ラナンキュラスとアネモネの魅力や球根の植え方をご紹介
春を彩る秋植え球根植物として人気のラナンキュラスとアネモネ。上手に育てるにはどちらも球根の吸水処理がいちばんのポイントです。今回は共通点の多いラナンキュラスとアネモネをあわせて紹介します。
ともにキンポウゲ科ですが、大きく異なる点は、アネモネには花びらがないことです。アネモネの花びらのように見えるものは、じつは「萼(がく)」。八重咲きのものは雄しべが花びらのようになっている場合もあります。育て方は大きく違わず、何より植え付け時の栽培のコツが一緒です。しっかりとポイントを押さえて、春の開花を楽しみましょう。
ラナンキュラスの仲間は地球上の広い範囲で分布し、わが国でもキンポウゲなど26種が自生しています。園芸的に「ラナンキュラス」と呼ばれる植物は「ハナキンポウゲ」の和名を持つRananculis asiaticus の改良品種群を指します。幾重にも重なった花弁が魅力です。
ドリーマー系
従来品種に比べて超巨大輪で花弁数も一段と多くなります。茎は太くてかたく、ボリュームのある花を支えます。花色もスカーレット、ローズピンク、ホワイト、イエロー、バイカラーがあります。花茎が長いので切り花にも使えます。
- ドリーマー
- ドリーマーバイカラー
わが国に産するシュウメイギクなど、Anemoneは北半球の温帯に120種ほど分布します。そのうち園芸的に「アネモネ」と呼ばれる植物は、主に地中海に産するAnemone coronaria をもとに改良された品種群を指します。
アネモネ・ブランダ
山野草の趣をもつ可憐な花を咲かせます。
鉢植えやロックガーデン向きです。
- ブランダ
- 石灰質を好むので、植え付け時には苦土石灰などを用いてpH調整をするとよい。
● アネモネの園芸種 ●
アネモネのふるさとは、地中海性気候です。水やりは、夏は乾燥ぎみに管理し表土が乾いたらしっかり与えるようにして、冬は、乾燥でカラカラにならないよう与えます。
- デカーン
- 18世紀にフランスで作出された品種で一重咲き。花壇、鉢植えに利用される。
- セントブリジッド
- 19世紀末に作出された花弁がやや尖った一重~八重咲きの大輪品種。名はアイルランドの聖職者にちなむ。
- モナリザ
- 大輪の一重咲き品種。花茎が長いので切り花にしても楽しめる。
用 土 |
市販の草花用培養土でもかまいませんが、パーライトが配合されているなど水はけに留意した培養土を選ぶことが大切。単用土配合例としては、硬質赤玉土小粒6:完熟有機質3:日向土微粒1、など。 |
|
---|---|---|
pHは中性を好むので、酸性に偏る鹿沼土の使用は避けます。地植えの場合、植え付け前に苦土石灰を霜降り程度にまいて土壌改良をしましょう。 |
||
日 当 た り |
日当たりのよい場所を好みます。 |
|
吸 水 処 理 |
休眠中の球根に「ゆっくり」吸水させた後に植え付けましょう。 |
|
球根の芽の部分だけを湿ったバーミキュライトに埋め、球根の大部分を空気中にさらし、ゆっくり水を吸わせます。 |
球根の尖ったほうを下にして、湿ったバーミキュライトに軽く沈め、水をゆっくり吸わせます。 |
|
水を吸ってふくらんだら、すぐに用土に植え付けましょう。 |
||
植 え 付 け |
球根がふくらんだら、オーソサイド水和剤80を球根にまぶして(粉衣して)植え付けます。植え付け適期は気温15℃以下が目安。気温が高いと花つきが悪くなったり、うまく育たない場合があります。地植えの場合、寒冷地では完熟有機質を用いてマルチングをしましょう。少し高畝うねにすると、根が新鮮な空気を吸えて良好な生育を示します。その分、水やりはしっかりと行います。 |
球根がぷっくりふくらんだら、オーソサイド水和剤80を球根にまぶして植え付けますが、上下が分からなくなった場合は、横にして植え付けます。植え付け適期はラナンキュラス同様15℃以下が目安です。寒冷地での地植えは、完熟有機質を用いてマルチングをしましょう。 |
肥 料 |
植え付け時に元肥(もとごえ)として緩効性化成肥料を規定通りに与えます(ラナンキュラスは苦土石灰を加えて土壌改良)。 |
|
病 害 虫 |
立ち枯れ病罹病株は引き抜いて処分します。予防として植え付ける前、球根にオーソサイド水和剤80をまぶします。鉢植えの場合は新品の培養土を用いるとよいでしょう。 |
|
水 や り |
過湿を嫌うので、毎日機械的に水やりするのではなく、土の状態を見て表土が乾いたらしっかり水やりをする、が基本です。 |
|
日 常 の 管 理 |
花がらはすぐに花茎ごと切ります。花茎を切る際、汁液に触れると皮膚炎、水疱を起こすことがあるので、決して触れないようにしましょう。 |
