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テーマある植物選びですてきな庭づくり

お気に入りの花ばかり集めてしまって、どうもすてきな庭にならない、という方に向けて植物選びのポイントをアドバイス。今回は、秋の庭に欠かせない花、コスモスをご紹介します。8月くらいまでタネまきができるので、ぜひタネから育ててみてください。

タネからでも手軽に栽培できる秋の庭の演出にコスモスを利用しよう!

秋を感じさせる旬の一年草、コスモスで庭の景色をリフレッシュ!

最近は開花期の長い花が多くなり、中には初夏から11月ごろまで花が続く品種もあります。庭づくりを考えると、植え替えの手間がかからずローメンテナンスと言えますが、夏の景色のまま秋を迎えるのは変化に乏しいと感じている方も多いのではないでしょうか。花期の長い品種をベースにしつつ、秋ならではの旬の花をポイントに加えることで、季節感を生かした庭づくりができ、また、夏の暑さで疲れた表情の庭も一気にリフレッシュできます。こんな時に使いたいのが一年草です。毎年植え付ける手間はかかりますが、気分や流行にあわせて花選びができるという利点もあります。そんな秋の一年草といえば、誰もが真っ先に思い浮かべるのがコスモスでしょう。

短日植物の代表的存在だったコスモスが品種改良で早くから開花が楽しめる花に!

8月も終わりに近づき高原からコスモスの開花のニュースが届くと、その涼やかな映像に、すっと秋風が吹いたようなさわやかな気分になりませんか?コスモスを見て秋を感じるというのは、コスモスが短日植物であることも影響していると思われます。短日植物というのは、ある程度生育すると一定の時間より日光の当たる時間が短くなったことを感じ取って花芽を形成する植物のこと。短日植物は早くタネまきをしても、日が短くならないと花芽が形成されず開花しません。日が短くなるというのは季節が夏から秋に移ることを意味しますから、コスモスはまさに秋を感じることでようやく花が咲くというわけです。キク、カランコエ、ポインセチアなども短日植物ですが、やはりコスモスがその代表的存在としてよく知られています。
「でも、秋が来る前から開花するコスモスもよく見る」と思われた方、確かにその通り。最近では品種改良され、日の長短にかかわらずタネまきから2〜3カ月ほどで開花する品種が主流となってきています。生育温度が確保できれば、3月からタネまきが可能で、初夏に花を咲かせることもでき、庭での利用の幅もぐんと広くなりました。
でも、やはりコスモスには秋という季節がよく似合います。初夏の庭にはほかにもたくさん花が咲くし、花が少なくなり始める秋に咲かせて、風に揺れる旬の輝きを愛でたいものです。改良品種も従来の短日性の品種も、7〜8月にタネまきができます。コスモスはタネからでも手軽に栽培できるので、お気に入りの品種を見つけて今年の花壇に加えてみてはいかがでしょう。

花色、花形も豊富になり、コスモスの品種選びの幅が広がる!

コスモスといえば、花色は淡いピンクか白、花形はくっきりした一重という印象が強いのですが、最近では鮮やかな赤やシックな赤、またイエローやサーモンピンクなど、今までのコスモスの印象を一新するような花色も登場しています。また「これがコスモス?」と疑うような愛らしい八重咲き品種も登場し、人気を集めています。どの品種もコスモス特有の透明感のある花色、繊細な花姿なので、洋風の庭でも和風の庭でも利用できます。株数を多めにして群植させると、コスモスらしいさわやかな景色が小さな庭でも楽しめます。また、株元にダークカラーのリーフプランツなどを植えておくと、ぐっと締まってモダンな印象になります。風などで株姿が乱れがちなので、支柱を立てておくとよいのですが、あまり本数多く立てるとせっかくの景観を邪魔してしまいますので、生け垣の近くやそばに樹木がある場所を選び、風当たりを弱める工夫をするとよいでしよう。そばに木などがあれば、倒れそうな場合の支えにもなります。

