- 1.タネ球の準備
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タネ球を購入したら、1片ずつ分けておきます。
※食用のニンニクは発芽抑制されているため使わない。
- 2.植え付け
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まずは土の準備です。植え付け予定地に石灰をまき、土となじませておきます。その後、堆肥を土に混ぜ合わせます。株間15cm程度とし、芽を上にして深さ4〜5cmに植え付けましょう。この時、なるべく大きめの鱗片を選びます。大きな鱗片ほど生育、収量が期待できます。
野菜は体にいいからと食べてはいても、その効果を得られているのか気になる方も多いはず。 せっかく野菜を食べるなら、その野菜の持つ機能性を十分に活用して、おいしく食べたい。 今回は、食べて元気になる野菜といわれるニンニクとアスパラガスについて、機能性やそれを生かす方法、育て方のコツなどをご紹介します。実は案外簡単に育てられるので、ぜひ家庭菜園で育てて、新鮮な素材を食事にどんどん取り入れましょう。
料理の味を引き立てる万能薬味!
スタミナ食材としておなじみのニンニク。体にいいだけでなく、
その風味や辛みから、さまざまな料理に用いられることが増えました。
ニンニクは、タマネギやラッキョウと同じユリ科ネギ属の植物です。その栽培の歴史は古く、古代エジプトでもピラミッド建設の労働者にニンニクを配給していたという記述があるほど。そして今のように脚光を浴びるようになったのは、1990年にアメリカ国立がん研究所が発表した「がん予防効果が期待される食品ピラミッド」で、ニンニクが頂点に立ったことがきっかけでした。
特に健康効果を発揮するのは、ニンニクの独特な香り成分であるアリシンです。アリシンは抗菌作用や疲労回復効果、滋養強壮などに優れています。しかしこれはニンニクに元々含まれている成分ではありません。アリインという物質に酵素が働くことによって作られたもの。ニンニクを刻んだり傷つけたりすると酵素の作用で作られる成分なので、アリシンを作り出しやすい状態にして、その機能性をより一層引き出すことが大切です。そのためには、調理の際は丸ごとではなく、細かく刻むか、すりおろすなど、ひと手間加えて使うとよいでしょう。
主に食用とされるのは鱗茎と呼ばれる、地下茎が肥大した部分です。そのほか、葉や茎(いわゆる「ニンニクの芽」)も香味野菜として、さまざまな料理に利用されています。
ニンニクの栽培には広い畑が必要だと思われる方も多いのですが、実は栽培方法はとても簡単なので家庭菜園でも可能です。植え付け用のタネ球には、種苗会社の通販や園芸店などで購入できるタネニンニクを利用しましょう。食品スーパーで販売されているような食用ニンニクは、長期間流通させることができるように発芽抑制されているので使用できません。
ただ、栽培時に気をつけなければいけないのが、花を咲かせないこと。春に茎先につく花を咲かせてしまうと、肝心の鱗茎が大きく育たなくなってしまうのです。花が咲く前に、茎の途中から折りとりましょう。とった部分は捨てずに「ニンニクの芽」としておいしくいただけます。
粒が大きく白色の“ホワイト六片”が育てやすくおすすめです。においが少ない“無臭にんにく”はにおいが苦手な方にぴったり。そのほか、外観が美しい紫色の皮の“紫にんにく”、煮込み料理や肉料理に向く1鱗片50〜80gにもなる大型種“ジャンボにんにく”、そして葉にんにくでは従来種に比べ、葉がやわらかく甘みがある“グリーンスワンミャオ”があります。
鱗茎が大きくなるように小さな芽を刈りとる、そして花を咲かせないように注意すれば、ニンニクの栽培は実に簡単です。
タネ球を購入したら、1片ずつ分けておきます。
※食用のニンニクは発芽抑制されているため使わない。
まずは土の準備です。植え付け予定地に石灰をまき、土となじませておきます。その後、堆肥を土に混ぜ合わせます。株間15cm程度とし、芽を上にして深さ4〜5cmに植え付けましょう。この時、なるべく大きめの鱗片を選びます。大きな鱗片ほど生育、収量が期待できます。
葉かきは、鱗茎を大きく育てるための大切な作業です。芽がたくさん出てきたら、芽かきをして1本仕立てにします。
追肥として、発芽から1カ月後(11月下旬)と春先(2月中旬〜3月)に、化成肥料を1m2当たり30g程度施します。施肥と同時に、土寄せも行います(生育に合わせ、また追肥が必要なら4月にも施す)。ニンニクは春先からチッソとカリ成分の吸収が多くなるので、それらを多く含む肥料がよいでしょう。
冬季は地上部が枯れますが、春にはまた芽を出すのでそのままにしておきましょう。春になると伸びた茎の先に花をつけるので、花が咲かないように茎の途中から折りとります。
茎葉の3分の1から2分の1が枯れてきたら、収穫期です。できるだけ天気のいい日に株ごと抜いて収穫します。あとは葉と根を切りとり、風通しのよい場所に保存しましょう。
簡単な調理でおいしく、彩り豊かな食卓に!
