- ●ユリ科の秋植え球根
- ●花期:3〜4月
- ●草丈:10〜15cm
ムスカリ ラティフォリウムの園芸種。濃い紫からトップの白へグラデーションがとてもきれいで、小さな花ながら目を引く花姿です。個性的ながら上品な紫が基調なので、ほかの花色ともあわせやすいのも魅力。また、葉は幅広で、伸び始めるのが比較的遅いので、花姿が乱れることなく楽しめます。
春から初夏に咲く宿根草は個性豊かな花が魅力です。一方で開花期が短いものも多いので、観賞期間の長い茎葉に着目し、形や質感のおもしろいものも積極的に取り入れています。充実した花が楽しめるよう、春から初夏咲きの苗は前年の秋から植え込むようにしています。開花期までは葉だけを見ることになるので、手前にビオラなど秋から開花し続ける一年草を加えたり、宿根草より早く開花するチューリップを株間に植え込んで見どころを増やすのもおすすめです。宿根草は花姿に加えて草丈、草姿もさまざまなので、個々の要素が異なるものを組みあわせ、互いが引き立つ配置を考えることが大切です。品種ごとに3株以上をグルーピングして植えると、花の個性をしっかりアピールできます。春の季節感によく似合うのが淡いトーンの花色です。淡いトーンをベースにすると色を重ねてもうるさくならず、まとまりやすくなります。さらに濃い色や反対色をアクセントに少量加えると、メリハリがついてより印象的な庭になります。
ムスカリ ラティフォリウムの園芸種。濃い紫からトップの白へグラデーションがとてもきれいで、小さな花ながら目を引く花姿です。個性的ながら上品な紫が基調なので、ほかの花色ともあわせやすいのも魅力。また、葉は幅広で、伸び始めるのが比較的遅いので、花姿が乱れることなく楽しめます。
ブルー系の花色は初夏の庭づくりに毎年欠かさず選んでいます。暖地でも育てやすく、秋に植え付ければ、初夏に立派な花を咲かせることができます。大輪八重咲きの大きな花穂は迫力満点で、庭の後方に数株まとめて植えると、立ち上がる花穂の姿がより強調されます。
ピンクとブラウンが交ざりあうような色あいがおしゃれな印象。八重咲きでボリューム感もあって、花色をしっかり楽しめます。中間的な色あいなのでどんな花色の草花ともあわせやすく、また、チューリップ同士であわせると、花色の個性がより極立ちます。
コレオプシスの中でも大輪の「ビッグバン」シリーズの一つ。初夏はクリーム、秋になるにつれ花びらの中央と縁にパープルが入り変化します。花後切り戻すことで、初夏から秋にかけて繰り返し花を楽しめます。よく枝分かれして花つきがいいので、ほかの草花とのつなぎ役に最適。茎がしっかりしているので支柱いらずなのもうれしい!
つやのある鮮やかなイエローの中斑が目を引く品種で、葉の表面の凸凹のある質感も魅力的な美しいカラーリーフ。立ち上がった細い茎に咲く白花はしっかりと開き、香りも楽しめます。葉は中型で、株は直径80cmほどになり存在感があるので庭の見せ場に植えたいホスタです。
春から初夏は花の季節。絶対に花を咲かせたい気持ちから、上手に咲かせた経験のある花など毎年同じものを選んでしまう方も多いと思います。でも、それでは新鮮さに欠けてしまいます。新しく登場した花は栽培が難しいんじゃないかと懸念しがちですが、そんなことはありません。「難しい」というエッセンスを取り除くのも品種改良の目的の一つですから、栽培が容易な品種が多いのです。気に入った新品種は積極的に取り入れて、庭に新鮮さをもたらすよう心掛けてください。もし庭植えにするのが心配なら、まずはコンテナの寄せ植えで、新しい花の性質を試してみるのもよいと思います。私はよく寄せ植えを作りますが、花色あわせに迷った時は引き算することを心掛けています。このテーマにあわない色はどれ?と考え、それを省いていくと、自然にテーマに適した色が残ります。
今回は定番の植物だけれど、まだ知られていない新鮮な品種を選んでみました。庭に訪れた人が振り向いてくれるような花色、花形の5種です。
チューリップというと幅広の花びらでふっくらしたカップの花形を思い浮かべますが、この品種は花びらが細く、しかも波打っていて風に揺れているような動きを感じさせます。周囲に派手な色をあわせてもこの花形は無言で存在感を示してくれます。花もちがよいのもうれしい!
