こだわりおやじの園芸知恵袋
バラの専門家によると、バラの香りにはダマスク(クラシック、モダン)ティー、フルーティー、ブルー、ミルラ、スパイシーの7種類があるそうです。嗅覚に自信がない私にはその差が分からず、すべてよい香りとしか言いようがありません。私たちが普段使う言葉の中には、香りを適切に表現するものが少ないように思います。
周りにごく普通にある身近な植物の中にも、切り花や鉢植えで気軽によい香りを楽しめる植物があります(表)。
種類 | 植物名 |
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草花 | アリッサム、キンギョソウ、キンセンカ、スイートピー、ストック、ナデシコ、チェイランサス、パンジー、ビオラ、ヤグルマソウ、リナリア(ヒメキンギョソウ) |
宿根草 | カーネーション、キク、ギボウシ、スズラン、ラン類 |
球根 | スイセン、チューベローズ、ヒヤシンス、フリージア、ユリ |
花木 | ウメ、キンモクセイ、クチナシ、ジンチョウゲ、バラ、ロウバイ |
バラ‘シャルル・ド・ゴール’は、ダマスク・モダンとティーが混ざり合ったような独特の香り。
花よりも葉に香りを持つ植物はたくさんあり、こちらは主に食用としての利用が多く、ハーブ類がその代表です。シソ科の植物ではサルビアやコリウスが観賞用に栽培されますが、この科の植物は、香りを楽しんだり肉や魚の臭い消しなどに利用したりする方が多いものです。
香りというより、どちらかといえば不快なにおいを持つという方が適切な花は少ないものですが、身近な所ではカスミソウ、オミナエシ、クロユリなどがあります。ユリやストックなどは本来よい香りでも、強すぎる場合は「におい」と言う方が適切かもしれません。
クロユリ。紫がかった褐色の花とそのにおいが強い存在感を示す。
キンモクセイの香りは、トイレ用芳香剤のなかったころは秋を実感させてくれたのに、今では若い人たちにトイレのにおいと言われ、かわいそうな気がします。またロウバイ、ウメ、ジンチョウゲの花は、初春から次第に春への移り変わりを感じさせてくれます。
店先に酒林がぶらさがるころから、私は杉材の香りが恋しくなります。日本酒に漂う杉樽の香りは何とも言えず、ついついやりすぎて…。猿でもできる「反省」をしてしまいます。
秋の七草の1つ、オミナエシは意外に強いにおいを放つ。