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春まきダイコンの栽培ポイント

春まきダイコンの栽培ポイント春まきダイコンの栽培ポイント

栽培のポイント

春にダイコンを栽培する場合、そのまま畑にタネをまいても、温度が低すぎて花が咲いたり、根が短くなったり、太らなかったりします。そうならないためにも、タネをまいた直後からビニールなどで被覆をするトンネル栽培が一般的です。ここでは、トンネル栽培における栽培のポイントを紹介します。

畑の準備

畑は、保水性・排水性がよく、できるだけ耕土の深い場所を選んでください。秋の栽培と違って、直前に元肥を入れても温度が低いので、土になじんで溶け出すまでには時間がかかります。秋の栽培よりも早めに元肥を入れておきましょう。
春の栽培は一般的にはマルチ栽培をおすすめします。タネまき後は、ビニールなどを被覆してトンネル栽培にするので、露地栽培より土壌が乾きやすくなります。畝を準備する前には、しっかりと水を入れておきましょう。タネをまく数日前までにはマルチを張っておき、ビニールなどを被覆して地温を上げてから、タネまきをするようにしてください。

タネまき

タネまき後、天気が数日間悪くなるような時は抽苔が発生しやすくなるので、タネまきを避けましょう。トンネル内やマルチ内の地温が十分に上がるような、晴れの日が続く日を選んでタネをまいてください。

トンネル栽培での温度管理と水分管理

タネをまいた後、生育初期はトンネル内の温度は高めで構いませんが、ダイコンが大きくなるにつれて、換気を行う必要があります。換気の目安は、タネまきから本葉5〜6枚目までは、トンネルの中の温度が35℃を超えないように換気し、調節してください。あまり高温で管理すると、葉が大きくなりすぎて肥大が悪くなったり、土から根が早く抜け上がって、肩の部分に寒さの害が出たりします。さらに40℃を超えると、葉焼けなどの高温障害が発生する危険性が高まります。
その後は本葉10枚目までが30℃、20枚目までが25℃、それ以降は20℃を目安に換気してください。換気が遅れると葉が大きくなりすぎ、根部の長さや肥大に影響が出るので注意しましょう。
また、トンネル栽培ではトンネル内が乾燥しやすくなります。特にタネまき後から本葉5〜6枚目ごろまでは適湿が保てるように、水の管理には気を配ってください。

収穫

春の栽培では、収穫する時には温度が上昇し、ダイコンは日一日と肥大するので、収穫適期は短くなります。収穫の遅れは、ス入りの発生や軟腐病といった病気の発生につながるので、適期を逃さずに行いましょう。

春まきダイコンの栽培ポイント

  • 地温を上げるためにマルチシートを張る。
  • ビニールトンネル栽培にし、保温して生育を促すとともに抽苔を防ぐ。
  • 日中は温度が上がりすぎないよう、換気して温度管理する。
  • 乾きやすいので、水分管理に注意。

1.畑の準備

畑の準備

2.タネまきとトンネルの設置

タネまきとトンネルの設置

3.温度管理

温度管理本葉10枚目までが30℃、20枚目までが25℃、それ以降は20℃を目安に、日中はビニールのすそを上げて換気する。換気が遅れると葉が大きくなり、根が肥大しにくくなるので注意。

4.収穫

収穫根の直径が7〜8pになったら収穫する。収穫が遅れるとス入りや軟腐病の原因になるので注意。

ダイコンの花芽分化と抽苔

抽苔してダイコンの花が咲いた状態。

ダイコンは、タネが動き始めた時から低温に感応し、花芽分化が始まります。分化後は高温長日条件で抽苔が促進され、一般に12〜マイナス1℃の範囲で感応し、敏感なのは5〜7℃とされます。また、脱春化作用といって、夜間の低温感応を日中の高温で打ち消す作用があり、それには20℃以上の高温が必要です。高温が4〜6時間以上確保できれば、完全に脱春化されます。ただし毎日の反復が大切で、昼間温度が上がらない日が3〜5日も続くと花芽分化を起こしてしまいます。

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