ほうれん草の旬の季節はいつ?品種別にご紹介!
ホウレンソウは秋〜冬が「旬」で、最も栽培しやすい時期です。
特に、霜に当たって寒じめになると甘みと栄養分がぐっと増します。
秋口から数回に分けて播種をすれば、秋〜春の長期間、毎日食べたい分だけ収穫を楽しむことができます。
今回は、新発表の食味がよい「弁天丸」と、秋冬どりでおすすめの「アクセラ」「エリナ」をご紹介します。
食味がよく収穫しやすい秋冬どり種
弁天丸は栽培のしやすさや品質のよさはもちろん、食味にもこだわって育成した品種です。えぐみ(アク)が少なく、特に葉柄部の糖度が上がるため、さっぱりとした甘みのある味わいで、お浸しやバター炒めでおいしさが引き立ちます。
草姿は極立性で収穫時の葉の絡みが少なく、葉柄が肉厚でしなやかで折れにくいため、収穫がスムーズに行えます。収穫作業のしやすさは、まとまった出荷をされる直売所向けの方にも喜んでいただけます。
また、厳寒期の栽培で発生する葉柄の割れや傷みが起こりにくく、葉面はスムーズな色つやのよい濃緑色なので、質の高いホウレンソウが収穫できます。低温伸長性があり、じっくりと生育が進むため、おいしいホウレンソウを長期間収穫したい方に最適な品種です。
株張りがよくボリューム満点な年内・春どり種
アクセラは紹介する3品種の中で最も生育が早く旺盛なため、栽培しやすく、家庭菜園ビギナーの方や収量重視の方におすすめの品種です。葉も軸もよく肥大するので、株張りがよくボリューム満点のホウレンソウが収穫できます。
また、気温が上がる春先で問題となる“トウ立ち”が比較的遅いので、秋〜年内の収穫だけではなく、春どり栽培ができるなど、播種期幅が広いことも特長です。
収穫しやすく、極濃緑の秋冬どり種
弁天丸と同様に、草姿が極立性で葉柄がしなやかなため、収穫作業が容易に行えます。また、葉色は極濃緑色、葉面はシワが少なく平滑で、葉枚数も多いため、特に冬どりでは株張りのよい美しいホウレンソウに生長します。弁天丸より生育はゆっくりしており、収穫も長い期間楽しめます。
- エリナ
- べと病レース1〜7抵抗性の秋冬どり種。草姿は極立性で、収穫時の葉の絡みが少ない。葉柄はしなやかで折れにくいため、作業性に優れる。葉は色ツヤのよい極濃緑で、葉揃いがよい。(丸粒種)
畑の準備
あらかじめ1m2当たり完熟堆肥2kg、苦土石灰100gをタネまきの1カ月前までに施し、よくなじませておきます。未熟の堆肥は苗立枯れ病の菌の増殖が心配されますので、必ず完熟した堆肥を用います。タネまきの前に元肥として1m2当たり化成肥料をチッソ成分が20〜25gになるように施し、よく混ぜておきます。ホウレンソウは過湿を嫌うので、排水溝をつくるなど、水をためない工夫をしましょう。
タネまき
畝の表面は凹凸がないようによくならしておきます。条間15cm、深さ2cm程度で均一なまき溝をつくり、1〜2cm間隔でタネまきします。生育を揃えるために多めにタネをまき、適期に間引きすることをおすすめします。まき溝を土で覆い、しっかり鎮圧して水をたっぷりやります。発芽までは適湿を保つことが大切です。地温が低い冬まきでは、タネまき後に不織布のベタがけなどで地温を確保すると発芽揃いがよくなります。
間引き
本葉が4枚展開したところで間引きを行い、株間を揃えます。
追肥
10月下旬〜12月のタネまきでは、生育期間が長くなるため追肥を行うことをおすすめします。草丈10〜15cmのころに速効性化成肥料を1m2当たり約20g、条間に施します。
収穫
草丈25〜30cmを目安に、根元をカマやハサミで切りとります。
寒じめ栽培は寒さに耐えるため、糖を蓄積する特性を利用して、あま〜いホウレンソウを栽培する方法です。冬場が特に寒い地域では「弁天丸」を使った寒じめ栽培に挑戦してはいかがでしょうか。葉軸をかじってみるとその甘さに驚きます。
栽培はトンネルを利用し、平均気温が5℃以下になる時期までに草丈20cm以上まで、通常の温度管理で生育を進めておきます。その後、終日サイドを開放し低温にさらしてください。糖度が上昇するには2〜3週間程度かかりますので、十分低温にあて、甘みが増したものを適宜収穫していきます。