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アイスプラント特集

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アイスプラントの特徴

 アイスプラントは、南アフリカ原産のハマミズナ科(ザクロソウ科という場合もある)に属する新規野菜です。葉肉の厚い多肉植物で、生のまま食べると、プチプチとした独特の食感とちょっとしょっぱい塩味がするのが特徴です。
葉の表面には、キラキラ光る粒状の細胞(ブラッダー細胞)がありますが、この細胞に、土から吸収した塩化ナトリウムなどのミネラルを蓄積しています。
そのため、食べると塩味がするのです。その特徴を生かして、塩類濃度の高い場所の塩害対策や、砂漠化防止のための土壌改良に利用する研究が行われています。

きらきら光る粒々の葉、しょっぱい塩味が独特のアイスプラント。
きらきら光る粒々の葉、しょっぱい塩味が独特のアイスプラント。

日本でも普及し始めたアイスプラント

アイスプラントのプランター栽培。アイスプラントのプランター栽培。

 栄養的には、カロテンやミネラルを豊富に含む野菜といえます。生のままサラダで、あるいは天ぷらでなど、調理への利用も次第に幅が広がっています。近年、日本に新規導入された野菜なので、商品として売られる場合は、「バラフ」「プッチーナ」「クリスタルリーフ」などの名前で流通しています。販売されているものは水耕栽培が一般的です。家庭菜園では、栽培の過程で塩水を散布する必要があり、畑の塩類濃度が高くなってしまう可能性があるので、プランター栽培することをおすすめします。新規野菜といっても、テレビなどのメディアを通じて広報されているので、タネや苗は通販などで購入可能です。

おすすめの品種

 新規導入野菜なので、品種の分化は特に見当たりません。

アイスプラントの育て方 苗からの栽培

1コンテナなどの準備

コンテナは、培養土が14L程度入る、20×65×20cm程度の標準型プランターを利用します。

コンテナなどの準備(図)

2苗の植え付け

 苗の植え付け適期は、春は3月下旬〜6月、秋は9〜10月です。しかし、暑さに比較的強いので、苗が販売されていれば11月〜3月の寒冷期を除いて年中栽培が可能です。
また、霜の当たらない所に置けば、枯れずにそのまま生育し冬越しできます。

苗の植え付け(図)

3水やり

 土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりをしますが、根腐れ防止のために、水のやりすぎには注意します。

4追肥

 植え付け後2週間に1回の割合で、追肥を行います。

追肥(図)

5塩水の潅水

 塩水を与える方法には2種類あります。1つは、草丈が20cm程度に育ってきたら、0.7〜8%の濃度の塩水を潅水代わりに施します。潅水は、土の表面が乾いてきたころを目安とします。もう1つには、2%前後の塩水を作り、2週間に1回水代わりに施す方法もあります。いずれにしても、塩水を与えないと塩辛くなりません。

塩水の潅水(図)

6病害虫防除

 害虫では、アブラムシには、オレート液剤、アオムシ、コナガにはトアローCTフロアブルなどを散布します。また、寒冷紗などでプランター全体を覆うと無農薬栽培も可能です。

7収穫

 収穫は、苗の植え付け後45日ぐらいから始められます。

収穫(図)

タネからの栽培

 アイスプラントはタネからも育てられます。3月下旬〜5月に、プランターに25〜30cm間隔でタネを点まきにします。草丈が20cmに育ったら、塩水を与え、塩味を出しつつ収穫の準備を行います。それ以降は、通常のプランター栽培と同じ育て方をします。

タネからの栽培(図)

意外に美しいアイスプラントの花

 私はアイスプラントを3年ほど栽培しています。
ビニールハウス内で越冬させますと2〜3月に花が咲いてきます。これが意外と繊細で美しいのです。アイスプラントを育てましたら、冬は室内の日当たりのよい所に移し、開花させるとその楽しみも倍増します。

アイスプラントの花

藤田 智

恵泉女学園大学 人間社会学部 人間環境学科教授
秋田県生まれ。恵泉女学園大学 人間社会学部 人間環境学科教授。
専門は野菜園芸学、植物育種学、農業教育学。「NHK 趣味の園芸」講師などで野菜作りの魅力を伝える。著書に「別冊NHK趣味の園芸・わが家の片隅でおいしい野菜を作る」(NHK出版)など多数。

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