あこがれの芝生ガーデン

6月は梅雨入りで高温多湿の時期になります。気温が上がり暖地型芝草の生育は旺盛になるので、芝生が薄くなった部分も夏までに回復します。
- 好天が続いて葉が巻くようであれば、表面に水がたまるくらいたっぷり水やりします。
- 生育が旺盛な時期なので、芝生専用化成肥料(チッソ:リン酸:カリ=10:10:10)を月1回1m²当たり30〜40g施します。
- 刈り高2cmで月2回程度行います。これにより茎葉が密になり、美しい景観を維持します。
6月下旬から水はけの悪い所に犬の足跡に似た黒褐色の斑点(直径5cm程度)が出ることがあります。これはカーブラリア葉枯病という病気です。芝生が枯れてはげることはありませんが、排水対策とこまめな刈り込みで過湿を防ぎ発生を抑えましょう。 害虫であるコガネムシの幼虫やシバツトガの幼虫の発生もありますが、深刻な被害になることはありません。

寒地型芝草は暑さが苦手です。6月はまだ緑色を保っていますが、その後生育が衰え始め、病害虫の発生が多くなります。
- 芝生が乾かないよう適宜行います。
- 芝生専用化成肥料(チッソ:リン酸:カリ=10:10:10)を月1回1m²当たり20〜30g程度施します。
- 芝草は、茎葉部の大きさと根の大きさは比例関係にあります。寒地型芝草の夏越しは水を吸収する根を維持するため、高めの刈り高で管理します。刈り高3cmで月2回程度行います。
水はけの悪い所に、淡黄色の直径3cm程度の円形の斑点ができるダラースポット病や、赤褐色の直径20cm程度のリングができるブラウンパッチやピシウム病という病気が発生します。この病気は葉が重なりあい蒸れることによって助長されます。継続的な刈り込みにより蒸れを防ぎ排水の改善を行います。虫害では、シバツトガやヨトウムシの幼虫による被害が発生します。被害が軽微な場合、秋には回復します。しかし被害が大きい場合、殺菌剤や殺虫剤の散布が有効です。農薬の使用が制限された環境では芝生の張り替えやタネのまき直しも一つの方法です。
暖地型芝草の芝生は、冬は休眠し地上部が茶色になります。そのため、毎年秋に暖地型芝草の上に寒地型芝草のタネをまく方法をウィンターオーバーシードといいます。ウィンターオーバーシードを行った芝生では、春から夏にかけて暖地型芝草は生育量を増しますが、寒地型芝草は枯れ、寒地型芝草から暖地型芝草に自然に切り替えが行われます。ウィンターオーバーシードを行う場合は、専用の寒地型芝草種子を用います。ペレニアルライグラスやインターメディエイトライグラスといった芝草があります。家庭の芝生では寒地型芝草から暖地型芝草への切り替えが容易なインターメディエイトライグラスがおすすめです。
- 寒地型芝草のタネをまく時期は、9月中旬〜10月中旬です。まくタネの量は、1m²当たり40〜60gで、踏みつけの激しい場所では60g程度まきます。トンボやブラシなどで芝生をこすりタネを地際に落として発芽を促します。
- タネまき後、発芽までの約2週間は1日2回、根づくまでの約1カ月間は1日1回のペースとし、地際部が十分濡れるようにたっぷり水やりします。
- タネまき後2〜3週間で葉が5cmくらいに生え揃い、根づいたころに最初の刈り込みを刈り高3cmで行います。その後、1週間に1回の頻度で2〜3cm程度刈り込みを行います。
- 11月〜2月は、1カ月に1回芝生専用化成肥料(チッソ:リン酸:カリ=10:10:10)を1m²当たり20〜30g施用します。
- 4月上旬〜6月中旬まで、萌芽した暖地型芝草の葉にたっぷり日光を当てるため、1カ月に6回程度刈り込み、刈り高を1.5cm程度に下げて管理します。こうすることで、寒地型芝草から暖地型芝草への切り替えを促すことができます。
千葉県農林総合研究センターにおいて、ゴルフ場や校庭など芝生地の環境にやさしい管理に関する試験研究に従事。