グラジオラス特集

鮮やかな色と大輪の花が豪華で魅力的なグラジオラスはアメリカをはじめ、ヨーロッパでも非常に人気です! 国内では茨城県が品種改良に取り組んでおり、新しい品種の登場にも注目が集まっています。
今年は、グラジオラスで華やかな夏の庭をつくってみませんか?
皆さん、グラジオラスをご存知ですか?
原産地はアフリカ大陸の南部であり、原種は255種が知られています。長い年月をかけて交配を繰り返されて今の栽培品種ができあがりました。丈夫で豪華なので、公園の花壇やパーティーの装飾などに使われているのを目にしたことがある方も多いと思います。最近は、花束のアクセントに小輪の品種が入れられているのを見かけることもあります。
グラジオラスの魅力は、まず何といってもその豪華さです。英名で「sword lily」というように、「剣(=sword)」のようにシャープな草姿と大輪の花は、花壇でもひときわ目を引く存在です。アメリカでは国民に最も人気の花といわれており、毎年コンテストも開催されています。
切り花としても華やかな場面から清楚なセレモニーでの需要まで、それぞれの品種の特長を生かして幅広く使われています。また、花が小さい小輪品種のかわいらしさも見逃せません。花壇に群生させたり、花束やアレンジでも楽しむことができます。
グラジオラスの人気品種は、大輪系のものが中心で、白色なら純白、赤色なら鮮やかな赤というように、はっきりした色に人気があります。また、発色のよい黄色の品種も求められていますが、「トパーズ」を超える品種がないのが現状です。会場装飾では空間を華やかにする誘目性の高い品種や、同時に開花する花数が多い豪華な品種が好まれるようです。
一方、花壇では、夏場に涼しさを感じさせる淡青色や淡紫色の品種にも人気があります。グラジオラスは花色のバラエティがとても豊富な花の一つですので、いろいろな花色を楽しんでいただけます。
日本では茨城県が自治体で唯一、グラジオラスの品種改良に取り組んでおり、これまでに6品種を開発しました。現在は、なるべく早く咲く品種、大輪で純白の豪華な品種、花束にも使える中小輪のかわいい品種などを目標に育成を進めています。また、南アフリカから原種を取り寄せて特性を調査して、香りをもつ種類を見出すとともに、これらを親として交配し、香りのあるグラジオラスを作り出す研究を行っています。
夏に向けて、これから注目の5品種をご紹介します。
![]() グラジオラスには珍しい深い紫色の品種です。現在では生産がほとんどありませんが、タキイでは販売しています。貴重な品種ですので、ぜひ育ててみてください。 |
![]() 茨城県育成品種で、これまでのグラジオラスにはない斬新な咲き方と花色が特徴です。黄色にオレンジ色の覆輪をもつ花が、上向きでらせん状に開花していきます。 |
![]() 茨城県育成品種で、現在の品種の中では最も早く咲きます。「あけぼの」の名前の通り、サーモンピンク〜朱赤の花色で、同時に開花する花数も多く観賞価値が高い品種です。 |
![]() 白色に朱赤のブロッチが入るきれいな花色が特徴です。株があまり大きくならない小型の品種なので、プランターでも手軽に楽しむことができます。切り花としてアレンジメントや花束にも使えます。 |

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日当たりがよく、湿り気の少ない花壇が適しているので、あらかじめ腐葉土などを土に混ぜておきます。プランターなどで栽培する場合は、やや大型で土の量がたくさん入るものがいいでしょう。用土は市販の園芸培土で大丈夫です。
球根と球根の間を10pほど離して、深さ10p程度に植え付けます。土を寄せて球根の2〜3倍くらいの厚さで覆土します。
植え付け時期は、霜の心配がなくなる4月上旬で、この時期に植えると7月上旬には開花します。
また、購入した球根をビニール袋に入れて冷蔵保存して6月に植え付けると、9月に花を楽しむことができます。このように、植え付ける時期を変えることにより、連続して花を楽しむことも可能です。

管理の手間はほとんどかかりません。アザミウマやダニ、灰色かび病なども風通しがよければ問題になりません。開花を迎えるころ、ヨトウムシが葉や蕾について食害する場合がありますので、取り除いてください。また、葉が白くまだら状になる病気が出ることがありますが、この時、植物自体も小さくてひねくれている場合はウイルスの感染が疑われますので、株全体を抜き取って処分してください。
日当たりがよく、湿り気の少ない花壇が適しているので、あらかじめ腐葉土などを土に混ぜておきます。プランターなどで栽培する場合は、やや大型で土の量がたくさん入るものがいいでしょう。用土は市販の園芸培土で大丈夫です。
花は下方から上へと順番に咲いていき、大輪系の品種では10花以上咲きます。1つの花は2日程度でしおれてしまうので、その花がらは元から取り除きます。切り花として使う場合でも、このようにひと手間かけることによって新鮮な気持ちで花を楽しむことができます
栽培の後は球根を掘り上げて、来年また楽しむことができます。ただし、球根は開花した後に肥大してくるので、掘り上げは花が終わってから1カ月後にしてください。掘り上げた球根は、0℃以下にならない乾燥した場所で保存します。
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![]() 千葉県長生郡の球根栽培の老舗「正和園芸」に勤務し、球根栽培を学んだ後、正和園芸を引き継ぐ形で「白子園芸」を立ち上げ、代表に就任。球根の中でも個性的な花が多い春植え球根のスペシャリスト。 |