生で食べる、ゆでる、煮る…簡単な調理でおいしく、
そして料理の彩りとしても映えるアスパラガス。
最近では、その健康効果も注目されています。とれたてなら甘みがあり、
お店で買うのとは違ったフレッシュな味わいを楽しむことができますよ。
アスパラガスは、多年生のユリ科クサスギカズラ属(アスパラガス属ともいう)で、南ヨーロッパからロシア南部が原産地です。「たくさん分かれる」「茎葉が非常に細かく分岐している」というギリシャ語が語源で、新芽という意味を表します。葉や枝が出る前の若芽と茎を食用とします。また、この食する部分を若茎といいます。
日本へは江戸時代、オランダ人によって伝えられました。当時は主に観賞用で、大正時代に北海道で本格的な栽培が始まりました。
近年、アスパラガス特有の苦みやうまみ成分にさまざまな効能があることが研究され、健康野菜としても注目されています。なかでもアスパラギン酸というアミノ酸の1種を豊富に含んでいます。この成分はアスパラガスから発見されたことから命名され、疲労回復、スタミナ増強に効果があります。栄養ドリンク剤などにも利用されている栄養成分です。
ほかにも、穂先部分に多いグルタチオン、β-カロテン、ビタミンC、E、B群などを豊富に含んでいます。
アスパラガスは手入れがそれほど難しくないのに、栽培を始めると10年以上毎年収穫できる、といううれしい野菜です。ただ、気をつけなければいけないのは、収穫時に根元から引き抜かないこと。根元はしっかりと残して、草刈り鎌やハサミを使って収穫します。収穫がひと段落したら、そのまま枝を茂らせます。こうすることで翌年には太い芽が増え、収穫量が増すのです。
グリーンアスパラガスと缶詰などでおなじみのホワイトアスパラガスとの違いは、品種ではなく実は栽培方法にあるのです。
ホワイトアスパラガスは、若芽に光が当たらないように土寄せをして軟白栽培したもの。芽が地上に出ないうちに根元から切りとるので、黄白色なのです。栄養価はグリーンアスパラガスにはかないませんが、やわらかな食感で香り高いのが特徴です。そしてそのまま光を当てて育てれば、グリーンアスパラガスになります。
私のおすすめは、生育旺盛で1株当たりの出芽数が多く、初期収量の多い“シャワー”です。そのほか、普通のアスパラガスより大型サイズの“ジャンボアスパラガス”、甘みが強くサラダなど生食に向く“サラダアスパラ”、赤茎で甘みが強く加熱すると緑色になる赤茎アスパラ“サンタクロース”などがあります。
アスパラガスは苗から育てるほうが簡単です。タネから育てると、芽が出るまでに数週間、そして収穫は栽培2年目からとなります。家庭菜園で栽培するなら、翌年から収穫できる苗からスタートしましょう!
苗は、種苗会社の通販や園芸店などで購入できます。時期によりポット苗で売られている場合もありますが、長い根がむき出し状態の「裸根」と呼ばれるものが一般的で、裸苗の名で販売されている場合もあります。根が乾いていないもの、長く伸びて傷みのないものを購入しましょう。
まずは土の準備です。アスパラガスは酸性土を嫌う性質があるので、植え付け前には石灰で土を中和するのを忘れずに行いましょう。深く根を張るので、一年草の野菜よりも土を深く(50〜60cm)掘り返し、堆肥や化成肥料をしっかり混ぜ合わせます。株間30cmで、裸根の芽の部分が隠れるように深めに植えます。ポット苗を使う場合も、やや深植えにしましょう。
根元はしっかり残して収穫するのが基本です。若芽が長さ25cmほどに伸びたら、切って収穫します。7月になると収穫を止めて、そのまま茎葉を茂らせます。次第に草丈が高くなるので、支柱を立てて追肥を施します。この時期に株をよく太らせることが、翌年の収穫を左右します。そして秋になり地上部が枯れたら、お礼肥として堆肥を施します。翌春、再び芽吹きます。