなら株間20〜30pに
大葉をかきとり収穫する場合は、株間を20〜30pあける。
チンゲンサイ長陽(ちょうよう)
ここがおすすめ!
中国野菜の代表格で、油との相性は抜群!葉がやわらかいので、折らないように収穫しましょう。
栽培のコツ
●条(すじ)まき、点まきOK
条まき、点まきのどちらも可能で、最終株間の目安は15〜20p。間引き菜もおいしく食べられる。
●害虫対策をする
コナガ、アブラムシなどの害虫が多いので、栽培期間を通して防虫ネットをかけるとよい。
●15〜20pで収穫
タネまきから45〜50日経って、草丈15〜20pになったら収穫。
辛味ダイコン辛之助(しんのすけ)
ここがおすすめ!
青首ダイコンに次ぐ2品種目としておすすめ。栽培方法は同じです。新ソバの季節にあわせていかが?
栽培のコツ
●ていねいな土づくりを
また根を防ぐため、土の塊や小石などの異物を取り除いてよく耕す。
●株間約30pの点まきに
根を太らせるには、株間をしっかりあけるのがポイント。30p程度の間隔でタネを点まきし、適期の間引きで1本立ちにする。
●取り遅れに注意!
地際の根の直径が5〜10pが収穫の適期。取り遅れると、スが入って味が落ちる。
黄人参黄御所(おうごしょ)
加熱しても鮮やかな黄色はそのまま
タネまきと収穫の適期が広く、春まき、夏まきが可能。火を通しても変色せず、多用途に重宝する。
ここがおすすめ!
鮮やかな黄色が魅力です。風味がよいので、スティックサラダがおすすめです。
栽培のコツ
●タネは条まきに
1p間隔でタネをまき、ごく薄く覆土(ふくど)する。2〜3回の間引きで株間10〜12pに。
●発芽までは乾燥させない
タネまき〜発芽するまで、毎日水やりする。乾燥予防にもみ殻をまいたり、不織布をベタがけしてもよい。
●根の緑化を防ぐ
日光に当たると根が緑化するので、株元の土寄せを欠かさずに。収穫後も冷暗所で保存する。
ミニゴボウサラダむすめ
ここがおすすめ!
家庭菜園では短根種がおすすめ。春・夏・秋の三季まきができて手軽です。掘りたてをサラダでどうぞ。
栽培のコツ
●深耕に努める
根の長さは35〜45pになるので、深くよく耕す。堆肥(たいひ)や土の塊は細かく砕き、また根を防ぐ。
●覆土は薄く
好光性種子のため、光に反応して発芽する。タネにかける土は薄めにする。
●終株間は10〜15p
条まきも点まきもできるが、最後は株間を10〜15pに広げる。
間引き菜は香りのよい葉ゴボウとして食べられる。
- 藤田 智
- 恵泉女学園大学人間社会学部教授。NHKテレビ趣味の園芸「やさいの時間」の講師などでも活躍。