用 土 |
市販の草花用培養土でもかまいませんが、パーライトが配合されているなど水はけに留意した培養土を選ぶことが大切。単用土配合例としては、硬質赤玉土小粒6:完熟有機質3:日向土微粒1、など。 |
---|---|
pHは中性を好むので、酸性に偏る鹿沼土の使用は避けます。地植えの場合、植え付け前に苦土石灰を霜降り程度にまいて土壌改良をしましょう。 |
|
日 当 た り |
日当たりのよい場所を好みます。 |
吸 水 処 理 |
休眠中の球根に「ゆっくり」吸水させた後に植え付けましょう。 |
球根の芽の部分だけを湿ったバーミキュライトに埋め、球根の大部分を空気中にさらし、ゆっくり水を吸わせます。 |
|
水を吸ってふくらんだら、すぐに用土に植え付けましょう。 |
|
植 え 付 け |
球根がふくらんだら、オーソサイド水和剤80を球根にまぶして(粉衣して)植え付けます。植え付け適期は気温15℃以下が目安。気温が高いと花つきが悪くなったり、うまく育たない場合があります。地植えの場合、寒冷地では完熟有機質を用いてマルチングをしましょう。少し高畝うねにすると、根が新鮮な空気を吸えて良好な生育を示します。その分、水やりはしっかりと行います。 |
肥 料 |
植え付け時に元肥(もとごえ)として緩効性化成肥料を規定通りに与えます(ラナンキュラスは苦土石灰を加えて土壌改良)。 |
病 害 虫 |
立ち枯れ病罹病株は引き抜いて処分します。予防として植え付ける前、球根にオーソサイド水和剤80をまぶします。鉢植えの場合は新品の培養土を用いるとよいでしょう。 |
水 や り |
過湿を嫌うので、毎日機械的に水やりするのではなく、土の状態を見て表土が乾いたらしっかり水やりをする、が基本です。 |
日 常 の 管 理 |
花がらはすぐに花茎ごと切ります。花茎を切る際、汁液に触れると皮膚炎、水疱を起こすことがあるので、決して触れないようにしましょう。 |
用 土 |
市販の草花用培養土でもかまいませんが、パーライトが配合されているなど水はけに留意した培養土を選ぶことが大切。単用土配合例としては、硬質赤玉土小粒6:完熟有機質3:日向土微粒1、など。 |
---|---|
日 当 た り |
日当たりのよい場所を好みます。 |
吸 水 処 理 |
休眠中の球根に「ゆっくり」吸水させた後に植え付けましょう。 |
球根の尖ったほうを下にして、湿ったバーミキュライトに軽く沈め、水をゆっくり吸わせます。 |
|
水を吸ってふくらんだら、すぐに用土に植え付けましょう。 |
|
植 え 付 け |
球根がぷっくりふくらんだら、オーソサイド水和剤80を球根にまぶして植え付けますが、上下が分からなくなった場合は、横にして植え付けます。植え付け適期はラナンキュラス同様15℃以下が目安です。寒冷地での地植えは、完熟有機質を用いてマルチングをしましょう。 |
肥 料 |
植え付け時に元肥(もとごえ)として緩効性化成肥料を規定通りに与えます(ラナンキュラスは苦土石灰を加えて土壌改良)。 |
病 害 虫 |
立ち枯れ病罹病株は引き抜いて処分します。予防として植え付ける前、球根にオーソサイド水和剤80をまぶします。鉢植えの場合は新品の培養土を用いるとよいでしょう。 |
水 や り |
過湿を嫌うので、毎日機械的に水やりするのではなく、土の状態を見て表土が乾いたらしっかり水やりをする、が基本です。 |
日 常 の 管 理 |
花がらはすぐに花茎ごと切ります。花茎を切る際、汁液に触れると皮膚炎、水疱を起こすことがあるので、決して触れないようにしましょう。 |
アネモネをほんの少し早く咲かせてみよう!
アネモネの吸水処理の際、球根にオーソサイド水和剤80を粉衣して、密封保存容器を用いて吸水処理し、冷蔵庫に約1カ月保管します(誤食にはくれぐれもご注意を!)。その後植え付け、通常通り栽培すると、早春の暖かさで少し早めに開花します。
6月ごろ、地上部がほぼ黄変した時に、掘り上げて十分に乾燥させます。雨の当たらない風通しのよい場所で保管します。梅雨時期に多湿でかびがつく恐れがあるので、それまでに十分乾燥させることがポイントです。
6月ごろ、地上部が黄色くなって枯れ始めた時、地下部を掘り上げ、球根を切り分けます。オーソサイド水和剤80をまぶして十分に乾かし、来シーズンの植え付け適期まで風通しがよく雨のかからない所で保管します。鉢植えの場合は、地上部を切り、秋も深まるまで(気温約15℃)、鉢ごと雨のかからない所に保管しても構いません。
- 勝川 健三
- 宇治市植物公園園長。博士(学術)。水生植物、球根植物を中心とした景観園芸学のほか、民族植物学にも興味を持っている。