誰でも簡単!発芽・育苗器「愛菜花」で夏の果菜類をタネから育てよう
タネから育てれば、収穫の喜びもひとしお!ただ、夏の果菜類の育苗時期が冬の寒い期間のため、温度管理が難しいのが難点。でも発芽・育苗器「愛菜花」を使えば、簡単に温度管理ができて手軽に苗づくりを始められます!
今回は、「愛菜花」を使った果菜類の発芽・育苗のポイントを、藤田先生にご紹介いただきます。
- タネから育てる夏野菜で収穫の喜びが倍増!
- 夏の果菜類のタネまきは、早春に始まります。気温が低い時期に、25~30℃の高温を確保するのは至難の業。温度管理が難しいため、ご家庭ではポット苗を購入することが多いと思われます。でも、温度管理ができる育苗器があれば、いま話題の品種や、作ってみたい品種をタネから簡単に育てられるのです。
発芽・育苗器「愛菜花」は、温度設定がしやすく、使い方も簡単。トレイにタネをまいたら、それぞれの野菜の発芽適温にあわせて地温を上げ、芽が出るのを待つだけです。発芽後は生育適温に設定して、苗を育てます。発芽適温と生育適温にはわずかな差がありますが、「愛菜花」なら細かい温度設定ができるので手軽です。
「愛菜花」とタネまき用培土、育苗ポットがあれば、どなたでも簡単に果菜類の育苗を始められます。お好みの品種を育てられるだけでなく、タネから育てた野菜なら収穫時の喜びはきっと格別。1粒のタネから始める野菜作りに、この春チャレンジしてみませんか?
- ❶ 清潔な土を使う
- 地温が上がると、土中のかびや雑菌などが繁殖して病気にかかりやすくなり、育苗の失敗につながることがあるので、消毒済みの清潔な培養土を使いましょう。「タキイたねまき培土」は高品質で、水はけ、水もち、通気性に優れています。
- ❷ 適温で温度管理!
- 発芽と生育に適した温度は違います(下表参照)。タネまき直後から発芽までは、昼夜とも30℃になるようダイヤルを設定します。発芽して双葉が開いたら少し温度を下げ、昼は30℃以下、夜間は15℃前後に保ちます。
- ❸ 水の管理をしっかり
- タネまき後はたっぷりと水やりし、発芽するまでは換気窓を閉じて乾かさないように管理します。育苗中は土が乾いたら水やりを。水のやりすぎは徒長の原因になるので、育苗ポットを取り出して水やりし、余分な水が抜けたところでトレイに戻します。
- ❹ まき時は定植時期から逆算
- 4月下旬~5月上旬に植え付けるためには、寒い時期にタネをまいて育苗しなければなりません。育苗には、ナス科野菜は60~90日、ウリ科野菜は30日前後かかります。タネ袋やカタログをよく見て、植え付け(定植)時期から逆算してまき時を決めましょう。
発芽~移植までの生育適温の目安
品目 | まき時 | 育苗日数 | 発芽適温 | 移植までの生育適温 | |
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ナス | 2月中旬~ | 80~90日 | 20~30℃ | (昼間)28~30℃ | (夜間)18~20℃ |
ピーマン | 2月中旬~ | 70~75日 | 20~30℃ | (昼間)28~30℃ | (夜間)20℃ |
トマト | 3月上旬~ | 60日前後 | 20~30℃ | (昼間)25℃ | (夜間)16℃ |
キュウリ | 3月中旬~ | 30日前後 | 25~30℃ | (昼間)28~30℃ | (夜間)15℃ |
スイカ | 3月中旬~ | 30日前後 | 25~30℃ | (昼間)28~30℃ | (夜間)15℃ |
メロン | 3月中旬~ | 30日前後 | 25~30℃ | (昼間)28~30℃ | (夜間)15℃ |
カボチャ | 4月上旬~ | 30日前後 | 25~30℃ | (昼間)28~30℃ | (夜間)15℃ |
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1育苗器とトレイの準備
育苗器本体に、底面が隠れるくらいに砂を入れ(2cm程度)、表面を平らにならす。次に、付属の黒いトレイ2個にも、砂を深さの半分くらい(5cm程度)まで入れて平らにならす。
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2培土の準備
「タキイたねまき培土」に水を加えてよく混ぜる。かたさは、手で握るとしっとりするくらいが目安。
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3タネをまく
育苗ポットの縁まで土を入れ、表面を平らにならす。人差し指で深さ1~1.5cmの穴をあけ、タネを1~2粒まく。タネは小さいので、ピンセットで扱うとよい。
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4たっぷり水やり
タネの上に土をかけ、指先で軽く押さえてタネと土を密着させ、ジョウロでたっぷりと水やりする。
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5育苗ポットをトレイに入れる
ポットの下から余分な水が抜けたら、育苗ポットをトレイにセットする。温度を均等に上げるため、1~2cmほど砂に埋まるように押し込むようにして置くのがポイント。
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6本体をセッティング
育苗ポットの中央あたりに地温計を挿す。フードをかぶせ、換気窓を閉める。
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7ダイヤルをあわせて育苗スタート!
本体を日当たりのよい窓辺に置き、電源を入れて適温にダイヤルをあわせる(作物、品種にあった発芽適温を設定する)。2~3時間後、用土が温まったら地温計をチェックし、設定した温度になっているか確認する。発芽までは換気窓を閉じておき、保温と保湿に努める。
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2粒まいて2本とも発芽したら、双葉が開いたところで1本に間引く。本葉1~2枚まで生長したら鉢上げ。
- ●発芽後もしっかり温度管理!
- 発芽後は、それぞれの野菜に適した生育温度帯になるよう、日中と夜間で温度を調節します。日中は換気窓の開閉やフードカバーの取り外しによって温度と湿度、日照を調節し、苗の徒長を防ぎます。夜間は15℃以上を保ちます。室温の変化に伴い地温も変わるので、エアコンなどを切った後の地温のチェックも忘れずに。室温と地温の関係、地温調節ダイヤルの扱い方は「愛菜花」の説明書をご確認ください。
果菜類の育苗を手軽にスタート!「愛菜花」スターターセット
低温期の発芽や育苗に便利な、電気加温式の発芽・育苗器です。本体内蔵の電気ヒーターで加温でき、換気窓付きの専用フードで保温や風よけ、水分量(湿度)の調整も可能。温度の上がりすぎを防ぐ安全装置付きで、安心してお使いいただけます。今回は、果菜類の育苗をすぐに始められる「タキイたねまき培土」と育苗ポット、ミニ地温計、バーミキュライトなど必要な物がすべて揃った、スターターセットをご用意しました。育てたいタネを用意すれば、すぐに育苗を始められます。(日本製)
■規格・セット内容
(1)愛菜花〈PG-10〉:1台
・サイズ
外寸:幅53×奥行40.5×高さ19cm(ダイヤル・コードの突出部を含まず)
内寸:幅50×奥行32.2×高さ6.8cm
・加温能力:室温+13℃(メーカー調べ)
・電源:AC100V・50/60Hz
・消費電力:50W
・電源コード:長さ約1.3m
・重量(約):2.2kg
・材質:PP
・温度過昇防止装置内蔵
(2)育苗ポットミニ(12穴×6枚)
(3)ミニ地温計(3個)
(4)タキイたねまき培土(6L×1袋)
(5)バーミキュライト(4L×1袋)
(6)愛菜花 取扱説明書
- 藤田 智
- 恵泉女学園大学人間社会学部教授。NHKテレビ趣味の園芸「やさいの時間」の講師などでも活躍。