葉牡丹(ハボタン)とは?魅力について解説

ハボタンは日本の冬の風物詩といえるほど、日本人にとってはなじみのある植物です。立派な紅白の大株をマツやナンテンとともに門松風に仕立てた大鉢植えなどは伝統や風情を感じます。このように古来からハボタンの植栽方法といえば、紅白2色で使うのが王道であり、現在でも最もポピュラーなスタイルといえます。
しかし、ハボタンが花壇や鉢植えで紅白に植栽されたデザインを目にした時、ハボタンの植物としての美しさを純粋に愛でるのは、ハボタン愛好家か園芸業界の方々が主ではないでしょうか。多くの方は「ハボタン→紅白→お正月→慶事」といった固定観念から、お正月の縁起物のような感覚で捉えられていると思います。確かに縁起物的な紅白のハボタン文化も大切だとは思いますが、その影響で日本ではハボタンに対するイメージがあまりにも固定化されているような気がします。
私は日常の仕事でハボタンをモチーフにした写真撮影やディスプレイなどをする際に、固まったハボタンのイメージを払拭するような見せ方をいつも考えますが、これまでの経験から、「紅白饅頭」的な王道使いから離れることが、ハボタンの新たな楽しみ方や可能性を生み出す、ポイントの一つだと感じています。
欧米では、ハボタンは「花」ではなく「葉」ととらえる観点が強いのか、「オーナメンタル(装飾的な)ケール」とも呼ばれています。日本でも、照葉タイプや切葉タイプ、高性タイプなどで品種改良が進めば、冬季のオーナメンタル花材として、ハボタンの利用シーンも飛躍的に広がることと思います。
ハボタンの色彩的なバリエーションは、他の草花と比べると限られていますが、実際にはフォルムの違いなどにより、さまざまなタイプの品種が存在します。
葉形の違いで大きく分けると、まず丸葉タイプ(ラウンドリーフ)にフリンジが美しい縮緬タイプ(フリンジリーフ)、さらに葉に深い切れ込みがある切葉タイプ(フェザーリーフ)があります。着色部の葉色についても、従来の紅白や日の丸タイプだけでなく、ピンク系や黒赤系、また外葉部がベンケイソウ科エオニウム(Aeonium)の人気品種「黒法師」に似た質感を持つ、限りなく黒っぽい品種などもあります。
さらに「F1晴姿」のように、草丈が60〜80pほどで切り花にもなる高性品種も数多く、最近注目のプラチナケールの「F1グロッシーレッド」や「F1ルシール」系のように、葉面にブルームがなくクリアで光沢感のある照葉タイプも登場し、品種のバラエティーが充実してきています。
ハボタンの色彩的なバリエーションは、他の草花と比べると限られていますが、実際にはフォルムの違いなどにより、さまざまなタイプの品種が存在します。
葉形の違いで大きく分けると、まず丸葉タイプ(ラウンドリーフ)にフリンジが美しい縮緬タイプ(フリンジリーフ)、さらに葉に深い切れ込みがある切葉タイプ(フェザーリーフ)があります。着色部の葉色についても、従来の紅白や日の丸タイプだけでなく、ピンク系や黒赤系、また外葉部がベンケイソウ科エオニウム(Aeonium)の人気品種「黒法師」に似た質感を持つ、限りなく黒っぽい品種などもあります。
さらに「F1晴姿」のように、草丈が60〜80pほどで切り花にもなる高性品種も数多く、最近注目のプラチナケールの「F1グロッシーレッド」や「F1ルシール」系のように、葉面にブルームがなくクリアで光沢感のある照葉タイプも登場し、品種のバラエティーが充実してきています。

葉に切れ込みのある独特のフォルムが特徴の切葉タイプは、とても使い勝手のよいハボタンです。
まず第一に、切れ込みのある特徴的なフォルムが、和風イメージの強いハボタン品種の中では貴重な洋風イメージを感じさせる系統であること。デコラティブな形態がクリスマスの雰囲気にも合いますので、クリスマスシーズンの寄せ植え花材としてぜひおすすめしたいタイプです。また、アウトラインが単調でスッキリしている丸葉タイプのハボタンと比べると、ラインが複雑な切葉系ハボタンは他の植物と寄せ植えにしてもなじみます。さらに個性的な葉形なので、中央部の着色が甘い場合でも、ユニークなフォルムを生かした冬場のリーフプランツとして十分に楽しめます。丸葉タイプとの葉形の違いを生かしたコラボレーションもシンプルですてきです。
現在、ハボタンのタイプ別の流通量では丸葉タイプが主流のようですが、このように切葉タイプのハボタンは個性的ながら使いやすく用途が広いため、最近人気が高まっています。

小型の鉢で寄せ植えを楽しむ場合は、コニファーなど高さのある植物を合わせるとアクセントになり、小さな鉢でも豪華になります。ガーデンシクラメンなどは色彩的にもハボタンとの相性が抜群です。クッションブッシュやジュンカスなどを使えば、スマートでクールな「和モダン」な雰囲気の寄せ植えが楽しめます。かわいらしくしたい場合はアリッサムやビオラ、プリムラなどがおすすめです。
ツリーハボタンや「F1 晴姿」などの高性品種を使うと、立体感のあるゴージャスな植栽が楽しめます。また高さを生かした植え込みにすることで、矮性のハボタンとは違ったモダンなイメージが出ます。植栽の基本の方法としては、鉢の中央部に高性ハボタンを植え、その周囲に草丈の低い植物を使うとスッキリとした感じになり、高性ハボタンが持つスタンダード仕立て風のフォルムがよく栄えます。さらに、高さのある鉢を使うとスタイリッシュで格好よくまとめることができておすすめです。
ボールプランターなどの大鉢を使って多株を植栽する場合は、中央部を高くし、周囲に向かってなだらかに下がるようなラインで植え込むとバランスよくまとまります。ハボタン自体に存在感があるため、大型鉢では、寄せ植えする植物の草丈が、ハボタンより高くならないように注意すれば、格好がつきます。ハボタンは、植え込む深さによって地上部の高さをある程度調整することができるので、バランスもとりやすくなります。寄せ植えの花材は、1品種(あるいは1品目)1株ずつではなく、複数株を用意して2カ所以上に植え込む方が、植栽にパターンが生まれてなじみやすいでしょう。また、ハボタンだけをラウンド状に植えても非常に美しく、ぜいたく感があります。
さらに、容器についてもこだわりたいですね。駄温鉢にペイントするだけでも見栄えがグレードアップします。「和モダン」や「クリスマス」など、それぞれのイメージに合ったものを、あれこれセレクトするのも趣味園芸の醍醐味ですので、ぜひ楽しんでください。
ハボタンの葉は長期間変わらない状態にあるので、最近切り花などで見かける市販の植物用のラメを使うディスプレイ方法もインパクトがあります。「ラメなどは邪道」と眉をひそめる方もいらっしゃると思いますが、金銀などのラメで飾ったハボタンは意外とナチュラルで、クリスマスや迎春を一層華やかに演出してくれます。
また、今回は写真でご紹介できないのが残念ですが、大株のハボタンを掘り上げて切り花として使うこともできます。特に「F1 さんご」系や「F1 くじゃく」系などの切葉タイプのハボタンは、ゴージャスで見栄えもします。冬場の玄関口など比較的室温が低いスペースでなら、正月飾りとして1週間ほどは十分に観賞できます。