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マクワ特集

マクワ特集
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日本の夏の風物詩

マクワはメロンの仲間で、原産地は東アフリカから中近東にかけての広い地域です。日本にやって来たのは3世紀ごろといわれ、弥生時代の遺跡からもタネが見つかっているそうです。
マクワは漢字で「真桑」と書きます。これは、岐阜県本巣市真桑地区特産のウリが、甘くておいしかったためといわれます。甘みのあるウリなので「甘ウリ」とも呼び、漬物にするシロウリなどは「漬けウリ」と呼んで区別します。戦国時代にスイカが入ってくるまでは、炎暑をいやす甘みのある野菜といえばマクワ。日本の風土になじんで作りやすく、各地に特徴のある在来種があります。市場に出回ることは少なく、家庭菜園でこそ作りがいのある野菜です。昔懐かしいあっさりとした甘みを楽しんでください。

整枝がポイント

ウリ科野菜の中では高温を好み、15℃以下では生育が鈍ります。十分に暖かくなった4月下旬〜5月中旬に苗を植え付け、日当たりのよい場所で管理します。雌花は子づる、孫づるに多くつく性質があるので、親づるを早めに摘芯した後、段階に応じた整枝で雌花を咲かせます。支柱立てと誘引、人工授粉、摘果などの管理も適切に行い、1株で1〜2個の収穫を目標にします。甘くておいしい果実を作るにはそれなりに手がかかりますが、基本を守れば難しくありません。

甘みさっぱり、真夏のおやつ

マクワの持ち味は、甘い香りとみずみずしさ。メロンのような濃厚な甘さはありませんが、さっぱりとしてさわやかです。低カロリーでカリウムが多く、利尿作用に優れます。冷やしたものを生で食べるのがポピュラーな食べ方ですが、冷やしすぎると甘みが薄く感じられるので、冷蔵庫に入れるのは食べる1〜2時間前がよいでしょう。

おすすめ品種

マクワの育て方

コンテナなどの準備

1鉢に1株が基本です。コンテナは、直径30〜40cm、深さ30cm程度、培養土が20〜30L程度入る丸形のものを用意します。つるが伸びてきたら、つるを誘引するための支柱とひもも必要になります。

苗の植え付け

寒さに弱いので、十分に気温が上がった4月下旬〜5月中旬が植え付けの適期です。よい苗は、本葉4〜5枚で節間が詰まった元気のよいものです。

摘芯、整枝

雌花は、子づるや孫づるに多くつくため、親づるを早めに摘芯して子づると孫づるを伸ばすように整枝します。

支柱立て

つるが伸びてきたら、長さ2mの支柱をコンテナの縁に沿って等間隔で4本さし、支柱を囲むようにひもを張り渡します。20〜30cmの間隔をあけて数本のひもを張り、つるを適宜誘引します。

追肥、水やり

植え付けの2週間後から2週間おきに、化成肥料10gをコンテナ全体にまいて土寄せします。土が乾いたらたっぷりと水やりします。

人工授粉

雌花が咲いた朝、9時くらいまでに人工授粉をします。雄花を摘んで花弁をとり、雌花の柱頭にこすりつけて受粉させます。受粉後、雌花の近くに受粉日を書いたラベルをつけておきます。

摘果、つり玉

収穫量の目安は1株で1〜2個です。それ以上着果した時は、小さいうちに摘果します。果実が肥大すると重みでつるが折れることがあるので、ネットなどに包んで支柱につり下げます。

収穫

開花日から計算し、品種ごとの適期を守って収穫します。開花日がわからない時は、尻部がやわらかくなってメロン独特の甘い香りがしてきたら収穫します。熟しすぎると落果するので、その前に収穫しましょう。

病害虫

アブラムシには「オレート液剤」、うどんこ病には「カリグリーン」を散布します。ウリハムシは、動きの鈍い午前中に見つけて捕殺します。

タネから苗づくり

気になる品種をタネから育ててみませんか。育苗中は寒さに当てないよう発泡スチロールの箱に入れて、日中は日なたに、夜間は室内に取り込みます。

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藤田 智さん

藤田 智

秋田県生まれ。恵泉女学園大学 
人間社会学部 人間環境学科教授。
専門は野菜園芸学、植物育種学、農業教育学。「NHK 趣味の園芸」講師などで野菜作りの魅力を伝える。著書に「別冊NHK趣味の園芸・わが家の片隅でおいしい野菜を作る」(NHK出版)など多数。