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庭先で育てるおいしい果樹 : 温州ミカンを育てよう

庭先で育てるおいしい果樹温州ミカンを育てよう温暖な気候を好むカンキツ類の中でも、比較的寒さに強い温州ミカン。初心者でも育てやすく、家庭果樹栽培では特に人気があります。上手に育てて、甘くてジューシーな果実を楽しみましょう。
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温州ミカンの系統と品種の特性を把握しよう

カンキツ類の中でも比較的寒さに強い温州ミカン。温州ミカンと一口にいっても、非常に多くの品種系統があり、厳密にいうとそれぞれに栽培方法で差異があります。すべての品種の栽培法をまとめるには紙幅に限りがあるため、今回は温州ミカンの系統の特性を、特に熟期による分類をもとにアプローチすることにします。また、後半では幼苗期を鉢で栽培し、結実年度になってから定植するという「中間育苗方式」を紹介します。作業の簡素化や高品質化、早期多収を目的とした栽培方式です。

温州ミカンの系統

温州ミカンは、約500年前に現在の鹿児島県長島町鷹ノ巣で、中国から持ち帰ったカンキツのタネから偶発実生(みしょう)として発生したといわれています。それが福岡県や長崎県を中心に九州各地へ広がり、さらに、瀬戸内、近畿、東海地方へと伝わっていきました。栽培面積が増加するにつれ、在来系(原木由来)をはじめ各種系統へ分化し、これらの系統から普通温州(早熟系、中・晩熟系)、早生温州、極早生温州の各系統が枝変わりや珠心胚(しゅしんはい)実生によって発生していきました。

温州ミカンの品種と特性

極早生温州

極早生温州は、早生温州より熟期の早い……つまり着色、減酸の早い変異系統のことを総称しています。多くの系統が発見、栽培され、現在でも新しい優良な系統の発見や珠心胚実生由来の優良系統が選抜されつつあります。
極早生温州の特性として、一般に木は早生温州に比べて矮性(わいせい)で、枝梢や節間が短いものが多く、葉は小さく密生する傾向にあります。また、結実開始までの期間は、早生温州と同程度かやや弱い樹勢を示しますが、結実し始めると着花量が多く、かつ結実しやすいため着果過多となり、樹勢が低下しやすくなります。果実は初期肥大が良好で、果皮は薄く滑らかなものが多いのが特徴です。

早生温州

早生温州は、普通温州の芽状変異として発見されました。「宮川早生」が発見されてから品種特性が安定し、現在栽培されている早生温州は「宮川早生」あるいは「宮川早生」の枝変わり系統、「宮川早生」の珠心胚実生由来の「興津早生」、およびその枝変わり系統で占められています。
普通温州に比べると樹勢はやや劣るものの比較的良好で、着花および結実性もよく、熟期は10月下旬〜11月上中旬です。普通温州に比べると油胞が小さく密生し、果面が滑らかで、果皮も薄いのが特徴。また、食味は良好で完熟期にはじょうのう膜が薄くなります。なお、比較的小玉果のみを選んで、11月以降も樹上に残して12月〜翌年1月までに完熟させた果実は、糖度が高く、じょうのう膜は破れるほど薄くて、食味は極めて良好で希少価値があります。

普通温州

早熟系(中生温州)

5月下旬〜6月上旬に香りのよい花を咲かせる。早生温州と普通温州の中・晩熟系の間に成熟する系統です。珠心胚実生由来系統の「大津四号」を代表として樹勢が旺盛で中・晩熟系と大差ないものを除き、果実の熟期と同様に樹勢や果実特性も早生温州と普通温州の中・晩熟系統の中間程度です。
果実は大果で扁平な系統が多く、早生温州ほどではないものの、果面は滑らかな方です。果肉は柔軟多汁性で、糖度も比較的高く食味良好ですが、中・晩熟系に比べると、食味がやや劣るものが多い傾向にあります。早生温州よりじょうのう膜はやや厚くかたいものの、中・晩熟系に比べると薄くて食べやすいのが特徴です。
土壌条件、成熟期直前〜成熟期の気温および降雨などにより浮皮の発生が著しい系統が多い中で、「石地(いしち) 温州」のように浮皮の発生しにくいものも登場しています。ほとんどの系統は樹勢が比較的良好で結実性もよく栽培しやすい一方で、「大津四号」などのような大玉系は隔年結果しやすいので注意が必要です。

中・晩熟系

系統数が多く、熟期は11月下旬〜12月下旬以降まで。普通温州のほとんどは中熟系でした。しかし近年は貯蔵性の高い高糖度系統が増加しています。1月以降にならないと酸含量が1%を切らない晩熟のものは中玉系が多く、一般的に樹勢が強く、大玉で扁平なものが多いのも特徴です。中でも、発育枝が太く長く、大玉で有葉果が多い系統は、隔年結果性が著しいという特徴があります。通常の剪定では、隔年結果性が顕著に出るので、10年生くらいまでは無剪定として、有葉花などを摘蕾することで連年結果しやすくします。また、成木では4月になって着花を確認した後に剪定し、樹冠上部摘果などを行うことで隔年結果を軽減できます。

