- 春・夏作兼用の五寸タイプ
- ‘向陽二号’の最大の特長は、夏まきばかりでなく春まきもできる、作型幅の広さです。このような特性を持っているので、日本で最も多く栽培されている品種です。また晩抽性に優れているので、春まきでも安心して栽培できます。
- 土質を選ばず作りやすい
- ‘向陽二号’は比較的土質を選ばないので、プロの生産者からも大変作りやすいと好評です。また排水の悪い畑では、ニンジンの肌の表面に黒いシミ状の腐れが発生することがありますが、‘向陽二号’はそれらの発生も少なく、安心して栽培できます。
- ニンジン臭が少なく、食べておいしい
- ‘向陽二号’が発売されるまでは、ニンジン嫌いの子どもが多かったものの、発売後は少なくなったという話を聞きます。その理由は‘向陽二号’のニンジン臭は少なく、食べておいしい品種だったからです。
- 畑の準備
- 基本的にはダイコンと同じです。場所を選んで元肥を入れ、畝立てはダイコンの項を参考にしてください。
ダイコンと違うところが2点あります。1つ目は、ニンジンの場合は株間が狭いため、マルチ+トンネル栽培より、マルチなし+トンネル栽培が一般的です。マルチ栽培をする場合は、スリットマルチのように穴が連続しているようなマルチを使用するか、穴あきマルチを使用してください。マルチはタネまきの数日前までには張り終えて、十分に地温を上げておきます。
2つ目は、土壌水分です。特にマルチなし栽培の場合は、土壌表面が乾きやすくなります。タネをまく前に、よく畑を湿らせておきましょう。 - タネまき
- ニンジンが発芽するには、ダイコンより多くの水分が必要です。したがって、タネまき前後の水管理には気を配ってください。特にコート種子の場合はなおさら、発芽には十分な水分が必要です。
- トンネル栽培での温度管理
- 春にニンジンのタネをまく場合、被覆栽培をすることが肝心です。何もしなければ、発芽までに時間がかかりすぎたり、発芽しても寒さ傷みで枯れてしまったり、温度が低すぎて根が短くなったり、太らなかったりします。また、ダイコンはタネまき直後に低温にあうと抽苔する危険性がありますが、ニンジンの場合は本葉5〜7枚目ごろに低温にあうと抽苔する危険性が高まります。したがって、タネまき直後からビニールなどで被覆して保温することで、抽苔を回避し、生育を促進させます。
トンネルの温度管理は、本葉7枚目ごろまでは30℃を超えないようにしてください。それ以降は肥大を促進し、根色の着色をよくするために、25℃を超えないようにします。外気の平均気温が12℃になった時には、風のない曇りの日をねらってトンネルを除去してください。 - 収穫
- ダイコン同様、収穫期には温度が高くなっており、収穫適期の幅は狭くなっています。収穫の遅れは割れや腐れのもとになるので、畑に長く置くのはやめましょう。