見た瞬間「これ絶対に欲しい!」と思ったのがこのスイセンです。スイセンといえば白か黄色が定番ですが、中にはサーモンピンクなどの変わった色もあり、これを「ピンクズイセン」と呼んでいますが、私はそのピンクズイセンの色に憧れています。内側のカップもトランペット咲きとは思えないほど大きく反り返り、最高におもしろいパフォーマンスの品種です。
テッセンの交配種で、今年から本格的に出回り始めた新しい品種です。テッセンの枝変わり「白万重」は白と緑の色変化ですが、これは白を紫に置き換えた感じです。節々に次いで咲いていくので、とても花つきがよく、1輪が1カ月くらいもつので、見る度に花色が変化して、全体のグラデーションも少しずつ変わっていきます。クレマチスを初めて育てる方にもおすすめの育てやすい性質です。
一般的なペルシカリアは明るい青葉ですが、この品種は輝くような黄金色。この葉色を見たとたん「うちにつれて帰ろう」と決めていました。宿根草は花が咲かない時期は地味な存在のものが多いのですが、これは美しい葉色が4〜11月まで楽しめます。黄金葉を背景に赤い花が咲いた時のコントラストは見事。
個人的にヒューケラが好きで品種を集めていますが、これほどまでに鮮烈な赤の葉色はほかにありません。もちろんひと目惚れで入手しました。濃オレンジ色の葉は夏にはさらに赤みを増します。ヒューケラというとシェードガーデンに植えるイメージがありますが、むしろ日なたの方がよく育ちます。もっと積極的に日なたで使ってほしいカラーリーフです。
横浜イングリッシュガーデンの管理のほか、個人邸の庭づくりの仕事もしていますが、施主から一番多いオーダーが「ローメンテナンスで華やかな庭」です。これが最近のガーデニングの傾向でしょう。以前はどんな植物が庭に欲しいか、などを聞いて庭づくりのコンセプトを決めていましたが、最近では「庭の管理にどのくらい時間を掛けられるか」を聞いて植物選びをしています。手間が掛けられないなら、植え替えの必要な一年草は外してカラーリーフの宿根草や低木などを多くするとか。それなら年に2回ほどハサミを入れるだけで管理ができます。ただ、日本には四季があり、植物は四季折々の美しさを見せてくれるので、その季節にしか見られないシーンはぜひ庭に取り入れるべきだと思います。春先の球根類や初夏に咲く宿根草など、計画性をもって取り入れれば、手間も掛からず楽しむことができます。ただし、品種が豊富なチューリップに関しては迷い出すと決められなくなるので、第一印象で気に入ったものを選ぶのがおすすめです。
直線的に伸びた茎に濃青紫の花が密に咲く宿根タイプのサルビアで、茎がきれいに揃う整った草姿が魅力。初夏から咲き始め、秋まで花が続くのでボーダーガーデンの定番花におすすめです。花が一段落したら、茎の根元から切り戻すと再び花が咲きます。
咲き始めは濃紅色で、次第に白の斑が入る品種で、よく分枝して花がたくさん咲いてくれます。どんな花をそばに植えても自然になじんでくれるのがこの花の魅力。周囲の花に溶け込みながらも、この花のよさはきちんとアピールしている、まさに名脇役です。ブルー系の花との混植もおすすめです。
白×緑の「スプリンググリーン」はナチュラルで人気ですが、これはその色違いで白地に赤の縞が入ります。遠目に見ると「あれもチューリップ?」と一瞬疑うような意外性がある品種です。コンテナに単植してテラスなどに置いてもアクセントになります。
従来のガウラは草丈が1mを超すくらいまで伸びますが、これは草丈が低く、株もコンパクトにまとまります。純白の大きな花が美しく、葉の間隔が密なのですっきりとした緑が美しく見えます。庭植えの場合、根付いてしまえば水やりの必要もそれほどないくらい丈夫な性質です。
この花が植わっているだけで、庭がナチュラルに見えるから不思議です。例えば池の縁に植えて、湖面に草姿を映すみたいな工夫をしてもおしゃれです。暑さにも寒さにも丈夫な性質で、特に夏の暑さの中でも花が続くのが魅力です。株が乱れたら枝をカットするだけの剪定でかまいません。
ここ数年のトレンドとして、紫と緑にオレンジ色を散らした、かわいらしく元気な色の植栽をよく見かけます。夏の太陽にもよく映え、見るだけでワクワクする色彩のコントラストです。一方、このところ私が惹かれるのが、大人かわいい花色。単色の白だけではなく、ほんのりピンクや淡いライムグリーンが入っていたり、また、少しシックな色など。かわいらしさと、凛とした美しさをもつ色です。今年5月にイギリスで開催された「チェルシーフラワーショウ」でもシックな「大人色」のオレンジ色をよく見かけました。そこへ春に多い淡いトーンの花色を加えると、色あわせの幅がぐんと広がります。また、葉の形や色、株姿が異なるタイプを入れると、庭の引き締め役として効果的。そんな視点から5点をセレクトしました。色彩のコンセプトは「ほんのり」。ほのかな優しさが漂う庭をイメージしました。秋〜冬は土壌、植え付けなどの準備を終えます。年明けごろから少しずつ芽吹いてくる植栽があると、春を待つ楽しみを日々実感できます。
咲き始めは黄色で、次第に白色に変化していきます。反り返る花弁は名前の通り羽のようで、動きのある美しい表情を見せてくれます。ワスレナグサなど小花があふれ咲く中にこの白いチューリップが咲く景色は春らしいさわやかさがあります。
その名の通りイルミネーションのような鮮やかに色づくジギタリスで、従来のジギタリスに比べると草丈が低めなのが特徴です。タネがつきにくいので長く花を楽しめるのも魅力。主張のある明るい色彩を、高さや奥行きなどを際立たせたい時に使うのもよいでしょう。
初秋まではシルバーグリーンのしなやかな葉を楽しみ、初秋になると淡い紫赤色のスモーク状の繊細な穂がついて華やかな雰囲気に。庭にやわらかさが欲しい時にはグラス類を使うと効果的ですが、夏に向けて姿とともに色づきも大きく変化するこの品種は、特に表情豊かでおすすめです。
春に咲く球根のアネモネとは種類が異なり、初夏から秋まで花が続くハイブリッドタイプのガーデンアネモネ。白い花弁の裏に入った紫の色が印象的。周囲に花を置かず、この1株を際立たせるよう植えると、茶花のような凜とした雰囲気が楽しめます。和のテイストの石やオブジェとの相性も抜群。
英名は「キャットテイル」。ネコのしっぽのような花穂の上に向かって順に小花が咲いていきます。「アイボリーホワイト」は清潔感のある白花、「あけぼの」はオレンジ色がかったピンクと白のグラデーションが楽しめます。さまざまな花が咲く春の庭でのこのすっきりとした花姿と色彩はよく映えます。