コンパクトに仕立てて高品質・早期多収を目指そう

主幹形整枝と中間育苗による新しい栽培方法

ここで紹介する温州ミカンの新しい栽培方法は、最初から露地に定植せずに、鉢で2年間育苗するのが特徴です。細根を均等に多く発生させることで、根域をコンパクトにして地上部分も小づくりに仕立て、それによって摘果・収穫・病害虫防除などの作業が簡素化できます。しかも早期に収量を多くできる、主幹形整枝を組みあわせた方法です。

苗木の育成

1年生苗木を鉢植えにする

スリット10号鉢に植え付けます。通気性のよい培養土を使用することがポイントです。植え付け時には、接ぎ木部位から60cm程度の高さで切除し、1〜2mの支柱に誘引します。

主幹の育成

植え付け後は、日中の気温が高く、風が遮断できる場所を選んで育成します。主幹をまっすぐに誘引し、芽かきを行い、目標とする高さ(150〜190cm)に達したら先端を摘芯します。
肥料はチッソを月1回、1本当たり1g施します。害虫は特に、ナメクジ、アゲハ、ミカンハモグリガに気をつけます。

側枝の育成

植え付け翌年は同じ鉢で側枝(春枝)を育成します。優良な側枝群を形成するため、萌芽直前に新梢発生促進剤を散布するとかなり有効です。なお、側枝が同一のわき芽から2本以上発生した場合は、最も長いものを1本だけ残し、ほかは芽かきします。

図:苗木の育成

定植

側枝(春枝)の伸長が停止し、本葉の展葉が完了したら露地に定植します。土が崩れないように、大事に鉢から抜き、苗木を配置し、水鉢ができる程度まで培養土を足します。定植後、側枝(春枝)に夏枝が発生しますが、その枝に翌年着花するので剪定はしません。

結果木の管理

定植の翌年から結実を開始します。

水やり

8月上旬から収穫期までは乾きぎみにします。それ以外の時期は、土壌水分を十分に保ちますが、特に収穫後は、秋肥の吸収と光合成を促進させるため、十分に水やりします。

施肥

年間のチッソ施用量を収量1kgに対して2〜3gとし、3・4・5・6・10月に1:1:3:1:3の割合で分けて施します。微量要素肥料は5〜6月に施します。さらに、銅欠乏の防止のために、5〜6月に1本当たり2gの硫酸銅を土壌に施します。

剪定・摘果

図:結果木の管理

主幹の基部から発生する強い側枝を剪定することが最も重要です。また、下垂した枝も併せて切りとります。摘果は、葉果比20〜25で行います。

土壌管理

毎年堆肥(たいひ)などの有機物を表面に施用します。苦土石灰は、土壌pHに応じて2月に適量施します。

収穫

定植の翌年には、1本当たり5kg以上の収穫が期待できます。

主幹形整枝

図:主幹形整枝剪定は主幹形整枝を目指し、樹冠は直径100〜120cmの円柱形と、超コンパクトにします。こうすることで、骨格となる枝(主幹と側枝)の発生位置がどの木苗木の育成もほぼ同一で、しかも、樹冠がコンパクトになります。したがって、収穫作業が大変楽になります。また、摘果では内なり・裏なり果がほとんどないので、樹冠内の果実品質のばらつきが小さく、安定しておいしい果実が収穫できます。
温州ミカンを主幹形に整枝する際のポイントは、1本当たりの長さが20〜40cmの側枝(春枝)を主幹の基部から先端まで一様に発生させることです。それにはまず、主幹の基部から先端まで同年枝であること、すなわち1年で主幹を目標とする高さ(150〜190cm)に伸長させることが必要です。
また、接ぎ木2年目に側枝が発生しなかった主幹のわき芽からは、接ぎ木3年目以降、新たな側枝はほとんど発生しません。
よって萌芽直前の新梢発生促進剤の散布は、側枝の発生本数を増加させるのに非常に有効な手段です。

育てやすい温州ミカンの品種
極早生温州みかん エヌワン 極早生温州。酸味が少なくあっさりしておいしい。実つきがよい。宮川早生 温州みかん 早生温州。酸味、甘みが濃い。結実性がよく、実つきがよい。石地温州みかん 普通温州早熟系。糖度が高く、小袋がやわらかくて食べやすい。南柑20号 普通温州早熟系。普通温州より選抜された優良品種。小袋が薄くて甘い。愛媛中生温州みかん 普通温州早熟系。酸味が少なく、甘い果汁をたっぷり含む。南津海みかん 普通温州中・晩熟系。樹勢が強く実つきがよい。糖度が高く皮もむきやすい。
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大森 直樹

大森 直樹

1958年生まれ。岡山大学自然科学研究科修士課程修了。岡山県赤磐市にて果樹種苗会社を営むかたわら、家庭園芸としての果樹栽培の研究を行っている。