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シイタケの原木栽培の方法を解説!

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原木の準備

  適する樹種は、ナラ・クヌギ・シデ・シイ・クリなどです。伐採は、落葉広葉樹は紅葉三分〜七分のころ、常緑広葉樹(カシ類・シイ類)は、1〜2月が最適です。いずれにせよ樹木の休眠期に伐採するのがよいでしょう。
  伐採後は、葉がついた状態で乾燥させ水分を抜きます。期間は、おおむね1カ月です。
  その後、栽培しやすい長さに切断する「玉切り」を行います。一般的に90cmに玉切りし、直射日光に当てないように遮光ネットや枝葉で被覆します。やむを得ず伐採後すぐに玉切りした場合は、原木が乾燥して切り口にひびが入るまで、前述のように被覆します。

植菌

  菌の植え込みの最適時期は、2〜4月ごろ、梅が咲き始めてから桜の咲くころです。植え込み数は、原木の木口(切り口)の直径(cm)の4倍以上が目安です。
  菌を植え付けるための穴の位置は、1列6穴程度で、1個目は木口から5cmくらいの所に穴をあけます。列と列の間は4cm程度にし、千鳥状にあけます。
  種菌には、種駒菌(丸棒型)とおがくず種菌があり、どちらを使用するかによって作業が異なります。
  種駒菌は、電動ドリルや専用のポンチで原木に穴をあけ、種駒菌をハンマーなどで穴に打ち込みます。
  おがくず種菌は、同様に原木に穴をあけ、安全植菌棒を使っておがくず種菌を穴に埋め込みます。そのままだとおがくず種菌が穴から外れてしまうので、「封ろう」という接ぎ木ロウのようなものを火で溶かし、タンポなどで表面に塗り固めます。おがくず種菌は、封ろうの熱で死滅することはありません。


仮伏せ

  植菌時期は、まだ寒く乾燥しているので、植菌が終わったらすぐに薪積みにして散水し、コモ・ムシロ・遮光ネット等で被覆し、保温と保湿を図ります。この作業を「仮伏せ」といいます。
  仮伏せは日当たりと水はけのよい、散水が容易にできる場所がよいでしょう。仮伏せ中は、生木の原木以外は、2週間程度毎日散水して湿度を与えます。また、ブルーシートを使用する場合は、蒸れないように外気温が15℃ほどになったらコモなど通気性のよい資材に替えます。
  また、過湿・高温でカビや雑菌が繁殖するのを防ぐため、仮伏せは梅雨前までとします。植菌が4月中旬過ぎの場合は、仮伏せをせずに、すぐに本伏せにし、散水だけは十分に行います。

本伏せ

  仮伏せで原木に菌が活着したものを「榾(ほだ)木」といいますが、榾木全体に菌をまん延させる作業を「本伏せ」といいます。
  本伏せは、梅雨入り前に行うのが理想ですが、遅くとも梅雨明け前にはすませます。
  伏せ込みは、直射日光が当たらず、風通しがよく、雨が当たり、水はけのよい所に、30〜40度程度の角度で立てかけます。立てかけるものがない時は、ブロックを縦に2個重ね、そこへ榾木の片側を乗せればよいでしょう。雨が少ない時は、角度を低くし(ブロック1個分程度)散水します。どうしても日陰がない場合は、ヨシズや遮光率80%程度以上の遮光ネットを使用します。ただし、直接遮光ネットをかぶせると温度が上昇し、害菌の発生やシイタケ菌の死滅など高温障害の恐れがあるので、遮光ネットと榾木の間隔をあけ、通気性を保ちます。

天地返しと夏の管理

  本伏せ中の管理で特に重要なのが「天地返し」と「下草刈り」です。
  天地返しは、今まで地面に接していた方を上にし、同時に表裏も逆にする作業です。これをすることによって、菌が榾木全体に伸長していきます。できれば、7月中旬と9月中旬の2回行うとよいでしょう。
  また、夏季は草刈りをして風通しをよくします。草刈りをおろそかにすると湿度が上がり、通気性も悪くなり、害菌の発生の要因になるからです。
  もう一点重要なのが「散水」作業です。シイタケ菌は暑さに弱いので、夕方に十分に散水して榾木の温度を下げます。

収穫

  一般的にシイタケは、植菌後2回の夏を経過した秋から本格発生し、秋と春に収穫できます。シイタケが発生し始めた時に風通しがよすぎると乾燥して生長できません。たっぷりと散水し、ビニール等で被覆するとよいでしょう。

収穫後の管理

  収穫後は、本伏せの手順を行います。天地返しを忘れずに励行し、乾燥しすぎに注意します。一般住宅地の庭での管理は、春の収穫後はブロックを横にした上に片方を乗せるぐらいでよいでしょう。菌がまわっているので、9月下旬ごろまで地面に伏せておいてもかまいません。ただし、乾燥と直射日光には注意します。


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