透水マルチ「たまねぎ名人」






「たまねぎ名人」の株間と条間は13×13cmで、1m幅に5条と少し密植になりますが、Lサイズによくそろい、貯蔵性もアップします。穴は×字切れ込み加工で、雑草の発生を極力抑えられるようにしています。購入時は製品の油分で若干水をはじくことがありますが、すぐに親水状態になり、降雨や潅水は全体から浸みて、しっとり適湿になります。

タマネギの株間に合わせた規格ですが、それ以外にも便利です。ホウレンソウやコマツナ、チンゲンサイなどの葉物は、1穴に数粒まきするか、トレイを使ったセル成型苗の定植でよくできます。穴をとばせば、ハクサイやキャベツ、ブロッコリー、ダイコンなどにもよいでしょう。泥跳ねがないので、きれいな野菜を収穫できます。
基本は秋冬作に使いますが、初夏のエダマメに使用しても上作の結果が得られました。ただし、真夏の栽培では黒色が吸熱するのでおすすめできません。

ていねいに扱えば、2年4作の使用が期待できます。例えば、タマネギ→エダマメ→ホウレンソウ→ハクサイ(タマネギ)のように使っていくとよいでしょう。ただし、1作収穫するごとにマルチを除去し、軽く耕してから張り直します。

◎施肥
土壌の状態がよくなるので、全体の施肥量は控えめでもよくできます。通常露地栽培のように、元肥に加えて1、2、3月に少量の追肥をすることで作柄が安定します。
◎マルチ張り
「たまねぎ名人」は、畝立て後早めに被覆してなじませておきます。マルチ押さえには、一般的にマルチトンボと呼ばれるプラスチック製の杭で押さえますが、土の軽い圃場では「黒丸君」のような少し長めの針金状の押さえが抜けにくくてよいでしょう。
また、5寸釘に適度なプラスチックの座金を使っても、適度にさびて抵抗があり抜けにくくなります。 風の強い地域では、落ち着くまで直管やビニール袋に少し土を入れた重しなどで「たまねぎ名人」がとばされないように工夫しましょう。 ◎定植
冬季に適湿が得られて生育がよいので、少し遅めの定植でも十分です。11月上旬のような早めの定植には、「チャージⅡ」などの晩抽極早生品種を選ぶとよいでしょう。「ネオアース」なら11月中下旬の少し遅めの定植で、貯蔵性の高い玉に仕上がります。
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◎追肥
肥料は降雨時に散布するか、朝露などで濡れている時に施すと、マルチに付着し、降雨のたびに溶けて染み込みます。乾燥したままでは、通路に落ちてしまう場合があります。雪の上からの散布も可能で、雨が足りない時に液肥や潅水で補うことも容易です。
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植え穴は玉の直径より小さいので、あらかじめ葉を切ってからマルチを除去して収穫します。マルチで地温が上がるため、皮色のよい美しいタマネギが収穫できます。ポリマルチの使用で水不足となった場合は、お尻が太りきらずに尖ってしまうことがありますが、「たまねぎ名人」なら完熟で貯蔵養分がしっかり詰まったタマネギが期待できます。
吊り貯蔵も可能ですが、倒伏後1週間をめどに完熟で収穫すれば、箱貯蔵でも十分もちます。プラスチック製の通風がよい箱に、タマネギを8分目程度まで入れ、雨が当たらず風通しのよい場所で貯蔵します。家の裏側へ箱を置き、その上に波板で雨よけをした簡易保管庫で十分です。


