ここがおすすめ!
病気に強く、食味抜群。寒じめすると葉柄に甘みがのりおいしくなります。草姿が立性で、収穫がしやすいです。
ホウレンソウやコマツナは、厳寒期の寒さにさらされることによって見ためも味も大変身。葉は厚く緑が濃くなって、ぐんと甘くおいしくなります。今年の冬は、寒さを利用した寒じめ栽培に挑戦してみませんか?
ホウレンソウやコマツナは、初心者でも作りやすいお手軽葉物野菜です。周年栽培されていますが、本来の旬は秋〜冬にかけて。寒さに強くて冬でも育てやすく、冬場に不足しがちなビタミン類を豊富に含むのが魅力です。
「寒じめ」は、トンネル被覆をして、ある程度の大きさにまで育てた株を、厳寒期にトンネルを開けて寒さに当てる栽培法で、より糖度が上がり、味わいも増します。その理由は、凍結を防ぐために植物体内の水分を放出して糖分を蓄積するとともに、水分が蒸散することで細胞中の糖分が濃くなるからです。濃緑の葉は縮れて分厚くなり、寒風を避けるため、地面に寝たように広がります。歯触りがよく甘みが増して、やわらかくおいしくなります。
寒じめ栽培に向くのは、ホウレンソウ、コマツナのほか、チヂミナ、タアサイなど、耐寒性の強い葉物です。タネまきの適期は11月。ポリマルチと有孔フィルムで保温し、収穫の2〜3週間前にトンネルを開放して寒さに当てます。
タネまき1週間前に1u当たり苦土石灰100〜150gを施し、よく耕しておく。タネまき当日に1u当たり完熟堆肥2s、化成肥料(8・8・8)100gを施して耕す。畝幅を60〜70pとって畝を立て、条間・株間とも約13p間隔でまき穴のあいた黒色のポリマルチを張る。
ポリマルチは「穴あき黒マルチ」のような、主にタマネギ栽培で使うものが使いやすくて便利。
タネを1穴につき5〜6粒まいて覆土し、水やりする。有孔フィルムをトンネル状にかけて保温する。
本格的な寒さが訪れる前に株を大きく育てておくため、ポリマルチと有孔フィルムのダブル保温がおすすめ。
双葉が展開してから本葉1〜2枚になるまでの間に、1カ所3〜4本に間引く。
タネまきから3〜4週間後、まき穴1カ所につき3〜4gの化成肥料を与える。さらに3週間後、株の様子を見て同量を与えてもよい。
草丈が15〜20pになったら、トンネルの両サイドを開けて寒さにさらす。
糖度を上げるには2〜3週間かかるので、十分な期間、低温にさらす。
葉がロゼット状に広がって厚みを増してきたら、いつでも収穫できる。株元から切りとる。
冬季の栽培期間は45〜60日。適期栽培に比べて1.5〜2倍の日数がかかる。
従来品種の約1.5倍のルテインを含む、「ファイトリッチ」シリーズの人気品種。寒じめするとルテイン含有量はさらに上昇。
病気に強く、食味抜群。寒じめすると葉柄に甘みがのりおいしくなります。草姿が立性で、収穫がしやすいです。
秋冬まきの定番品種で低温伸張性がよく、寒じめにすると甘みが増しておいしくなる。根の張りがよく、ボリュームのある大株に育つ。
四季を通じて栽培できますが、特に秋冬どりのおいしさは格別。霜にあたった葉柄はやわらかで甘みたっぷりです。