玄関へのアプローチに沿って植えると、人目につきやすく季節感を存分に味わえます。/背後に高木の植え込みがある場所なら風当たりも避けられます。コスモスは草丈が高くなるため株元が寂しくなりがち。株元にカラーリーフを加えると密度感のあるコーディネートに。

定番の一重品種でコスモスらしさをアピール

ソナタ/ピコティー

人気の八重咲きでコスモスのイメージを一新

上は「ダブルクリック ローズボンボン」、下は「ダブルクリック バイカラーピンク」。どちらも人気の花色。

ダブルクリック

幾重にも花びらが重なりあう繊細で華麗な八重咲き品種。コスモスのイメージを覆すような新鮮な花容は登場以来大人気に。花色のバリエーションも増え、濃赤やバイカラーも登場しています。栄養状態によっては花びらの重なりが少なかったり、花弁が筒状になることもありますが、群植させるとその様子もナチュラルに感じられます。花径約6cm、草丈約120cm。

ダブルクリックローズボンボン/ダブルクリックバイカラーピンク/ダブルクリッククランベリー/ダブルクリックスノーパフ

今までのコスモスにはない斬新な花色を楽しみたい!

レッドベルサイユ/アンティキティ
イエローキャンパス/オレンジキャンパス

個性的な花形で新しいコスモスを堪能!

シーシェル/カップケーキ ホワイト

鉢植えで楽しみたいなら草丈が低めのコンパクトタイプを

ホワイトポップソックス、ピンクポップソックス

夏の間からたくさん咲かせたいなら黄花コスモスを!

鮮やかな朱色とオレンジ色をミックスで植えて、夏の日差しを跳ね返すような輝きのある花壇に。一般的なコスモスはビピンナツス種(bipinnatus)なのに対し、黄花コスモスの名前で流通するのはスルフレウス種(sulphureus)で、花色も大きく異なります。草丈も20〜30cmと低めなので花壇での使い方も変わります。鮮やかな朱色やオレンジ色は、夏の花の代表の一つ、マリーゴールドの花色と比べると透明感があり、暑苦しさを感じさせません。暑さに強い性質なので、真夏に咲かせたいならまずは黄花コスモスを選ぶのがおすすめ。花形は八重か半八重が多く、ボリューム感があります。タネからの栽培も容易。6月中にタネまきすれば、真夏の花壇に美しい彩りを加えることができます。

コスモスをタネから上手に咲かせるには…

タネまき〜育苗

コスモスの発芽温度は15〜25℃なので、中間地、暖地であれば、5〜7月ごろが適期です。秋咲き品種なら8月末までタネまきは可能。ヒマワリほどではありませんが、コスモスのタネは大きめなので花壇に直まきで栽培できます。15cm間隔で深さ約1cmの穴をあけ、3〜5粒ずつまきます。3日くらいで発芽しますので、その後、本葉が3〜4枚になったら間引きを行います。もし花壇が旬の花でいっぱいの場合は、ポットで育苗するとよいでしょう。初めから2.5〜3号の大きめのポットを利用すれば、途中で鉢上げの手間が省け、根を傷めることもありません。1ポットに2粒ずつタネをまきます。1本立ちにしたい場合は本葉3〜4枚で間引きますが、そのまま2本立ちで栽培してもかまいません。本葉が5〜6枚になったら花壇に定植します。コスモスは直根性なので、移植の際には根を傷めないよう根鉢を崩さずにそのまま植え付けましょう。

水やり、施肥

タネまき、定植の直後はたっぷり水やりしますが、その後は極端に乾燥しない程度の水やりにします。もともとメキシコの乾燥地域が原産の植物なので、湿った環境にならないよう注意が必要です。やせた土地でも元気に生育する性質なので、追肥の必要はありません。もし葉が黄色くなるようであれば液肥を与えます。草丈が50cmを超えてきたら、倒伏防止のために支柱を立てます。支柱を主茎に沿わせて立て、ひもでゆるめの8の字に結んで固定します。

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