「オランジェ」はカロテンを従来品種より約50%も多く含んだ機能性に優れる夏まき専用の冬どり品種です。カロテンは体内に入るとビタミンAに変換されます。ビタミンAは視覚作用、粘膜の保護や発育に必要なビタミンです。これらは体内では合成することができないので、食物から摂取する必要がありますが、「オランジェ」はカロテンが高含量なので効率的に摂取できます。カロテンは油に溶ける成分なので、油と一緒に調理すると吸収が促進され効果的です。
また、寒さに当たることで糖度が増し甘みがのってくるのでジュースにも最適です。
葉は濃緑色で耐寒性に優れており、葉軸もしっかりしているので年明けの収穫作業も容易です。また、肉質はかためで緻密なため、圃場や収穫時の割れが少なくて歩留まりが高く収量性に優れます。
機能性や根色、食味などの品質に優れることから、家庭菜園で楽しんでいただくのはもちろんのこと、直売所ではジュースやスティック状にカットして試食をしていただくなど工夫してみると、通常の品種と差別化ができると思います。
根色は表皮・芯ともに濃橙色で、カロテンが従来品種より約50%アップした機能性に優れる冬どりニンジン。完熟すると糖度が高くジュースにも最適。葉は濃緑で耐寒性に優れ、葉の軸もしっかりしており、年明けの機械収穫適性に優れる。根形はやや肩張りの円筒形状で、割れにくく在圃性があり、雪下などの貯蔵性にも優れる。
土質はあまり選びませんが、排水性と保水性のよい土壌を好みます。完熟堆肥などの有機物を投入して土づくりに努めます。
ニンジンはpH6.0〜6.6を好むので、苦土石灰を1u当たり100gを目安に施します。施肥量はチッソ成分で1u当たり12〜15 gが標準です。チッソ成分が多いと葉が茂りすぎ、根の肥大や色つきが悪くなります。元肥には3分の2を施して、残りは本葉6枚ごろに追肥として施し、中耕管理を行います。
タネまきの1週間前までを目安に苦土石灰と肥料を全面に施用して、20cm以上の深さでよく耕します。しっかりと深耕して、土を細かくすることが、素直に根が伸びて肌のきれいなニンジンを作るポイントになります。
タネまき適期は中間地で8月上中旬です。あまり早い時期のタネまきは着色不良や短根などの原因になり、遅まきでは太りきれない場合があるので適期まきを心掛けます。
ニンジンは発芽に多くの水分が必要なので、タネまき後の乾燥に留意して土壌の適湿を保つように努めてください。初期の乾燥は岐根の原因になります。また、肥大期からの極端な乾燥や過湿は、裂根や肥大不足などの生育不良を招くため、適切な土壌水分を保つように心掛けましょう。
ニンジンの葉はビタミンが豊富で栄養がある。間引きしたものを油炒めやかき揚げにするとおいしく食べられる。
ニンジンは本葉7〜8枚ごろから急激に肥大し始めるので、本葉6枚ごろまでに間引きと追肥を行います。間引きは2回くらいに分けて生育が中庸なものを残すようにして全体の生育を揃えましょう。
「オランジェ」は初期生育がじっくりしており生育期間が長いため、生育後半まで葉を健全に保つことがポイントです。そのため、肥効が長く続くように追肥型の肥培管理に努めます。間引きの後、条間に追肥を施し、除草を兼ねて中耕します。同時に首部の着色を防止するために株元へ土寄せを行います。
ニンジンは本葉7〜8枚ごろから急激に肥大し始めるので、本葉6枚ごろまでに間引きと追肥を行います。間引きは2回くらいに分けて生育が中庸なものを残すようにして全体の生育を揃えましょう。
「オランジェ」は初期生育がじっくりしており生育期間が長いため、生育後半まで葉を健全に保つことがポイントです。そのため、肥効が長く続くように追肥型の肥培管理に努めます。間引きの後、条間に追肥を施し、除草を兼ねて中耕します。同時に首部の着色を防止するために株元へ土寄せを行います。
栽培性に優れ作りやすい品種リレーとして、年内どりには耐暑性、しみ症に優れる「向陽二号」、冬どりには耐寒性に優れる「陽州五寸」がおすすめです。どちらの品種も幅広い土壌適応性があり、作りやすさは抜群です。初めてニンジン栽培にチャレンジする方にもおすすめします。
機能性や食味を重視するなら「オランジェ」、「京くれない」がおすすめです。ニンジンはもともとカロテンを豊富に含んだ緑黄色野菜の代表格ですが、特に「オランジェ」は前述の通り、高カロテンの品種です。
「京くれない」は鮮やかな赤色が特徴で、リコピンとカロテンをバランスよく含んでいます。カロテンはビタミンAに変換され、リコピンは抗酸化作用に優れており、生活習慣病予防にも最適です。また、どちらの品種も栽培中に冬の寒さに当たることで色のりがよくなり、甘みも増してきます。特に「京くれない」は、その見た目から直売所で差別化を図るのにもおすすめです。
直売所出荷などで色よしの差別化をねらう品種リレーなら、年内どりは、肥大性に優れる「Dr.カロテン5」、冬どりには、芯まで赤い「恋ごころ」がおすすめです。どちらの品種も排水性のよい圃場が適します。
「Dr.カロテン5」は、太りがよいので特にジュースやスムージーに最適です。「恋ごころ」は、十分に肥大させて冬どりすると甘みが増すので、ジュースはもちろんのこと、スティックやサラダなどの生食にも最適です。